大迫傑
大迫傑が東京五輪のマラソンを最後のレースに選んだ。彼のレースは現地でいくつも見てきたが、それらのレースについて振り返ってみたい。
大迫傑の走りを現地で観て良かった時
実は私は彼のトラックレースよりも彼のマラソンレースのほうが現地で多く観ている。つまり、トラックレースはほとんど現地で観ていない。
マラソンについては海外2戦(ボストン / シカゴ)※ホノルル除く
国内5戦(福岡国際 / 東京×2 / MGC / 東京五輪)の計7戦しているが、そのうちの5戦を現地で観ている。
彼のマラソンで印象的なのは、その戦績を見ればわかるが大崩れがなく安定しているのと、そのために最後の5kmで毎回とても苦しそうな表情で“絞り出している”のがよくわかること。
つまり、2019年の東京マラソンでの途中棄権を除いて諦めているようなレースはせず、マラソンをうまく最後までまとめる知能を持っていて、いかにもマラソン向きの選手だと感じたものだ。
そして、そのレーススタイルを初マラソンのボストン3位の頃からできていたのだ。
彼がそれまでの準備を入念にしてきた事はもちろん、レースプランを“冷静に”遂行 / 修正する能力に長けている事は観ていてよく分かったし、10000mでも日本選手権なんかは特にそういう走り方をしていた。
唯一、冷静さを欠いていたのはMGCだったが、それでも3位に入るのだから日本のマラソン選手の中では1つ力が抜けていた。それでも、勝負事はやってみるまでわからない。これだけ安定している選手でも冷静さを欠くことがある、それが勝負の駆け引きの面白いところでもある。
大迫傑の走りを現地で観たかった時
私が大迫傑のレースで最も現地観戦いておけばよかった、と後から後悔したのは2013年11月17日の日体大記録会の5000m。
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