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データマネジメントの新たなあり方。革新的なシステム開発を目指して

CRO(医薬品開発業務受託機関)や製薬企業に特有な、データマネジメントという職種。サスメドにもデータマネジメント職が存在しますが、その業務内容は、これまでのデータマネジメントの概念を覆すような新しいものです。

今回は、データマネージャーとしてサスメドのシステム開発や販売戦略に携わる安海さんにお話を聞きました。一般的なデータマネジメントとの違いや、仕事の面白さ、今後の展望に迫っていきます。


プロフィール


安海 嵩曜  |データマネジメント
東京都立大学理学部生物科卒業後、慶應義塾大学医学部医学研究科修士課程修了。内資系CROでデータマネジメントのキャリアをスタートし、外資系製薬企業等、複数社でデータマネージャーのキャリアを12年積む。2022年4月、サスメドに入社。

データマネジメントの仕事を抜本的に変えていきたい

── サスメド入社までのキャリアを教えてください。

サスメドは5社目で、これまで内資系CROや外資系製薬企業等でデータマネージャーを務めてきました。新卒では内資系CROでCRA(Clinical Research Associate/臨床開発モニター)として入社したのですが、何名かをデータマネジメントチームに異動させるという話が出たときに、自ら移ることを決めました。データマネジメントはCRAの後工程にあたる作業なので、その業務への理解を深めることでCRAの業務に活かせるのではないかと思ったんです。しかし結局、その後もCRAに戻ることはなく、これまでずっとデータマネジメント一筋です。

内資系のCROでは、海外のお客様から委託を受けることが多かったこともあり、2017年に外資系製薬企業に転職しました。外資系製薬企業がCROに求めているもの、治験で大切にしていることを知りたくなったからです。その後、2社の転職を経て、2022年4月にサスメドに入社しました。

── CRAに戻らずデータマネジメントとしてのキャリアを選ばれたのは、やはりこの仕事に適性を感じられたからでしょうか?

いえ、実は全然そうではなくて(笑)。最初は性格上あまり好きな仕事ではないかも、と思っていました。データマネジメントという仕事の細やかさが自分に向いていなかったので、失敗した、と思いましたね。

── そんな中で、なぜ長年続けてこれたのでしょうか?

時代の流れと私の適正がフィットするようになってきたからです。データマネジメントの仕事は元々、治験の実施状況を紙の症例報告書に記録し、その情報をデータに起こして、それをさらにチェックするという、手作業主体の業務でした。その細かい作業が、非常に苦手だったんです。

しかし、EDC(Electronic Data Capture)システムが普及したことで、私の苦手な業務がデータマネジメントの範疇から消えていきました。さらに、データを管理するという仕事から、業務のプロセスを最適化したり、海外のお客様に向けてプレゼンしたりする仕事に変わっていき、自分の強みをどんどん活かせるようになっていきました。

── 前職でもご自身の強みを十分に活かせていたかと思いますが、どういった理由でサスメドに入社したのでしょうか?

サスメドに入社すれば、データマネジメントの不要な業務をさらに減らせる、と思ったからです。サスメドは自社で臨床試験システム(SUSMED SourceDataSync®︎; SUSMED SDS)を開発しています。従来のデータマネジメントでは、データが入力された後にチェックを行うという出口管理の手法が取られています。これは紙の症例報告書でもEDCでも変わりません。SUSMED SDSの開発に私自身も関われたら、データマネジメントが出口管理から、プロセス管理の形に変革し、従来より少ない人手で治験で得られるデータの品質を高めていくことを実現できるのではないか、と考えました。

極端な例ですが、これまでのデータマネジメントの仕事は、交通違反をした車をパトカーで追いかけるような仕事でした。それを、交通違反を起こさせないような仕組みづくりをする仕事に変えられる、と思ったんです。

「データマネジメントの無駄な仕事をなくしたい」「本来やるべき仕事に集中できるようにしたい」というのは、私がずっと抱いていた願望でした。それを叶えるために、サスメドに入社しました。

── 大企業からベンチャーに入社することへの不安はなかったでしょうか?

むしろ、いつかベンチャーに挑戦したいと思っていました。大手企業では業務手順がある程度固まっていたので、ベンチャーの規模感で、自分で色々と決めていくのも面白そうだと思ったんです。その一方で、ベンチャー企業ではデータマネージャーの募集がほとんどなかったため、挑戦の機会がなかなか得られませんでした。サスメドでデータマネジメントの募集が開始されたと知ったときは、ぜひエントリーしてみたい、と強く思いました。

業務内容や文化のギャップさえも、面白い

── サスメドに入社してからは、どのような業務内容を担当されているのでしょうか?

入社以来、治験データの品質をみるといった、CROや製薬企業で行っていた実務は一切していません。では何をやっているのかというと、SUSMED SDSに魅力的な機能をつけるといったシステム開発や、競合がひしめく中でどのようにシステムを使ってもらうのかといった販売戦略など、前職までとは全く別物の仕事に携わっています。

データマネジメントという、今まで製薬企業やCROが行っていた業務の新しいあり方を再定義し、システムで実現していく。これが私の使命であるという思いで、日々取り組んでいます。

── この仕事の面白さ、やりがいはどのようなところにありますか?

一つは、SUSMED SDSというシステムを、どんどん育てていけることですね。昨年と現在を比べると、システムが持っている機能はガラリと変わっており、日々便利になっている実感があります。

もう一つは、常に新しいプロジェクトに取り組めることです。「過去の案件と同じように進めればできる」というのが一切なく、常に新しい課題に直面していて、どのように攻略するのかを考え続けています。定型化されていないからこそキツいというのもありますが、製薬企業にいたらできなかったプロジェクトが多くて、私は面白いです。

製薬企業にいた頃は、「治験を成功させて新薬を出す」ということが、社会貢献だと思っていました。しかし、サスメドに入社して、医療に貢献するためのプロジェクトがこんなにもあるのだと知ることができました。製薬企業では出来上がっている薬を世に出すための業務がほとんどでしたが、現在は、新しい治療法を考えたり、データの利活用をしたりといった、研究寄りの仕事ができています。

── サスメドに入社して感じた、前職までとのギャップはありますか?

データマネジメントという仕事を知っている人が周りにいないため、本質的な問いかけをされることが多く、非常に新鮮です。例えば、システムの機能を追加しないといけないとき、「本当にその機能が必要か?」だけでなく、「その業務自体必要なのか?」というところまで遡って問われる場面があります。データマネジメントという職種同士で会話していたら起こらなかったような本質的な問いかけは、あらためて自分の仕事を見直す良いきっかけになっています。サスメドには自分の仕事がもたらす意味や成果を考える企業文化が強く根付いていますね。

また、データマネジメントという部署は、製薬企業ではコストがかかる部署としてみなされています。新しいものを出して売上をあげる部署ではないからです。しかし、サスメドでは、データマネジメントの経験や知識が直接販売戦略に繋がっていくので、データマネジメントも利益を上げる部署の一つになっています。その点も大きな違いでしょうか。

発展途上国で井戸を掘るような仕事

── 入社して感じた、カルチャーや制度面での特徴はありますか?

特徴としてもっとも強く感じているのは、個人の事情を汲んでくれることです。出社日を原則的には設定しているけれど、体調や状況に応じて柔軟に対応してくれるので、ありがたいな、と素直に思っています。

個人の事情を汲んでくれるからこそ、「自分はどこで会社に貢献できるだろうか?」と自然と考えることができていますね。会社と社員の双方がgiveできる関係性であると感じます。同僚の働き方を見ていても「自分には何ができるのか」を考えて行動をされるProactiveな方に囲まれていると感じます。

── 素敵な関係性ですね。さて、サスメドのデータマネジメントは、一般的に指すデータマネジメントの業務内容と大きく異なるとのこと。どのような方がフィットすると思いますか?

発展途上国に行って、井戸を掘るようなことを楽しめる人ですね。一から井戸を掘るからこそ、水の汲み上げ方や、供給の仕方を新しく考えることができるはずです。日本と同じように蛇口をひねるのではなく、整備されていない環境を逆手にとって、その国独自のあり方を見つけ出していく。そんなことに取り組みたい方にはぴったりだと思います。

特に、人手でやっていたことをシステムで解決できるようにしたい、と考える方には良い環境だと思いますね。サスメドには、優秀なシステムエンジニアの方々と同じ目線に立って、課題点や疑問点をシステムで解決していく機会が存分に用意されています。

仕事のあり方を変えるレベルのものを生み出すにはまだ課題があります。水を飲めるようにできるというのはその国にはすごく価値のあることですが、せっかくやるのであれば先進国がうなるような革新的なものを作りたい。これまでにないシステムを作り出したい方、仕事のあり方を変えたいという方とご一緒に取り組んでいけたら嬉しいですね。


── これから力を入れていきたいことはありますか?

やはり私は、属人的な業務や、手作業で行っている業務を効率化・自動化したいという思いが強い人間です。そこでいつかは、自分が担当してる業務や思考プロセスをAI化できないかな、と考えています。「自分がどうにかしなきゃ」と考える癖がついてしまっているので、極論、私がいなくても業務が進んでいくような、システムや業務プロセスが作れたらと思います。

── 課題解決の意識を常に持っていらっしゃるんですね。本日はお話を聞かせていただき、ありがとうございました!