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ウィキペディアを運営している人達も「ご飯を食べている」ことに気づいて、わかったこと。

最近、ウィキペディアを使った人達は、ウィキペディアのサイトを開く度に「寄付募集バナー」が見えただろう(*1)。

すでに寄付なさっていたのであれば、失礼した。

この必死のウィキペディアのお願いに対して、ネットの世界では「うるさい」という声が聞こえてくる。正直、ウィキペディアが気の毒でならない。もちろん、私は、ウィキペディアのユーザーの一人であり、関係者ではない。

ウィキペディアにとって「寄付」は命綱

ウィキペディアは、noteと似ているような気がする。まず広告主を持たない。ウィキペディアの記事を執筆している人も、編集している人もnoteでいえば「クリエイター」だ。全てボランティアのクリエイター達の共同作業によってつくられた「情報」が我々に無料で提供されている。

前述の「寄付募集バナー」が登場するまで、このサービスが無料で利用出来ることに慣れすぎて、ウィキペディアを運営している側の顔を忘れてしまう。

ウィキペディアを運営している人々も食べないと生きていけない。ご飯だろうが、パンだろうが、食べるためには、お金がいる。ネット世界の大きな収入源の1つである「広告」をせずに、あの言語の種類とあの内容で運営している彼らにとって「寄付」は、命綱だ。

毎日のように百科事典として助けてもらっているし、noteの記事でもウィキペディアを引用することによってお世話になっていることが多々ある。ましてや、美術系の記事では、感心するほどの参考文献と註がついている記事も多い。それに加えて出版されていない画像も提供されており、感謝しかない。

さて、引用といえば、私の知る限り、noteでは、他のnoterの記事を引用する場合は、その記事のURLをそのまま貼るか。あるいは、noterの名前にリンクを貼るのが「クリエイター同士のマナー」だ。リンクを貼れば、先方のPV数も増えるというものだ。

このnoteの世界の「マナー」を考慮しつつ、ウィキペディアの貢献度を考えると、noteを含むネット記事でURLも記述せず、リンクも貼らず、例えば「ウィキペディアより出典」の記述だけでは、ウィキペディア側のクリエイター(各記事に関わっているボランティア)達の努力が、うかばれないように思えるのは、私だけだろうか。島が違うだけで、同じクリエイター同士なのに。

ただ、それは、記事を利用されるウィキペディアにとって「マナー」どころの話ではなかったのだ。

ウィキペディアにも、著作権がある

先日、あることを調べていて、ウィキペディアの記事の一番下に記述されている一行に気がついた。以下、日本語のウィキペディアのメインページから引用する(*2)。

テキストはクリエイティブ・コモンズ 表示-継承ライセンスの下で利用可能です。

クリエイティブ・コモンズとは、2001年にネット上の知的所有権を守るために設立された国際的な非営利団体だ。このクリエイティブ・コモンズが定義したライセンスをクリエイティブ・コモンズ・ライセンスといい、CC(クリエイティブ・コモンズ)と表記される。

著作者は、著作物の権利をクリエイティブ・コモンズの説明をつけることにより、ユーザーがその著作物を利用する時の条件として、かれらの著作権の内容(表示、非営利、改変禁止、継承、の四項目を組み合わせる)をユーザーに対して宣言する。

注意しなければならないのは、パブリック・ドメイン(著作権の期限が切れている状態、あるいは著作権がない状態)の著作物(画像も含む)でも、このクリエイティブ・コモンズは用いられる。特にパブリック・ドメインの作品を所蔵する欧米の美術館は、このクリエイティブ・コモンズにこだわる。

話をウィキペディアのクリエイティブ・コモンズに戻そう。彼らは、利用する条件として「表示-継承ライセンス」を守って欲しいと記述している。具体的に、どのようなことをウィキペディアは、我々にリクエストしているのだろうか。

というわけで、ウィキペディアの「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」のページを読んでみた(*3)。そして、利用条件の「表示-継承ライセンス」について(一部原文を引用)以下のようにまとめてみた(下記のカギ括弧内は、原文をそのまま引用させていただいた部分だ)。

まずは「表示」のライセンスについて。

1.著作物の著作権情報を保持する。
2.引用した著作物の作者を表示する。「もしインターネット上で公開する場合、作者名の所で(ある場合)その人物のプロフィールページにリンクした方がいい。」
3.引用した著作物のタイトルを表示する。 「もしインターネット上で公開する場合、タイトルもしくは名前をオリジナル作品に直接リンクしたほうがいい。」
3.著作者の希望する特定のCCライセンスを自分の記事で表示する -「もしインターネット上で公開する場合、ライセンスの引用をクリエイティブ・コモンズのライセンスページにリンクしたほうがいい。」
4.著作物に何らかの形で手を加えたことを提示する 「もし二次創作物もしくは翻案である場合に告知する - 上記に加えて、著作物が二次創作物であることを識別する必要がある。例として「これは[作者]の[原作品]の完訳版です」「[作者]の[原作品]を元にした脚本です」など。」

noteで引用する場合は、利用するウィキペディアの記事のURLを貼るだけで、リンクが貼れる。それでも、私は、ウィキペディアの記事を引用するときは、なるべく記事名とURLとアクセス日を記述していたけれども、ここまで明確な内容は知らなかった。

次に「継承」のライセンスについて。そのまま上記のウィキペディアより引用させていただく。

「SA(継承)」が付けられた著作物を利用して二次著作物を作った場合、他者が二次著作物を元の著作物と同条件で利用することを無条件で許諾しなければならない。この特性により、SA条項はいわゆるライセンス感染を伴う。

つまり、ウィキペディアが提供する記事や画像を加工して利用する際に、加工前のオリジナルの記事や画像と同じライセンスつまり「表示-継承」を引き継ぐ形で頒布を認めるというところか。

早い話が、ウィキペディアを無視して、自由に加工して、好き勝手に(記事に)利用、配布、販売することは、出来ないということだ。少なくとも「表示」として、引用した記事のURLでリンクを貼るのが安全しかし、画像に関していえば、気の毒なほど無視されて、ネット上で利用されているのが実情だ。

本当にウィキペディアには申し訳ないのだが、ウィキペディアも人間が運営して、人間が記事を書いているということを、今回まざまざと感じたのだ。己の無知に、同じクリエイターとして反省した。

そして、「いつもありがとうございます。これからもお世話になります」と思いながら「寄付募集バナー」をクリックした。


NOTE:
*1.Wikipedia contributors, "メインページ," Wikipedia, https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8&oldid=78418532 (accessed September 29, 2020).
*2.Ibid.
*3.Wikipedia contributors, "クリエイティブ・コモンズ・ライセンス," Wikipedia, https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B9&oldid=78568050 (accessed September 29, 2020).


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見出し画像は、みんなのフォトギャラリーから、tiny peace kitchenさんの画像をお借りました。ありがとうございます。