【weekly post】2021年9月教育領域Pre-Seed~SeriesA資金調達inUS
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【weekly post】2021年9月教育領域Pre-Seed~SeriesA資金調達inUS

今週教育業界にとっては大きなニュースがあったということでタイミングめちゃくちゃいいなと思いながら書き出しております。

これまでweeklyでは建設・不動産領域を中心に時々ヘルスケアといった感じでnoteを書いておりました。が、今回は初めて教育の領域に触れていこうと思います。

一応今月のweeklyの予定を再掲します。

3日週:建設・不動産領域9月の調達@ 米国
10日週:建設・不動産領域9月の調達@ 欧州
17日週:<New>教育領域@米国(←今回)
24日週:Brick&Mortal Ventures,Building Ventures投資実行案件チェック

教育は、実は弊社に入社をした際に社内向けのプレゼンで掲げていた、取り組んでいきたい領域の1つでして、何回か前のnoteにも書いた気がするのですがこれまでに、オンライン家庭教師サービス「マナリンク」(受験系)を運営する株式会社NoSchoolと大人向けオンラインカルチャースクール「Classmate」(教養系)を運営する株式会社SPICYに投資をさせていただいてます。

余談ですが、両者とも正社員やインターンなどの採用やってますので、教育領域興味あるぞという方はぜひご覧ください

■NoSchool採用情報

■SPICY採用情報

ということで、今回はアメリカの教育領域で9月に資金調達を行なって企業について書いていきたいと思います。

初回なのでカテゴリーわけなどまだしっくり来ていないところもあるので、次回はまた少しアップデートされてるかもしれませんがご覧いただければと思います。

また、編集後記で家庭教師のトライ買収についても少し今わかっている範囲で触れられればと思っています。

それでは、流れは建設不動産の時と同じような感じにしますので、ご興味のあるところに飛んでいただければと思います。

9月のサマリー

■対象企業

今回の対象企業は19者になります。

所在地:アメリカ

対象領域:教育

企業ステージ:プレシード~シリーズA

ファイナンス時期:2021年9月1日~9月30日まで

資金調達まとめトップ画

やはり建設・不動産領域と異なり、ソフトウェア完結になるサービスが多いせいか、ステージごとの調達金額は少なめでした。

参考までに各ステージの平均調達金額を建設不動産領域と比較してみました

■Pre Seed
教育系平均:$62k
建設不動産系平均:$514k
■Seed
教育系平均:$1.36M
建設不動産系平均:$6.24M
■SeriesA
教育系平均:$10.7M
建設不動産系平均:$20.0M

SeriesAくらいになると2倍近くまで調達金額の乖離が狭まってくるのですがPre-seedは教育の方のデータが少なすぎたので、あまり参考にならないとしても、Seedで4.6倍ほど差があります。

そもそもソフト完結かそうでないものがそれなりにある産業かで確かに差ができるのは一定理解できるんですが、それにしても、建設不動産だってソフトウェア完結のものも多いのにということで、すごく雑なんですが、2021年1月1日から9月30日までの両領域のM&Aにおける買収価格の平均を取ってみました。

そもそも買収価格が公開されていないものがすごく多いので、それだけで結論づけるのは雑だと思うので、あくまでも参考に(多分もっと細かく見たほうがいい...)

■買収平均価格(2021/01/01~2021/09/30 in US)
教育系平均:$0.29B
建設不動産系平均:$1.23B

MAだけがVCから見たときの出口ではないですが、MAだけ切り取ってみても4.2倍の価格差があることを考えると、もちろん取得比率など見ないとわからないところは多分にあるのですが、まぁVC調達時のバリュエーションに差ができているのはある程度イメージできますし、それによって資本政策的に教育系は大きな金額を調達しにくいというのもあるんだろうなと思っています。

ちなみに上記の計算対象期間中の買収件数と買収価格開示企業数も念の為置いておきます。

■買収平均価格(2021/01/01~2021/09/30 in US)
教育系MA件数:373件(うち、価格開示企業:54件:14.5%)
建設不動産系MA件数:664件(うち、価格開示企業:84件:12.7%)

調達企業のカテゴリー分布は下記のような感じです

資金調達まとめトップ画

全体的に見ると学生関連のサービスは少なくて、社会人や学校の先生向けのサービスが多いです。特に今月はビジネススキル拡張系のサービスが多く、内容としては、比較的汎用的なスキルからデータサイエンティスト育成のためのサービスや視覚障害のある方向けのビジネススキル習得にフォーカスしたサービスなどかなり幅広だった印象でした。

学校教育補助系も調達件数が多いですが、これは、アメリカっぽいというか日本にはまだ少ない特徴的なものだったのかなと思っていて、学校教育補助と聞くとどちらかと言えば、学校の勉強についていけない子向けの補習みたいなイメージだと思うんですが4社中2社がキャリア教育と言った感じで、キャリアを決めるために必要な情報を提供するようなサービスなどがありました。

それでは今回は、19社の中から3社をご紹介します。

①【プログラム提供や管理を一括で行うL&Dプラットフォーム】GrowthSpace(SeriesA)

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設立:2019年

今回調達金額:$15M

調達総額:$19M

リード投資家:Vertex Ventures、M12(マイクロソフトのベンチャーファンド)

サービス内容等

L&Dという言葉を恥ずかしながら初めて知ったのですが、「Learning & Development」の略のようで人材開発のことになります。

人材開発とは教育や訓練によって、従業員の知識(knowledge)、スキル(skill)、態度(attitude)を高め、パフォーマンスを向上させること。
一般的には、知識を付与するものを「教育」
技術などのスキルを伝承するものは「訓練」
と捉えられており、知識とスキルが一体化することで効果を発揮するとされています。

(引用元:カオナビ 人事用語集)

カオナビさんのサイトから引用したのですが、人材開発とは上記のようなことを指すそうです。

通常人材開発を行う場合は、経営計画や経営戦略などから求められる人材像などを整理し、その上でどのような研修プログラムなどを行うかを決定し実行していくようなのですが、

このサービスでは成長させていメンバーやどのように成長させたいか、ビジネス上の課題が何なのかなどを入れてやると対象になる従業員に対して専門家が割り当てられグループや1on1でのラーニングなどが始まっていきます。

提供される内容としては、講義だけでなく、カウンセリング、メンタリングやワークショップなどが提供されます。

また評価、それらによる変化の評価もサービス側で行ない、従業員1人1人の状況はダッシュボードで管理できるようになっています。

ちなみに、専門家やトレーナーは、自社で育成しているというよりかは社外から公募しているようで、サービス上で専門家などの募集も行われていました。

②【システム連携による学生情報一括管理】Innovare(seed)

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設立:2017年

今回調達金額:$3M

調達総額:$3M

リード投資家:Vamos Ventures

サービス内容等

幼稚園から高校までの学校の先生や管理者向けのサービスで、学生情報や出欠席状況、試験結果などこれまでスプレッドシートやサービス提供機関のサイト等に情報が分散していたものをデータ連携し、サービス上で全て管理できるようにします。

また、データの一括管理をベースに目標との乖離や進捗状況を確認できるようにし、チームメンバー(先生たち)を共有をすることで学生や学年の目標達成に向けた適時サポートや施策修正ができるようになります。

③【中高生向けキャリア支援】Shamrck(Pre seed)

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設立:2020年

今回調達金額:非開示(おそらく10万ドル)

調達総額:非開示

主要投資家:Google for Startups

サービス内容等

中高生向けのキャリア教育支援を行うサービスで主に学校に導入されることが想定されていると思います。

「熟練労働者」「軍・国防」「大学進学」「起業家精神」と言った観点からキャリアに関する情報が提供されます。例えば熟練労働者の観点からは、大学に進学せず高校生で可能性のある分野の仕事を紹介したり、起業家精神では学生がビジネスを始めるのに役に立つ学習が提供されるようです。

また、例えば大学進学をしたものの、お金がなく、稼ぐために軍に入隊する必要があると言った場合のには、入隊しながら大学に行くための方法や退役後のキャリアパスなどを提示してくれるそうで、どこまで網羅性があるのかはわからないのですが(登録しようとしたら、学校などの情報を入れる必要があり登録できず...)少なくとも「キャリア教育≒先生の知ってる範囲」にならないで済むのはすごくいいなと思います。

編集後記

さて今回は初めて、教育の領域を見ていきました

ビジネススキル拡張の領域は今後国内でもリモートによる学ぶ機会の減少などを受けて増加するんじゃないかとなんとなく思ってます。(かくいう僕も、大学院にいくことを考えている人のうちの1人だったりします。)

コロナ以前は、教育領域への風当たりは比較的強かったんじゃないかと思っていますが、コロナで社会的な変化が多数起きてきたということで、ここ最近少しづつ教育系のサービスにも目が向き始めてるんじゃないかと思っています。

ただ、学生向け教育の領域はコロナがあろうがなかろうがお金の払い手と受益者(という言い方が正しいか微妙ですが)が分かれており、その領域ならではの難しさがあることは変わらないので、どちらかと言えば社会人向け(大学生くらいからのイメージ)の教育領域が増えてきそうだなと思っています。

ここで少し風向きが変わっているという意味で冒頭でも少し触れた家庭教師のトライ(株式会社トライグループ)の買収について触れてみようと思います。

大前提まだ契約が終わったわけではなさそうなので、メディア情報などからという形になりますが...

トライグループは「家庭教師のトライ」を筆頭に通信制高校やスポーツ教育、プログラミング教育など「教育×〇〇」の領域で複数事業を展開する企業で1990年に平田修氏(現会長)によって設立された会社です。

家庭教師のトライ
個別教室のトライ
トライ式高等学院
My Gym
大人の家庭教師
プロスポーツ家庭教師のトライ
Try IT
トライ式医学部合格
医学部予備校インテグラ
トライ式合宿
トライ式プログラミング教室
自治体・行政機関との連携事業(全国200以上の自治体・行政機関・学校等への学習支援)

日経新聞によると売上高は500億円ほどで、21年4月28日の官報では最終利益3.6億円ほどを計上しています。

いくつか有名どころをピックアップして比較するとこんな感じです

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トライグループについては、売上と評価額については日経新聞の報道の通りに入れていて、最終利益のみ決算公告の情報を入れています。金額系の単位は全て億円になります。(教育事業以外を営んでいる場合は売上利益にその数値も含めています)

こう比較してみると、買収価格はほんとに1,100億円なんだろうか?と思ってしまいます。今後事業改善を行なっていくことで、利益率が改善していくということなのか、そもそも売上高の報道か時価総額の報道がズレているのか...(わからんので一旦置いておくとして)

日経の報道でも出ていましたが、塾産業は倒産が増えているという話は事実で、2019年に帝国データバンクが出した数字でも2018年はリーマンショックに次ぐ倒産件数で、2014年から毎年増えてきています。

(帝国データバンク「特別企画:教育関連事業者の倒産動向調査(2018年)」)

一方負債額は過去10年で最小となっているようで、中小規模の事業者の経営が悪化していると指摘されています。もちろん少子化により対象人口が減少しているのも背景にあるのですが、それだけでなく同業との競争激化や指導方式など求められるニーズ変化が見られ、受け皿が変化していることも指摘されていました。

今回トライグループの買収を行うとされているのはCVCキャピタルパートナーズでイギリスの投資ファンドになります。日本国内の投資先としては、資生堂系日用品事業を行う「ファイントゥデイ資生堂」リラクゼーションスペースりらくるを運営する「りらく」などがあり、過去に遡るとすかいらーくなんかもあり、直近は買収はしませんでしたが、東芝の買収でも名前が出ていました。業界的には小売や製造系への投資が多いとされているので、今回のトライグループ買収は少し意外なところなのかもしれません。(ただ、〇〇業界×Techという意味では小売や製造は割とそう言った取り組みも多いような気がしており、×Techという意味合いでは延長線上なのかもしれません)

今回、トライグループを買収した上でデジタル投資を加速させるような記事が出ていましたが、今後中小の塾等が減少していく中でその受け皿になるのが大手となった時に、少子化が進む中でも単価が上がり市場が9,500億円前後を維持している学習塾・予備校市場で比較サイトなどを参考に計算してみるとおそらく生徒数(単年)は5-7位ほどに入っているのではないかと思われ、先ほどのエクセルの中でいうと、早稲アカよりかは上ということになりそうなので、どちらかというと新規獲得ではなく少ないコストで運営可能な状態を作り高利益率企業としての上場を目指していくということなのかなと思っています。(現時点の最終利益率の数字は、他社と比較しても良くない数字なので場合によっては、いくつか事業を畳むということがあってもおかしくないんじゃないかとも思っています)

この動きが起きる前から、教育各社はスタートアップ投資や買収を行なっている企業として、増進会(Z会)やベネッセだったり今年には学研もCVCプロジェクトを立ち上げるなど少子化だけではないであろう要因で動きが徐々に出てきている印象がある業界なので受験教育や学校教育の領域に限らず幅広いエリアで直接参入も支援型参入(どちらかというとこっちの方が多そう、教育を提供する側も変化が起きる中で課題が増えてきてる印象があるので)も増えてくるのかなぁと思っています。

ってわけで取り上げた企業数の割には長文になってしまいましたが、今日はここまで。

来週はまた建設不動産領域に戻ります。

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