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LI-NING(リーニン)のランニングシューズについて

LI-NINGのランニングシューズについて以下に紹介します。なお、私はこのブランドのシューズを2019年から履いています。最近履き始めた / 興味のある人にこのnoteを見ていただければ幸いです。

なお、このnoteは結果的にLI-NINGブランドの宣伝になることはあっても、宣伝することを意図していない(宣伝の依頼があって書いたものではない)ということを記しておきます。LI-NINGのランニングシューズの製品群を整理するために書きました。


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LI-NINGの会社概要

・正式名称:李宁有限公司 / Li-Ning Company Limited
・本社所在地:北京市通州区中关村科技园区
・創業者 / 会長:李宁(1984年ロサンゼルス五輪男子体操:3種目優勝)
・創業:1990年(現在33年目)
・上場:2004年6月(香港市場)
・時価総額:3.2兆円(2023年2月時点)
・Instagram:LI-NING
・HP:英語 / 中国語

中国語:李宁
日本語:李寧 / リーニン
英語:LI-NING

【LI-NING RUNNING:公式ホームページ】
https://www.lining.com/running/ (中国語)
https://en.lining.com/ (英語)

中国国内でアウトドアブランドのAIGLEの半世紀の独占販売権を保持しているとともにヨガブランドのDanskin、バドミントンブランドのKason、レジャーブランドのLottoなど多くのブランドを所有。

LI-NINGというスポーツブランドとしても中国国内で4000店舗以上を展開しており、2023年2月時点での時価総額が3.2兆円という巨大な企業。
※ 参考までにアシックスが2023年2月時点での時価総額5.4兆円

中国国内のみならず、東南アジアや日本(バトミントン用品)、欧州などで幅広く展開。有名選手やチーム単位でのスポンサードに積極的で、NBA選手をサポートし、ドウェイン・ウェイドとの契約を機に人気のバッシュシリーズ「Wade」シリーズを展開。日本でも支持を得ている。

2008年の北京五輪で急成長を遂げた企業であるが、そこからハイエンド市場(ラグジュアリー製品などの高価格帯製品)にシフト。ライフスタイルカジュアルブランドの「中国李宁」ブランドなど、近年はスニーカーも有名で、ハイセンスブランドとして認知されている。

ランニングの製品群はデイリートレーナー / エントリーモデルは販売価格が1万円を切るような比較的安価なものも多いが、飞电シリーズといったエリートモデルのカーボンシューズの販売価格が高い(2-4万円台)。

以下にLI-NINGのランニングシューズを中心に、製品を紹介します。


レーシングモデル(飞电シリーズ)

2019年9月にLI-NINGは初代カーボンシューズの「飞电」(日本語:飛電 / 英語:Feidian)を発表。このシューズは中国人のLI-NING契約選手だけでなく、ケニアの契約選手のフィードバックをもとに開発された。

2020年11月に「飞电2.0 ELITE」を発売。以後、2021年5月に新カラー、2022年7月に「飞电2.0 ELITE 䨻丝」、2022年12月に「飞电3 ELITE」「飞电3 ULTRA」などを発売。

Weibo(微博)より

現在は「飞电3 ULTRA」「飞电3 ELITE」「飞电3 CHALLENGER」が飞电シリーズの最新モデルである。


飞电シリーズ①:1.0 / 2.0 ELITE / 2.0 ELITE 䨻丝 / 飞电3 ELITE

飞电(日本語:飛電 / 英語:Feidian)※以下省略
ミッドソールは超臨界ビーズ発砲PEBAの䨻(Beng / 英語:Boom)で、比較的屈曲性の高いカーボンプレートを採用。ヒールの厚みは25mm未満でトラックレースでも使用できる。


飞电2.0 ELITE
飞电からミッドソールは䨻で変わらず、カーボンプレートの曲げ剛性を高めた。また、前足部のアウトソールのコブの部分:馬の足先の構造に着想を得て開発されたApex Propulsion(李宁跖枕科技)通称“枕”テクノロジーを初めて採用。このコブが接地から離地にかけてのスムーズな蹴り出しをサポートし「スパイクっぽい」というライド感のシューズ。ソールは硬めでマラソンよりも短い距離向け。ただし、ヒールの厚みは25mm以上あるので公認トラックレースでは使用できない。


飞电2.0 ELITE 䨻丝
中国伝統技術の「羅」を使用して織られた䨻丝(Boom Fiber)というPEBA繊維のアッパーにアップデート。耐久性、通気性を高め、伸縮性を向上させ「しなやかさ」が増した。通称「飞电2.5 ELITE」ミッドソールの硬度を調整


飞电3 ELITE
飞电3 ULTRAなど「飞电3シリーズ」への刷新のタイミングで発売。飞电2.0 ELITEからの変更点はアッパーが䨻丝に変わったが、こちらはシンプルな織り方。また、ミッドソールの硬度が飞电2.0 ELITEよりやや柔らかい。本質的には短い距離に合う中厚底レーサーという感じ(軽量性を重視した特化型ではない)。なお、エリートモデルであり、極端なヒールストライカーは合わない可能性がある(前足部のコブの特性をうまく生かせない可能性)。


飞电シリーズ②:CHALLENGER / CHALLENGER 䨻丝 / 3 CHALLENGER

飞电CHALLENGER
飞电 2.0 ELITEと同じ時期に発売。2.0 Eliteとの違いはカーボンプレートの形状、アウトソールの厚み、足幅、ヒールカウンターのサポートなど安定性を高め非エリート層に向けたモデル。


飞电CHALLENGER 䨻丝
飞电CHALLENGERの䨻丝(Boom Fiber)アップデート版。


飞电3 CHALLENGER
「飞电3シリーズ」の中堅。前作よりもデイリートレーナー / アップテンポモデルとしての使用を見込んで耐久性を増した作り。アシックスのマジックスピード2、ナイキのズームフライシリーズのような位置づけ。ミッドソールの䨻はPEBAではなく、コストが安価でかつ反発性がPEBAよりも落ちる脂肪族TPU。よって、カーボンシューズであるが販売価格も比較的お手頃(799元 = 15,500円)。


飞电シリーズ③:3 ULTRA / Discovery / 龙雀(プロト)

新屋さんが加工・アレンジ

飞电3 ULTRA
ベルリンマラソンでLI-NING契約のTadu Abate選手がこの1足を着用し、中国ブランド初のWMM表彰台となる3位。その後、箱根駅伝予選会で日本薬科大のノア・キプリモ選手も着用。LI-NINGの绝影で使用されたJIANG(弜)テクノロジーを前足部に応用(前足部の空洞)。フォーム(超臨界ビーズ発砲PEBA)が柔らかいマラソンレーサー。ヒールストライカーは乗り難しい。


飞电Discovery
飞电2.0 ELITEの新色が発売された2021年5月のタイミングで発売。脂肪族TPUの䨻ミッドソールで、飞电2.0 ELITEやCHALLENGERに使用されたTPU+ニットのハイブリッドアッパーを採用。横、斜めのフレキシブルな動きに対応する250g(US9)程度の重量のデイリートレーナー。


飞电Discovery 䨻丝
飞电Discoveryの䨻丝(Boom Fiber)アップデート版。2022年の夏に飞电シリーズが䨻丝にアップデートされた時期に発売された。


龙雀(プロトタイプ)
フォアフット専用モデル。ミズノ以外にも中国ブランドのいくつかがこのようなフォアフットモデルのプレートシューズを開発している。2022年4月1日にLI-NINGの公式SNSでCG画像が発信されたが、実際にはジョークではなかった。プロトタイプなので未発売。


デイリートレーナー

LI-NINGはデイリートレーナーのコスパが高く、デザイン性も秀逸。

赤兎シリーズ:赤兔5 PRO / 赤兔6 PRO

赤兔5 PRO
英語で“ROUGE RABBIT V”。日本のアマゾンでも販売中(8,000円台)、中国では新品で約4,500円で買える。ミッドソールはLIGHT FOAM PLUS(EVA)+前足部に䨻(脂肪族TPU)。防水アッパーモデルが2022年に発売。不整地ラン、坂ダッシュ、雨の日ランでよく使う。


赤兔6 PRO
2022年12月発売の最新モデル。7,000円台で買えるシューズにしてはデザイン性が秀逸(だと思う)。前作よりも䨻(脂肪族TPU)の割合を増やすも、軽量性を向上させ加速しやすい。本質的にはレースモデルではないが、ジョグだけでなくスプリント、流し、坂ダッシュに最適。


超轻シリーズ: 超轻19 / 超轻20

超轻19
超轻は英語でSUPER LIGHTシリーズ。その名の通り軽量トレーナーであるが、こちらもデザイン性が秀逸。アウトソールのグリップが足りないので赤兔シリーズと比較してスプリントには物足りなく、耐久性も低いのでランニングで履き潰すよりかは、スニーカーとして履くのも良い。中足部に空洞を設けて軽量化を図っている。肌触りの良い2層の薄めのアッパー。ミッドソールは䨻(脂肪族TPU)。


超轻20
2022年12月発売の最新モデル。前作よりも安定性と耐久性を少し向上させたモデル。ミッドソールは䨻(脂肪族TPU)とヒールにLIGHT FOAM ULTRA (EVA)を追加。


越影シリーズ: 越影 / 越影2.0 PRO / 越影Element

越影
中国語読みでYueYing。中国で5,000円程度で買えるのでとにかく安い。厚みのあるアッパー、アウトソール、サポート性の高いヒール部分、ミッドソールは䨻(脂肪族TPU)。安価であるが、やや耐久性のあるデイリートレーナー / エントリーモデル。デザインも悪くない。


越影2.0 PRO
中国で6,000-7,000円台で買えるこちらも廉価版ながらも、補強部分の追加、デザイン性を向上。300g近いクッションモデルながら、日頃のジョギングからスニーカーとして履くのもOK。ミッドソールは䨻(脂肪族TPU)。


越影Element
ランニングシューズよりかはライフスタイル(スニーカー)寄りのさらに廉価版。

https://store.lining.com/goods/detail?spuId=5655427

その他、ハイクッションモデルの烈骏シリーズなど、LI-NINGはアシックスばりの勢いでクッションモデルやデイリートレーナーを展開している。


ライフスタイル / カジュアル

绝影シリーズ:绝影 / 绝影Essential

绝影
英語名はShadow / 中国語読みでJueYing。LI-NINGは2021年にJIANG(弜)テクノロジー(中足部の空洞)を初採用し、カーボンプレート入りのコンセプトモデルとして発売。CRCラインなどのライフスタイル系のスニーカーにも転用されている。販売価格2-3万円台。ミッドソールはフルレングスで䨻。


绝影Essential
ゴージャス感がある绝影とは違って、こちらはカジュアルな感じの廉価版。販売価格1万円台。舟形をイメージするロッカーの走行効率性の向上が特徴。ミッドソールは上層がLIGHT FOAM(EVA)で下層が䨻。


中国李宁CRCシリーズ 👟:绝影CRC / 游侠CRC

中国李宁はライフスタイル系のカジュアルブランドで、LI-NINGのブランド力を引き上げる要因の1つ。シューズよりもギアの展開が多く、ユニクロのようなもの。

绝影CRC
重量がガッシリとした绝影のスニーカー。


游侠CRC
ブルックスのオーロラをさらにスニーカー化させたようなスニーカー。


LI-NING 🇨🇳 × Soulland 🇩🇰:コラボスニーカーシリーズ

ソウルランド(Soulland)はSilas Adler が若干17歳で立ち上げたデンマーク発のスカンジナビアの職人技と現代技術の融合を起源とするコンテンポラリーメンズウェアブランド。LI-NINGとのコラボモデルが一部のファッションウォッチャーから話題に。

LI-NING公式ホームページより


LI-NING x Soulland 飞电3 ULTRA


LI-NING x Soulland Shadow(绝影)


WAY OF WADEシリーズ:バスケットボールシューズ🏀

冒頭に記載した通り、ウェイドシリーズのバッシュは人気が高く、定価以上でフリマサイトなどで売買されるケースも。以下がウェイドの公式HP。


Way of Wade X 「027」


Wade Shadow 3


WADEシリーズ以外のバッシュ
YuShuai XIV Boom Low


※このnoteは結果的にLI-NINGブランドの宣伝になることはあっても、宣伝することを意図していない(宣伝の依頼があって書いたものではない)ということを記しておきます。LI-NINGのランニングシューズの製品群を整理するために書きました。

飞电2.0 ELITE 䨻丝、飞电3 ULTRA、飞电3 ELITE、飞电3 CHALLENGERのレビューについては以下のnoteに記載しています。

2018年時点の中国ブランドのランニングシューズについての素晴らしいブログがったので参考にしてみてください。デイリートレーナーは元々、値段が安いこと、ここ数年で中国ブランドのランニングシューズの開発製造への投資が飛躍的に伸びていることがイメージできるかと思います。


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