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"TrackTown USA"と呼ばれる街・ユージンのランニングコース
2023年9月16・17日に米国オレゴン州ユージンにて、陸上最高峰のシリーズ戦である、ダイヤモンドリーグのファイナルが2日間に渡って開催される。
昨年、私は"TrackTown USA"と呼ばれる街・ユージンでの世界選手権を訪れたが、その時に私が走った4つのランニングコースを紹介する。
以下は、昨年ユージンでの散歩中に出会った選手たち。
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オレゴン大学に将来入学を考えている人や、この街のランニングコミュニティを感じてみたい人、プリフォンテーンクラシックを観戦したい人などなど、今後ユージンを訪れる予定の人にとって参考となれば幸いである。
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なお、ユージンはオレゴン大の学生だけでなく、現在のBTC(バウワーマントラッククラブ)やOTC(オレゴントラッククラブ)の練習拠点である。
Hendricks Park / Pre's Rock
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Summit Ave &, Skyline Blvd, Eugene, OR 97403, United States
ユージンのオレゴン大から南東に進んで山なりに少し上って1kmぐらいのところに自然豊かなヘンドリックス公園がある。ここは土のトレイルコースや起伏もあるが、山中の森の中のトレイルという感じで雰囲気が良い。
そのヘンドリックス公園から北に進むと、すぐにプリズロックの看板が左手に見える。この場所が「オレゴンの伝説」ことスティーブ・プリフォーンテーンが1975年5月に自動車事故を起こして亡くなってしまった現場である(享年24歳の若さで亡くなった)。
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プリフォンテーンについては、ジャレッド・レト主演の「プリフォンテーン」の映画でその半生を知ることができるが、やはりこの現場に来ることでしかわからないこともある。
彼がこのユージンの地で、オレゴン大で残した遺産は大きく、当時(1970年代前半)はジム・ライアンの1マイルやフランク・ショーターといった五輪メダリストやビル・ロジャースによるマラソンがアメリカで注目されていた時期。
その時代に「プリ」という青年がビル・バウワーマン(ナイキ共同創業者・当時のオレゴン大のコーチ)の指導を受けて3マイルや5000mで活躍。プリは大学生ながらもミュンヘン五輪に出場して優勝候補に名乗りあげる、というサクセスストーリーに発展していく(プリはラッセ・ビレンに敗れて4位だった)。
とはいえ、プリは亡くなる日までの直近1年間で2000m〜10000mまでの距離全て(2000、2マイル、3000m、3マイル、5000m、6マイル、10000m)で全米記録を更新した怪物であった。
オレゴン大時代は1マイルよりも長い距離の種目では大学生相手には無敗を誇り、長距離競技をアメリカでメジャーにさせて1970年代のアメリカにおけるランニングブームの火付け役となった1人である。
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プリズロックは今でもずっとユージンを訪れるランナーにとっての聖地である。私が訪れた2022年7月にはその時期に開催されたロードレース(Uplift 5k)の完走メダルが置かれていた。
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ユージンを初めて訪れるランナーにとっては、ここをランニングで訪れてプリに対する哀悼の意を示す場所である。
Alton Baker Park / Pre's Trail
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「プリズトレイル」の名称で知られるユージン屈指のクロカンコースは、アルトンベーカー公園の一帯にウッドチップが敷かれており、ほぼ全てウッドチップの6kmほどの周回コースが取れる。
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この広大なコースは日本のどのクロカンコースよりも広く、それだけ広大な敷地にウッドチップが綺麗に敷き詰められていることに驚く。
2022年7月にこのプリズトレイルの真横のロードを含むコースでオレゴン世界選手権のマラソンが開催されたが、そのようなこともあって世界中のランナーがこのプリズトレイルを走ったことだろう。
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左はLelisa DesisaやGotytom Gebreslaseなどを指導するHaji Adiloコーチ。
ユージンの街はTrack Townと呼ばれているが、陸上トラックだけでなく、アマゾントレイルやこのプリズトレイルなどのクロカンコースが素晴らしい。
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この街はランナーにとっては聖地と言える土地であるが、年に1度5月の終わりに「プリフォーンテーンクラシック」と呼ばれる国際陸上競技大会(ダイヤモンドリーグ)も開催され、その大会をホストするにふさわしい風情のあるランニングシティである。
ユージンやポートランド(ポートランドからユージン に行くには2時間ぐらいはかかるが)にもし観光で訪れることがあれば、このプリズトレイルを是非走ることをオススメしたい。
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クロカンコースなので基本的に誰でも無料で利用できる。
South Eugene HS Track
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オレゴン州ユージン南部のアマゾン地区にあるサウスユージン高校のトラックは「Track Town」と呼ばれているこの街でもヘイワードフィールドに次に大きな意味を持つトラックである。
このトラックはオレゴントラッククラブ(OTC)のプロ選手たちの練習拠点であることが知られているが、2019年2月に順天堂大学に入学する前の三浦龍司選手がこのトラックでOTCの練習に1週間ほど参加したことはあまり知られていない。
2022年7月のオレゴン世界選手権では多くの出場選手がこのトラックで汗を流した(このトラックは公式のサブトラではないが、空いているので利用する選手がちょこちょこいた)。普段はイベントや授業?がない限りは観光客でも誰でもフリーで使用できる。
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トラックから南に200m進めばアマゾントレイルにつながっているので、アマゾントレイルの周回コースでクロカン走を終えて、このトラックで流しをする選手も多くいる(田中希実選手が多分そうだったと思う)。
このサウスユージン高校は、1980年のモスクワ五輪男子5000m全米代表だった(=五輪はボイコットによって参加できなかった)ビル・マクチェスニーの出身高校である。彼もオレゴン大学出身者であるが、このトラックは通称「マクチェスニートラック」と呼ばれている。
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マクチェスニーは1992年に33歳の若さで、奇しくもオレゴン大学のスターだったスティーブ・プリフォンテーンと同じように「自動車事故」で亡くなってしまった。しかし、マクチェスニーの5000mのPBの13:14.80はオレゴン州出身のランナーとしてはプリフォンテーンよりも速く、オレゴン州記録として今も残っている。
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オレゴン世界選手権5000m予選の2日前
— Sushiman (@sushimankawarai) July 18, 2023
(ちょうど1年前)の調整練習
前から
Abdihamid Nur
Geordie Beamish
Luis Grijalva
5000mの世界トップクラスの選手です。
興味がある方は何かを感じてください。 pic.twitter.com/Gn7jRL2miT
Amazon Trail
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サウスユージン高校から南に進むとすぐにアマゾン公園とアマゾントレイルが見えてくる。ここはいわゆるクロカンコースであるが、コースも多彩でオレゴン大の北にある「プリズトレイル」よりもシンプルなコースであるといえる。
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1kmコース、1マイル(1,609m)コース、そしてさらに南に進むと「レクシウストレイル」との接続部がありアマゾントレイル+レクシウストレイル1周で5マイル(約8km)のコースが取れる。
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アマゾントレイルはウッドチップが敷かれており足に優しい。また、木々も程よく生い茂っており、自然の中でリラックスして走ることができる。このようにコース全体にウッドチップが敷かれ、整備されているコースは日本では珍しいが、プリズトレイルも含めてユージンの街がランナーにとってとても環境の良い場所だということがよくわかる。
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クロカンコースなので基本的に誰でも無料で利用できる。
おまけ:マイケルジョンソントラック(ナイキ本社)
ユージンからポートランドは車で2時間ほどかかる距離のため、そこまで近くない。空港はポートランドのほうが国際線が豊富なので、ポートランド を訪れる人のほうが多く、ユージンは都会ではなく田舎町である。
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かの有名なナイキ本社の森の中にある1周400mの「マイケル・ジョンソントラック」。森の中なので散歩する人もいて良い雰囲気。4、5レーンはジョガーや散歩の人たちに解放されており、もしポートランドに行くことがあれば、隣町のビーバートンまで足を伸ばしてこちらにぜひ立ち寄ってみては。
※ 行き方は自分で調べてみてください。車もしくはUber等の乗車が必要。
このトラックの周りにはナイキ本社を周回する「ジョギングトレイル」もある。こちらで働く従業員に確認したところ、マイケルジョンソントラックは誰でも利用可とのこと。マイケルジョンソントラックを訪れた人による日本語で書かれている情報はほとんどないと思うので、ご参考までに。
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