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【weekly post】2021年上半期建設機械系Pre-Seed~SeriesA資金調達inUS

なんとかweeklyに戻すべく2週連続で書いていこうと思います。

今回はいつも通り建設領域ではあるんですが、今回はさらに絞りまして、建設機械の領域を見ていこうと思います。

建設機械に着目したのは、人手が減っていっても、ものを作る以上必ず誰かが作らないといけないわけで、そうなってくるとソフトだけではなくハードも色々と変わってくるだろうってことで選びました。

日本とアメリカだと建機が入る現場の規模が全然違う(日本だと狭いところで作業しないといけないことも)と思うので、あくまでも参考にってことなんですが、ハードを開発する会社の調達だったり、成長のステップなんかは参考になるものがあるんじゃないかということでみていければと思います。

それでは、上半期のサマリーからどうぞ

2021年上半期建設機械系スタートアップ調達サマリー

今回のweeklyの対象になる企業は下記の通りで、該当する企業の数は4社でした。

単月の調達ではなく上半期までと幅広く期間を設定しているのは、対象企業がかなり少なかったからというわけです...

■対象企業

所在地:アメリカ

対象領域:建設機械領域(ハードウェア開発を伴う企業のみ)

企業ステージ:プレシード~シリーズA

ファイナンス時期:2021年1月1日~6月30日まで

■ステージ分布とステージ別調達金額

資金調達まとめトップ画

ハードの開発を伴う企業を対象にしているので、調達金額も自ずと大きくなりがちなのでは?と思っていたのですが、7月に取り上げた建設・不動産系企業(詳しくは下記リンクより)のシリーズAステージでの調達額平均とそこまで大きな差はない感じでした(Sequoiaが入っていたLandisのみ調達金額がずば抜けて高かったため平均から除外)

建設・不動産系(7月):$13.00M

【参考】上記から金融・保険系を除いた平均:$9.70M

建設機械(21年上半期):$12.25M

【自走式図面プリントロボット】Dusty Robotics (SeriesA)

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設立:2018年

今回調達金額:$16.5M

調達総額:$23.7M

ファイナンス履歴

(ファイナンス回数:時期、PreValu、ラウンド調達金額、リードVC)

初回:2018/8、$6M、$2.2M、Basekine Ventures

2回目:2019/11、$15M、$5M、NextGen Ventures

3回目(今回):2021/6、不明、$16.5M、Canaan Partners

→履歴を見ていくと、初回から今回まで3回のファイナンスで初回に入っていた投資家(Baseline Ventures、Cantos、Root Ventures)が1回も欠かさずラウンドに参加し続けてるのは特徴的だなと思いました。

リード投資家:Canaan Partners

サービス内容

従来、現場で作業のガイドとなる目標や図面などをメジャーやチョークなどで記載していたところから、手作業に頼らずロボットが自動でプリントしてくれるといったものになります。

独自のプリントロボットと制御ソフトを開発しており、すでにサンフランシスコの現場で活用されているようでした。

マネタイズは、ロボットの物売りではなく、①現場に出向いてプリントを行うサービス提供と②ソフト・ロボットのリースの2つを用意しています。

現場でサービス提供を行う場合は、Dusty Roboticsまたは認定パートナーが現場で行うようです。

【大型現場向け鉄筋加工】Toggle Industries(Seed)

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設立:2016年

今回調達金額:$8M

調達総額:$11.6M

ファイナンス履歴

(ファイナンス回数:時期、PreValu、ラウンド調達金額、リードVC)

初回:2018/11、不明、$400K、Urban US

2回目:2019/10、不明、$3.2M、Point 72 Ventures

3回目(今回):2021/6、不明、$8M、Tribeca Venture Partners

リード投資家:Tribeca Venture Partners

サービス内容

通常だと現場で配筋し結束をしてという形で作業をするかと思いますが、この企業は高層ビルやエネルギープラント、土木建設、プレキャストコンクリート製品をターゲットに鉄筋部品を提供しています。(完成品の物売り)

ロボットを現場に持ち込んで鉄筋加工をするのではなく、工場で製造し現場に提供します。

従来の組み立て方法と比較して現場で作業を行わないことなどもあり全体的な生産性を5倍にするとのことでした。

完全な全自動というわけではないようで専用のロボットアームのようなものとソフトウェアを開発しており、CADやBIMからデータを元に製造から納品までを統合できているようでした。

まとめ

今回Pre-Seed、Seedの企業も対象企業に入っていたのですが、詳細取り上げませんでした。というのもあまり情報が出ておらず(なんならまだ開発中っぽいところも)かけそうになかったので、ちょっと簡単にご紹介します。

■Roin Technologies(Pre-Seed)

コンクリートお利用した工事を自動化するロボットの開発を行う企業のようで、YコンのW21に参加していた企業になります。

Youtubeに同社のロボットの映像が出ていたのですが、コンクリート壁を作る際に型枠を作って流し込む形ではなく、鉄筋に吹き付けるような形でコンクリートを打設(やり方的に打設とは言わない気もする)するロボットのようです。

その映像で一番驚いたのは、コンクリートの吹き出しが途切れずほぼほぼ均等に吹き出されてたことで、コンクリートは綺麗に途切れることなく流すことが難しく素材自体の改良が必要なはずで、外部環境によっても調整が必要と聞いていたのであそこまで綺麗に吹き付けができてるのはすごいなと思いました。

■Nextera Robotics(Seed)

こちらも初回ラウンドにYコンが入っている企業で、こちらは「現場の品質管理や進捗監視」「現場で使われる壁や床、ユニットを製作する工場向けロボット」を提供する企業で、ロボットそのものというよりかは、それらの産業用ロボットを動かす独自のOSであるNexteraOSに強みがあり、センサーとリアルタイムデータ、ロボット制御技術を組み合わせたものとのことでした。

ちなみに、既存の2つに加えて、今後石膏ボードの設置ロボットも投入するようでした。

建機というと、物売りや機械そのもののリースというのが今まで多かったような気がするのですが、①現場に作業者含め提供しサービスとして提供する形や②そもそも現場に行かずロボットが作ったものを商品として提供するっていうのも出てきているのかと、まぁ考えれば当たり前なんですが、ものを持たなくていいようにする、狭い現場(規模が広くても大型建機や作業インの方が多くて、その作業をするスペースとしては狭いなど)でも活用できるようになどどこにでも対応できるようなものにされてるんだなぁと思いました。

特に①については、職人が減っていく中で、新たな機械を作れば、その機械を使いこなせる人を育てないといけないので、若干逆行してる感じもするんですが、そこに、操作できる人も含めて提供する、リースする場合には、あらかじめトレーニングする期間もパッケージに含まれるようにしているといったような今後のトレンドにあったサービス作りがされているので、さすがだなぁと思いました。

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現場で動く重機のような類の建設機械は引き続き既存のプレイヤー(国内だとKOMATSU、KOBELCO、HITACHIあたりでしょうか。海外だとキャタピラー、ディア、ボルボとか)が機械そのものは作り、ソフト面でスタートアップ(SafeAIとか)が活躍する感じになり、今回あげたような大型ではない現場で動く中古型の機械に関してはスタートアップが提供していくような感じになるのかなぁとなんとなく思いました。

ただ、実は大型の建機でも自律運転以外の変化の余地があって、すでにそういった取り組みをしている企業があったりもするので、そういった重た目なチャレンジに対してVCができることって何があるだろうかってのは考えていきたいところです。

素人考えですが、建機の領域はアプローチとして4種類あるのかなと思っていて

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(全くうまく整理できなかったから、雰囲気で感じ取って欲しいのですが....)

こんな感じで分けて考えれると、もしかすると新しい機会を見つけやすいのではないかと思いました。

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