【weekly post】2022年12月ヘルスケア領域SeriesA資金調達in米国
いよいよ2022年分最後のWeekly noteとなりました。
昨年は、年始のスタートダッシュに失敗し、かなりグダグダなスタートになってしまっていたので、今年はちゃんとスタートが切れてよかったと少しほっとしております(笑)
次回から、新フォーマットに変更になりますので、最後に主な変更点などもお知らせできればと思ってます。
ので、前段の話はこの辺にして早速本編に入ります。
12月のサマリー
■対象企業
所在地:アメリカ
対象領域:ヘルスケア領域
企業ステージ:SeriesA
ファイナンス時期:2022年12月1日~12月31日まで
まず、調達件数から見ていきます。
サムネでも書いた通りで、22年最終月で単月調達数の最低を更新する形になりました。
先月は創薬が多くて的な話を書いたような気もするのですが、今月は目創薬がかなり多かったかというとそんなこともなくといった感じでしたので、シンプルに全体的に数が減ったという印象でした。
数があまり多くなかったこともあり、領域分布もどこか偏りがあるかというとそんなことはなく、まばらにといった感じでした。
デジタル治療薬領域が出てきているのが久々という感じかなと思います。
一方で、個人的に「そのサービス日本でもやってくれ!」と思うものがあったりと個別には少し面白いものがあったので、今回は3社取り上げます。
①【Nectar】在宅完結のアレルギー免疫治療
設立:2021年
今回調達金額:$16.5M
調達総額:$24.5M
リード投資家:Harmony Partners
サービス内容等:
個人的に一番欲しいサービスです(笑)
アレルギーの免疫療法を自宅で行えるサービスになります。
免疫療法とは
上記のような感じでして、実は僕も学生のころやっていたことがあります。
このサービスでは自宅にアレルギー検査用の血液検査キットが届き、まずはそのキットで、40項目の屋内外アレルゲンテストを行います。
そのうえで、オンラインで医師から検査結果と治療オプションの共有などを受けます。
すると、舌下療法(舌の下にアレルゲンを落としてやるタイプ)に使う液体が届き、3ヶ月ごとに新しいものが送られてくるといった形になります。(使っていくうちにアレルギー反応が出てこなくなるので、そのうちアレルギー反応を抑える薬などを使わなくてよくなるという流れ)
②【arketa】フィットネスサービスのオンライン販売プラットフォーム
設立:2020年
今回調達金額:$7.6M
調達総額:$7.7M
投資家:Y Combinator、First Round Capital、個人投資家複数
サービス内容等:
正直ヘルスケア領域に入れるべきかやや悩んだんですが、扱っているコンテンツがヘルスケアということで取り上げました。
サービスとしてはオフラインで提供されていたフィットネストレーナーさん等がオンライン・オフラインどちらのサービスでもオンラインでコースを販売できるプラットフォームになります。(フィットネス特化のShopifyって言ったら雑だけどイメージ的には間違ってないと思います。)
フィットネスに特化したサービスになっているので
・オンラインライブ型のクラス
・1on1のプライベートクラス
・フィットネス動画クラス
などなど様々な形式に対応していて、例えばオンライン型のクラスにデジタルコンテンツもセットで提供するようなこともできたりします。
もちろん、販売の部分だけでなく、顧客管理、グローバルに対応可能な決済手段の提供も行っています。
③【Ciba Health】糖尿病、消化器疾患、メンタルケア向け治療アプリ
設立:2019年
今回調達金額:不明
調達総額:$2M
リード投資家:Plug and Play
サービス内容等:
対象としている疾患は割と幅広なのですが、消化器疾患、睡眠障害、メンタル関連、糖尿病、自己免疫疾患、肥満などなど慢性疾患を中心に投薬量を減らしたり、症状を改善させることを目指しているサービスになります。
疾患により内容が異なるのですが基本的には、患者の情報をもとにしたパーソナルケアの提供とリモートでの患者のモニタリング(データ連携する)、データに基づく予測分析等で構成されていて、検査やバイタルデータを用いてデータ分析をかけることで、できる限り安価に提供するというところは一つのミソになっているようです
主の提供先としては個人向けを想定しているようですが、法人向けや健康保険向けにもサービス提供を行っているようでした。
編集後記
いかがでしたでしょうか?
もう、個人的には①のサービスを日本でやって欲しくてたまらないという感じです。
僕が学生時代にやっていたのは免疫療法でも注射をするタイプで、注射なのでもちろん痛いというのもありますし、何よりいちいち病院に通って、注射を打ってもらう数十秒のためにかなり待たされるというのが大きなハードルになってました。
結局、僕の場合は、注射後のかゆみがしんどかったのと待たされる、通わないといけないめんどくささが勝ってしまい通わなくなりました。(結果的にいまだにアレルギー症状はあるし、点鼻薬とお友達)
家で、しかも舌下でやれるならかなり楽になるので、ぜひ試したいなと思います。一方で、VC的な視点で見ると、これって、何が競合優位性になるんだろうか、認知取りきって逃げ切るしか策はないんだろうか?とちょっと思ってしまうところもありました。
また、免疫療法の場合、認識が間違っていなければ耐性ができると治療そのものは終わるので、LTVを高めるためには、何か別のサービスを持っておく必要があるなぁと思ったりして、今後どう展開していくのかいろんな意味で興味があるサービスでした。(アレルギーはマーケットがかなり大きいはずなので、そこまで考えなくても一定のところまでは伸びていくような気もする)
もう1つ気になったのは②arketaで近しいサービスは日本にもあるような気はしましたが、「○○特化」にすることで、ホリゾンタルなものには出せない強みが出るところはやはり良いなぁと思いました。
「○○特化」にしても対象が一定大きく、ホリゾンタルなものと比較してスイッチしたくなるほど大きなインパクトが作れそうなところとしてどんなターゲットがありそうなのかは、いろんなケースを勉強してみたいところですね。
最後にちょろっと、来月からの新フォーマットについて主な変更点をご紹介させていただければと思います。
新フォーマットの主な変更点について
次回からいよいよ新フォーマットに変更してお届けします。
主な変更点は以下の3つです。
■主な変更点
①PreSeed~PreIPOまで全ステージをカバー
これまでSeriesAまでを取り上げて来ましたが、新フォーマットからは、IPOするまでの全ラウンドに対象を広げてご紹介します。
調べる量はおのずと急増するのですが、その分面白い事業に当たりやすいのではないかと思ってますし、事業としても数字が出ているステージをカバーすることでより施策や事業面で参考にしやすいものが出てくるのではないかと思っています。
②その月のファイナンスにおける著名VC投資先を一覧でご紹介
著名VCからのファイナンスがあっても事業そのものをご紹介することはあまり多くなかったので、新フォーマットからは、著名VC投資先に関してはすべて一覧で示してご興味ある事業があれば検索していただきやすいようにしようと思います。
③ピックアップ企業から1社を深堀してご紹介
引き続き、3社程度ピックアップして事業などをご紹介するコーナーはやっていくのですが、その中から1社さらに深堀して市場環境や日本での類似課題の探索、日本での可能性などなど調べてコーナーとしてやるか編集後記でまとめるかしたいと思っております。
今までは、編集後記の中で、「○○について深堀してみるのも面白そうですね」的な触れ方で終わっていたものがちょくちょくあったので、もう少しそのあたりも取り扱っていきたいなと思っております。(なにより、僕が書くだけ書いて調べてないっていうすごいもったいないことをしていたので、せっかくならやってしまおうと…)
といった感じでして、結構盛沢山になってしまいそうな気がしておりますが2月から試運転的にやっていきますので引き続きよろしくお願いします!
今回は以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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それではまた次回!
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