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【最新版】アメリカの残留農薬 農作物ランキング2021が発表!イチゴが6年連続ワースト1位に

1. アメリカの農作物、残留農薬高いもの&低いもの

今年もアメリカの環境保護 NPO 機関 EWG(The Environmental Working Group)が残留農薬の多い農産物のリストを発表しました。毎年、春になると発表されるこのランキングリスト。米国農務省からの最新の試験データを元に毎年分析されています。残留農薬の多い農産物の12品目のリストを『Dirty Dozen』(ダーティー・ダズン)と呼び、2021年度版では、イチゴが6年連続でワースト1位という結果になりました。
一方で、残留農薬の少ない野菜や果物に関しては、『Clean 15』(クリーン15)といわれ、15品目のリストになっています。アメリカで野菜や果物を買う時や、アメリカから輸入された野菜や果物を買う際に知っていると便利かと思いますので、ご紹介させてください。

1−1 Dirty Dozen(ダーティ・ダズン): 残留農薬が多いもの

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1位:イチゴ
2位:ほうれん草
3位:ケール
4位:ネクタリン(桃の一種)
5位:りんご
6位:ぶどう
7位:チェリー
8位:桃
9位:梨
10位:ピーマン、唐辛子
11位:セロリ
12位:トマト

全てのリストは以下のリンクから確認できます。
https://www.ewg.org/foodnews/dirty-dozen.php

EWG によると、アメリカで販売されている農産物の70%近くに有害な可能性のある化学農薬が残留していると言われています。イチゴ、ほうれん草、ケール、ネクタリン、リンゴ、チェリーのサンプルの90%以上に、2種類以上の農薬残留物が含まれているという結果が出ました。
『Dirty Dozen』(ダーティー・ダズン)の3位にランクインしているケールのサンプルには、最大20種類もの残留農薬が含まれていたそうです。よく使われている農薬は、DCPAという農薬で、この農薬は、環境保護庁によって人間への発がん性の可能性があると見なされており、2009年にヨーロッパでは禁止されているものとなっています。

1位のイチゴ、2位のほうれん草は、6年連続で1位2位にランキングしています。何からオーガニック食品に変えたらいいのかと悩まれている方は、是非このランキングを参考にしてみてください。

1−2 Clean 15 (クリーン15): 残留農薬が比較的少ないもの

次に、残留農薬の比較的少ないものについて。これは、クリーン15といって、15項目あります。
こちらは、残留農薬が少ない順に並べられています。

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1位:アボカド
2位:トウモロコシ
3位:パイナップル
4位:玉ねぎ
5位:パパイヤ
6位:冷凍さやえんどう
7位:なす
8位:アスパラガス
9位:ブロッコリー
10位:キャベツ
11位:キウイフルーツ
12位:カリフラワー
13位:マッシュルーム
14位:ハニーデューメロン
15位:カンタロープメロン

全てのリストはこちらから確認できます。
https://www.ewg.org/foodnews/clean-fifteen.php

アボカドとトウモロコシが一番残留農薬が少ない結果となりました。農薬が検出されたのは、サンプルの2%以下のみとなっており、『Clean 15』(クリーン15)の果物と野菜のサンプルの約70%には、残留農薬はないという結果が出ています。

2. 農薬が体に与える影響

EWGの2021年の分析では、アメリカで販売されているオーガニックではない農産物の約70%に人体に害がある可能性のある残留農薬が検出されました。また、オーガニックではないの柑橘系フルーツにおいては、90%に人体に害のある可能性のある残留農薬が認められています。
オーガニック食品を食べることは、農薬曝露を減らし、さまざまな健康上の利点につながるといわれています。24の別々の臨床試験で、従来の栽培から有機食品に切り替えた人々は、農薬曝露マーカーである尿中農薬濃度が劇的に減少したという結果も出ています。

ハーバード大学の研究者は、USDAのテストデータとEWGと同様の方法を使用して、農産物を高農薬または低農薬として分類。ハーバード大学の出した高農薬作物と低農薬作物のリストは、EWGの『Dirty Dozen』(ダーティー・ダズン)『Clean 15』(クリーン15)と大部分が重複しています。

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また、ハーバード大学の研究者は、農薬を多く含む作物を大量に食べた人は、尿の中の農薬のレベルが高く、生殖能力が下がることを発見しました。全粒穀物や葉酸などの栄養素を取ることで、妊娠する可能性が高くなるという結果も出ています。

3. アメリカのオーガニック認証とは?

アメリカでは、農務省(USDA:United States Department of Agriculture)傘下の全米オーガニックプログラム(NOP:National Organic Program)という制度により、オーガニック食品の認証が行われています。USDAの認可を受けた認定機関が審査を行ない、オーガニックと認められるとこのマークを付ける事が出来ます。

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その審査基準は非常に厳しく、以下をクリアする必要があります。

✔︎無農薬で3年以上栽培された土壌から収穫された食物であること
✔︎遺伝子組み換え無し
✔︎土、水も厳格な基準をクリアしていること
✔︎家畜は有機食品を食べていること
✔︎家畜は納屋の外の自然環境へのアクセスがあること
✔︎成長ホルモンや抗生物質不使用であること
✔︎薬品を使う農家とは定められた距離を置くこと  

更にその中で全成分の95%以上をオーガニック原料で作られたものにのみ「USDA ORGANIC」のマークを添付する事が許可されています。
ここに関しては、長くなってしまうので、また次の機会に詳しく説明できればと思います。

4. まとめ

オーガニック食品は通常のものと比べると多少高価ではありますが、将来の健康リスクを考えると、病気になって高額の医療費を払うことになるより経済的という見方もできます。アメリカは特に医療費がとても高いので、私は予防医療と思って、積極的にオーガニック食品を取り入れています。全てをオーガニック食品にとなると難しいかと思いますが、まずは今回Dirty Dozen』(ダーティー・ダズン)の上位にあがった、イチゴ、ほうれんそう、ケールからオーガニックに変えてみるのもいいかもしれません。
source:USDAThe Environmental Working Group

5. 私自身について

長くなってしまいましたが、私自身については別でまとめていますので、どんな人なのかご興味持たれた方は、よろしければ、自己紹介を読んでみてください。





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