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【イラのバター低温調理】しっとりジューシィに仕上がります!

吉池(東京の御徒町にある魚好きには広く知られたスーパー)に立ち寄ったところ、東京では珍しい魚「イラ」と遭遇しました。

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この魚体を見て「さばきたい!」と思うかどうかは、食の変態であるかどうかと同義であるように感じます。

僕は食の変態なので衝動買してしまいました。

魚をさばく難易度はまあまあ高めで、最も大変なのは、大きく硬質なウロコをとることでした。

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↑ウロコを取り終えると印象が変わって見えます。

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正面から見えるとド迫力です。

それはさておき、どうやったら美味しく出来るか考えたところ、やはり低温調理に落ち着きました。

ピチットシートで脱水した後に2日寝かせて刺し身で食べてみたところ、むっちりした身とほろっとした身が同居していたので、生よりも火入れしたものがベターだと感じました。

イラのタンパク質組成と適切な設定温度について

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イラのタンパク質組成については情報がありません(笑)

よって、過去の経験から推測して、53℃を選択しました。

根拠は自分で作ったマニュアルと、過去にスズキで行った調理です。

これらから、下記のように当たりをつけました。

イラは肉基質タンパク質が豊富=コラーゲンが豊富、そして、筋原線維タンパク質も多い(であろう)。

その上でスズキの時は設定温度がやや低かったので、上げてみたところ、バッチリでした。

ちなみに、イラの魚体はさばく前で1.2キロ、半身のサクは200グラムほどでした。


そして、もう一つ工夫した点は、調味液ではなく溶かしたバターで低温調理を行うところ。

これはアメリカの低温調理の大家・Thomas Kellerの名著、"Under Pressure: Cooking Sous Vide"において用いられている手法ですが、明らかに美味しくなるに決まっているのでずっとやってみたいと思っていた次第です。

結果的に、白身魚との相性はバッチリで、今後も試していきたい手法だと実感しました。

【イラのバター式低温調理】についての詳細

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【低温調理機の設定と使用する調味料】
設定温度:53℃
設定時間:15分
低温調理の調味料:ハーブソルト、黒胡椒、発酵バター

【調理の手順】
1. サクに塩を振って、冷蔵庫で20分ほど脱水
2. 塩気と水分を取り除いて、フレッシュマスターで包み、冷蔵庫で3日間熟成(寝かせ)
3. 魚にハーブソルトと黒胡椒を振り、発酵バターを溶かしておく
4. 3をパックに詰めて、低温調理開始
5. 低温調理後、皮目をバーナーで炙って完成!

【注記】
1.
※いつもどおり雑味と臭味の元を除去します
2. 3.
※フレッシュマスターと発酵バターについては文末に参考リンクを貼ります
5.
※これで味が断然変わります

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実食!【イラのバター式低温調理】

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カラフルな魚は見た目が美しくなりますね!

そして、前のスズキの教訓を無事に活かすことが出来、イメージ通りの食感になりました。

熱で旨味が向上しつつ、繊維質はしっとり、ホロリと低温調理ならではの食感です。

発酵バターの風味とコクが程よく浸透し、少し野趣のあるイラの個性が活かされています。

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炙ることで皮目の食感が変わり、バターも少し焦げるので、食欲をそそる味に変化します。

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断面はこの通りお刺身のようですが、中心部まで熱が入っているので、低温調理の威力を実感します。

他に幾つかの調理法で頂いてみましたが、個人的にベストの調理法は低温調理でした!


フレッシュマスターについては下記のリンクをご参照ください。

発酵バターは神津牧場のものが超オススメです。フランスの有名な高級発酵バター・ボルディエも取り寄せて比べてみましたが、個人的には神津牧場の勝ちでした。

低温調理に関心のある方は、【低温調理器についてのブログ記事】をご参照ください。

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