【weekly post】2022年8月ヘルスケア領域Pre-Seed~SeriesA資金調達inUS
順番前後しましたが8月分最後はヘルスケア領域になります。
ここまで建設不動産も教育も調達件数が低調な感じで来ておりましたが、ヘルスケアについては真逆で前月比でしっかりと増加し、今のところ下半期最高の件数となりなりました。
出資ているVCの顔ぶれも、著名なVCが多く、ざっとあげると
Ycom、Bessemer、Union Square、Founders Fundなどが並んでいました。
後ほど、平均調達額なども含めてみていければと思います。
さて、いよいよ今週末から10月ということで、今年も残すところ1四半期となりました。
Weekly Postとしては、ぐずぐずで始まった一年ですが、何とか残り1四半期も頑張って月4本ずつ出していきたいなと思っております。
10-12月をしっかり4本ずつでやっていけると、今年最後のこのnoteは#56になるはずです。
年末にこの数字を下回っていないようにやっていきたいなと思います。
来月の予定も出しておきます!
10月3日:US建設不動産
10月11日:US教育
10月17日:USヘルスケア
10月24日:EU建設不動産
また、ひとまず変えることだけ決めてまだどう変えるか全く考えれていないですが、本編の内容についても、「サマリー」「個別紹介」「編集後記」という流れにしてますが、もう少し使われ方をイメージしながら改良していけたらなと思っております。(流れごと買えるのがよいか、中身だけ変えるのがよいかも含め考え中)
ほんとに関係ない私事ですが、このnote転居前最後のnoteでして、次回は新居から書いている予定です。
多分転勤族ではない、この年にしては引っ越し多いほうなのでは十思ってまして、大学入学以降からのカウントで次で4軒目になります。(実家除く)
何回やってもやっぱり少しワクワクするものです。
という余談はさておきそろそろ本編にはいろうとおもいます。
8月のサマリー
■対象企業
対象領域:ヘルスケア領域
企業ステージ:シリーズA
ファイナンス時期:2022年8月1日~8月31日まで
7月が今年に入ってぶっちぎりで少ない調達件数だったんですが、8月は回復して、今のところ下半期最高となる24社の調達になりました。
冒頭でも少し触れた通りで、weeklyで取り上げている別領域は引き続き低調な調達件数だったんですが、ヘルスケアも同じというわけではなく、しっかりと数字を戻してきております。
ヘルスケア領域は、SeriesAのみ取り上げてるんですが、単一ステージにしても、建設不動産や教育の数倍調達件数があるってのはすごいですね。
領域分布ですが、今月は偏りなく満遍なく出てきているなぁという感じですね。
珍しいところでいうと予後管理の領域での調達企業が出てきていることですかね。あまりコンスタントに出てきてるイメージはありません。
ここまでだと、正直ヘルスケアは好調だったんだなという印象を持つかと思うのですが少し気になるのは、平均調達金額です。
上半期の平均調達金額が、$17.4M、7月が$15.2Mと来てまして、今月は$13.7Mでした。
件数自体は戻ってきているものの、平均調達金額が減少傾向というのはやや気になるところなんじゃないかと思います。
それでは、今月はこの中から3社をご紹介いたします。
①【Abirdge】医療機関向け会話要約AI
設立:2018年
今回調達金額:$12.5M
調達総額:$22.5M
リード投資家:Wittington Ventures
サービス内容等:
医療機関で行われる対面、オンライン、チャット上での会話すべてに対応した、AIベースの医療特化型会話要約サービスです。
臨床ノートやケアプランなどでの利用を想定しており、要約するだけでなく電子カルテとの統合などにも対応しています。
この手のサービスは、確か上場企業でも出ているはずで、Abirdgeの強みとしては、「対面だけではない会話に対応できること」「診療科を問わないこと」などが挙げられています。
ちなみに、リードではありませんが、今回のラウンドには、Bessemer Venture Partners、Union Square Venturesも参加しています。
②【Flossy】歯科保険未加入者向け低額診療サービス
設立:2020年
今回調達金額:$14.7M
調達総額:$17.8M
リード投資家:TTV Capital
サービス内容等:
保険未加入者をコアターゲットとした歯科への送客サービスになります。
ただの送客というわけではなく、歯科医院の中でも上位の歯科医院を評価してリスティングしているため高品質な医院のみの紹介であることを売りの1つにしています。
また最大の売りは、通常料金より最大50%も安くなる料金です。
仕組みについて詳しく書かれているわけではなかったのですが、(あったとしたらみつけられませんでした..)メディアをいくつか見てみると、歯科医院のネットワークと直接取引を行うことで安さを実現しているようでした。(きっと構造的に間にいくつか挟まってるのが普通なんでしょうね。)
③【olio】急性期患者向け統合型予後管理
設立:2017年
今回調達金額:$13M
調達総額:$15.5M
リード投資家:Fulcrum Equity Partners
サービス内容等:
急性期患者のその後のケアにフォーカスしたサービスになります。
そもそも急性期とは?というところからなんですが、
ということで、この他に回復期や慢性期、終末期と呼ばれるフェーズがあります。
今回このサービスがターゲットとしているのは、急性期の後なので、「急性期~回復期」ということになるかと思います。
アメリカにおいては、急性期後の患者さんのケアという点で見ると1医療提供者に対して4-5人程度の患者さんを見ているようで、それもコミュニケーションツールが分散したり、他のケアワーカーの方との情報共有をしなければならなかったり、ということで管理が煩雑になり、再入院を防ぐことができなかったりといった弊害が出てきているようです。
このサービスでは、急性期後の患者の状況管理ができるダッシュボードを提供しており、各ケアワーカーから上がってくる患者の状況も常に更新される状態になります。
これを見ながら医師は状況を把握しケアプランの見直しなどを行ったりすることができます。
結果的に36%程度再入院を減少させることができるとしています。
編集後記
さて、今回は、3社を取り上げました。
保険制度の違いなんかもあって、毎月ファイナンスをしている企業の中では、あまり参考にしずらいような企業もあったりします。
今月ご紹介した中でいうと2つ目のFlossyはその最たる例かもしれません。
それでも、取り上げたのは、(そこまで調べが回っておらず大変恐縮なのですが、)構造的な課題に対してアプローチしているっぽかったからです。
興味を持ったのは、価格を最大50%も抑えることができるというところで、そんなことが何故この会社にできるのかというところからでした。
すると、あまり詳しくは書かれていませんでしたが、直接医院と取引することで、初期費用など含め価格を抑えているとのことでした。
つまり、通常、保険未加入者が歯科医院にかかろうとすると、おそらく何かを通して、その先でも間に何人か挟まることでコストがかかっているのかな?と推察され、(または、各歯科医院がマーケティングコストをめっちゃかけてるとか)その構造的な課題を解決しようってのは面白いなぁと思いましたし、「構造的な課題の解決」という考え方は、ほかの領域でも参考にできるよなと思ったところでした。
個人的に最も興味を持ったのは3つ目のolioです。
気になって日本語でもPost-Acute Careというのを調べてみたのですが、日本でも課題感に関するサイトやジャーナルの投稿を見つけることができて、課題が一定顕在化していることが見て取れました。
また、高齢化が進む中で、より、急性期疾患に対して対処するだけでなく、その後のケアにいかにつなげていくかが重要になるといったものも見かけ、課題も大きく追い風になるトレンドが存在しているチャンスのある領域なのかもしれないなぁと思いました。(もう少し深堀していきたいですし、もし詳しい方いらっしゃれば、ぜひ教えてください。)
今回はこれにて以上になります。
ここまで読んでくださりありがとうございました!
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それではまた来週!
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