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【weekly post】2022年11月建設・不動産領域Pre-Seed~SeriesA資金調達in米国

遂に12月に入りました。
今年も残すところ今週含めあと4週になりました。

きっとすでに皆さん忘年会の予定やらなにやらでいろいろと予定が埋まってきてるんじゃないでしょうか?

ありがたいことに徐々に僕も予定が埋まってまいりまして、年末感あるなぁと思っております。

年末年始どうしようかなとずっと考えていたんですが、それも決まり、久々に家ではないところで年越しを迎えることにしました。その話はまたいつかのweeklyの余談部分か別のnoteでご紹介しようと思います。

年末年始どこかに行くといっても、これはいつものことで、観光に行くとか遊びに行くという感じでは全くなく、だいたい、景色のよさげなホテルを取って、バルコニーでひたすら本を読むか散歩に行くくらいなもんで今回もさんざん積読にしてきた本がたまりにたまりまくっているので、スーツケースに大量に詰め込んで本を読みまくる年末年始にしたいなと思ってます。
(2019-2020年、まだコロナでこんなことになると思っていなかったころ、南アフリカに2度ほど行ってるんですが、その時もペンギンを見に行った以外は、散歩するか本読むか食事に行くかくらいの過ごし方をしてました(笑)何も決めずに出かけてその時の気分で過ごすってのがお決まりで国内であろうが海外であろうがだいたいこんな感じです)

というわけで、年明けすぐも自宅ではない場所にいるのと、せっかくなので本をたくさん読みたい(と言いつつ、何もしてない可能性があるんだが)と思っているので、1月は縮小版のほぼ隔週weeklyにしようかと思っております。
イメージ的にはこんな更新頻度を計画してますので、12月のスケジュールと合わせて共有させていただきます。

12月5日:建設不動産@US
12月12日:教育@US
12月19日:ヘルスケア@US
12月26日:建設不動産@EU
1月3日:休み
1月9日:休み
1月16日:12月建設不動産@US
1月23日:12月教育@US
1月30日:12月ヘルスケア@US

「おい、1回休み減らせば、建設不動産のEUまで書けるじゃねぇか!」って声が聞こえそうですが、特に反論はございません。結構ぎりぎりまで宿泊先におりますので、まぁ休みにしときたいよなという甘えです。許して下さい。頑張れたら書きます。

というわけで、本編に入っていきましょう!

11月のサマリー

■対象企業
所在地:アメリカ
対象領域:建設・不動産領域
企業ステージ:PreSeed~SeriesA
ファイナンス時期:2022年11月1日~11月30日まで

ここ最近数が少なくなってるという話しかなかった気がしてるんですが久々に件数がぐっと伸びて、上半期最高にはまだ届きませんが、下半期最多タイまで回復してまいりました。

先に調達金額から見ていくと件数は増えていきながらも目立った調達額の減少は見られずといった感じで、SeriesAの平均調達額も減ってはいますが、ほぼ例月並み水準といった感じで悪くなっているという感じではありません。

ステージ別の分布を見てみると、圧倒的にSeriesAという感じで、あまり見かけない分布になっています。

今月何より特徴があるのはこのグラフかなと思います。
ここ最近は景気の影響を受けにくいであろう管理メンテナンスの領域が多かった気がするのですが、今月はソフトウェア系が非常に多くなっていて、少し前までの傾向に戻ったようなグラフになっています。

今後も引き続き以前のようなグラフになるのか、また管理メンテ系が増えるのか気になるところです。

それでは今月は3社ご紹介しようと思います。

①【Atmos】オンラインで設計から建築依頼まで行うカスタムハウス

設立:2018年
今回調達金額:$12.5M
調達総額:$18.7M
リード投資家:Khosla Ventures
サービス内容等:
サービス内容の説明に入る前に投資家の顔ぶれの話で恐縮なのですが、Khosla Venturesのほかにも、Y Combinatorや建設特化VCのJLL Sparkなどが入っていて、投資家が非常に豪華です。しかもKhoslaとJLL Sparkは1つ前のラウンドから入っていて今回追加投資ということになります。

サービスの話ですが、結構面白いのでぜひサイトに行ってみてほしいのですが予算や家にあってほしい設備のこだわりなどを入力していくと土地の検索、設計、建築の依頼までを行ってくれるサービスです。
サービスの立ち位置としては、あくまでもPM的なポジションで各工程で必要なスペシャリスト(デザイナーや建築事業者、建材サプライヤーなどなど)はまた別にいるのですが、あくまでもお客さんが連絡を取らないといけないのはAtmosだけというような形になっています。
また、Atmosに依頼することで、建築プロセス管理のダッシュボードが提供され、建築前にバーチャルで完成イメージの確認ができ、建築中も週1のペースで現場確認ができるようになっています。

Atmosの儲けとしては建築費用総額の5%で設定されているようです。

②【runwise】ワイヤレスセンサー等による空調の自動制御

設立:2010年
今回調達金額:$19M
調達総額:$29.4M
リード投資家:Fifth Wall
サービス内容等:
独自のワイヤレスセンサーとソフトウェアによる暖房の自動制御と二酸化炭素排出量削減を行う企業です。

ターゲットとしてはおそらく老朽化した建物を狙っており、その中に組み込まれている旧来の制御インフラを住宅、商用、工業用どんな建物にでも対応可能なかつ1日で設置できるセンサーに組み替えることで、コストと二酸化炭素排出を削減していきます。

初期投資の改修は平均して9ヶ月程度で取れておりCO2排出は平均20%程度削減できているようで、すでに400のクライアント、4,000の物件に導入されています。

今回のファイナンスでも不動産オーナーがいくつか投資家として入っています。

③【Tour24】仲介会社不要のデジタル内見ガイド

設立:2020年
今回調達金額:$5.5M
調達総額:$17.6M
リード投資家:29th Street Ventures
サービス内容等:
通常内見に行こうとすると必ず仲介会社の人がついてきて物件の説明をしてくれると思うのですが、このサービスはその仲介の人がついてこなくても、借りようとしている人が1人で内見できるようにするシステムを提供しています。

提供されている機能としては、物件のスマートロック、物件の共用部などに関する説明ページ、専有部に関する説明や間取り図などが提供されていて、今まで仲介会社の人がやっていたことがスマホですべて完結するような形になっています。

また利用方法もかなり簡単で、セルフィーとIDカードによる本人確認とクレジットカードの登録だけで利用することができます。(内見でお金が取られることはないらしい)

仲介会社からすると、勝手に内見に行ってくれるので、セールスの手が空いていなかったり定休日でも対応可能なところがメリットになっているようです。

編集後記

さて今回も3社ご紹介しました。
どこか興味のあるところは見つけられたでしょうか?

個人的には①③は結構ドンピシャで興味があって、②に関してはターゲットが面白いなと思ってみておりました。

先に②から行くと、興味を持ったのは老朽化物件に目を付けているところです。
日本の場合だと築年数が下がれば下がるだけ家賃も落ちていくという構造になっているので、基本的に築古≒建て替えみたいな話になりがちで特に住宅や商用の建物だとそこまで築古のものって残りにくいのかなと思うのですが、海外の場合だとあまり値段が下がらなかったり、むしろ上がっていくものさえあると聞くので、その中でとはいえしっかり老朽化していく設備の部分だけ、今の時代に合わせてやれるってのは結構面白い着眼点なのかなと思いました。

さすがに無理な気がするんですけど、たぶん空調なんかもノンインバータ時代のものだったりして電気代がめっちゃ高かったりとか、その時代だったからこそ許されたけど今それは厳しい(環境面だけでなく、そもそも性能面でも)というものがおそらく暖房以外にも残されてるんじゃないかと思っていて、隠れてて気づきにくいけど、グローバルで見ると結構大きなマーケットだったりするんじゃないかと思わされました。

残りの①と③については先に③から。

これはめっちゃ端的にさっさと日本に来てほしいというだけです(笑)
つい最近まで引っ越しのために内見に飛び回っていた身としては、内見のための日程調整のめんどくささ、いちいちセールスがその後来るウザさに悩まされていたのは事実で、Tour24のようなサービスさえ来てくれれば、セールスのウザさはきっとなくならないでしょうけど、日程調整のめんどくささってのは完全に消えるんだろうと思いますし、もし機能拡充をしてくれて、このサービスの中で物件探しまでできるような感じになれば問い合わせる手間さえなくなってくれるので最高だなと思いました。

最後に①についてはVCの豪華さみたいなのも目を引いたんですが、複数のプレイヤーが絡んでめんどくさいだろうからまとめて一手に引き受けますよっていうのは、もしかすると海外だからこそのモデルなのかなぁとも思いつつ、そこのポジション取ることで将来的にできる範囲がすごく広がっていきそうで面白いなぁと思いました。

ちょっと不勉強すぎて、もしかすると間違ってるかもしれないのですが、日本の場合って確かにオンラインで済ませるってところはまだまだないのかもしれないんですが、ある程度下請け構造が存在をしていて、フロントになるハウスメーカーさんとコミュニケーションを取っていれば、ほとんど家ができていく感じなのかなと思うのですが、海外の場合多重下請けの日本に対してフラットだといわれたりすることがあって、家を建てようとすると日本以上に話さないといけない人が多いような構造になってるのかなと思います。

このサービスはいい意味でこの構造を少しだけ階層化することで、手間を丸っと引き受けようということなのかなと思います。
一方で初期だけを見てみると、簡単さの向上と技術を提供してくれる建築業者さんや設計士さん、デザイナーさんなど、どれだけ質の高い人たちを囲えているかしか提供価値がない状態だと思います。

今後、サービスが多く提供されていく中でどんな価値を強めることができるかってのが勝負かなと思うのですが、お客さんと直につながっていることで、ニーズが拾いやすい状態でしょうし、ターゲット的にも一定予算制約があるターゲットのように見えたので、当然ボリュームディスカウントもあるでしょうけど、もしかすると人気の設備などをモジュール化してPBとして提供したりすることでコスト削減を図ったり、すでに始まっているっぽいですがデザインテンプレのようなものを作ってコストを下げる(場合によってはローコストブランドをぶら下げる)ってのもできたりするのかなと思い将来的には垂直統合するような感じなのかなとか考えれて面白いなと思いました。

久々に少し長文になってしまいましたが、今回はこれにて以上になります。
いつも長文読んでいただきありがとうございます!
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それではまた次回!

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