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お宝本を(無料で)ゲットしたお話~ブーブー紙付レトロ新書萌え~

図書館のリサイクルコーナーで何気なくいただいた本から、未知の著者さん(故人)を開拓し著書漁りへ……大好きな展開でした(笑)。


昨日は図書館に取り寄せをお願いしていた資料が届いて受け取りに行きました。ここは利用者が不要の本を自由に寄付していくリサイクルコーナーというのがあります。自分も寄付したりもらってきたりでよく利用しているんですが、掘り出しものがありました♪

タイトルは『第二次世界大戦下のヨーロッパ』。二つの大戦周辺はイアン(自作小説シリーズの主役でイギリス人ゲイの歴史ライターくん)の専門領域なので、彼についていくために(笑)素人なりにアンテナを張ってるのですが、これはそれを抜きにしても惹かれました。

古い岩波新書というのも琴線に触れたところ。ブーブー紙(グラシン紙というらしい)でカバーされてるやつで、新書にもしおり紐がついていた時代です。このレトロな雰囲気には弱い。

かかっていたブーブー紙と「しおり紐」つきの本体。 ビジュアルだけでもたまらん♥

ブーブー紙はかなり焼けていてパリパリ。タイトルが読みにくいので、惜しいですが外して手持ちの透明カバーに変えました。でもこのブーブー紙のおかげで表紙がきれい! このレベルで古い古書としてはかなりの美本です。ブーブー紙優秀!古書の保護によく使われてますが、ちゃんと理由があるんですね。

調べてみたら本自体がお宝でした。笹本駿二さんという、二次大戦期に実際にヨーロッパで過ごしていたジャーナリストさんの著書だったんです。アマゾンでレビューを見たら高評価で、調べていったら前著にあたる『第二次世界大戦前夜』というのがまた名著だそうです。アマゾンでも『大戦下の…』以上のレビュー数でこれまた高評価。しかも「昔読んだ」という方が多い。中にはこの本のために初めてアマゾンを使ったという78歳の方のレビューも。(アマゾン自体について書かれています。慣れてしまったけどほんと便利ですよね)

私がゲットした本も1970年の1刷ですから、そういう世代の方の蔵書だったのではないかと想像します。そう思うとまた感慨が…。両方とも版を重ねていたようですが、現在は販売なし。古書は出回っていますが、検索しているうちに「復刊ドットコム」のページに行き着いたので、『第二次世界大戦前夜』のほうに投票してきました。よかったら清き一票を。

復刊ドットコム『第二次世界大戦前夜-ヨーロッパ1939年-』

ちらちら読んでるのですが、確かに読みやすいし引き込まれる。この時代のこなれた本て、「概念がつかみやすい」印象があります。今と違ってネットもなく、著者と読者の知識・情報源へのアクセス格差が大きかったので、断言ぽく書きやすい(?)時代だったのだろうなーと思います。その分著者の権威と責任も重いわけですね。

リサイクルコーナーでは折々良い出会いをしていて、普通の古書店(近所ではブックオフ系しかありませんが)ではお目にかからないようなものにも出会います。日焼けがひどいとリサイクル書店では値が付かないのも理由かもですね。古書店は好きで行きますが、どうしても自分が興味のあるところばかり見ることになります。ジャンルを問わず目に入る「リサイクルコーナー」は偶然の要因が大きくて楽しい。それだけに「これ」という出会いは少ないですが、良い本、そして未知の(好みの)著者という鉱脈に出会えた嬉しさはひとしおです。


Originally published at https://ushino.blogspot.com.
(初出2023/9/14)


最後までお読みくださり、ありがとうございました!