【weekly post】2021年12月建設・不動産領域Pre-Seed~SeriesA資金調達inUS
年末年始とドドドっと色々なお仕事が舞い込んできた関係で(言い訳です)サボりにサボり散らかしておりましたweekly postを緩やかに再開していこうと思います
建設・不動産領域の分については、実は年末に駆け込みでUS11月分を出しておりますので、USは21年12月分から、欧州は11月分から。
教育とヘルスケアは21年11月分から再開させていきます。
できるだけ早いタイミングで今の時間軸に追いついていけるようにしていくので、よろしければまたみてやってください笑
更新スケジュールについては、すでに2月も半分まで来てしまっているので3月からまた書いていこうと思いますが、ひとまず、US建設と欧州建設をかければいいなぁと思っております。
本編に入っていければと思いますが、12月の調達ではリードVCの顔ぶれに、Founders FundやBessemerの名前もあり半年とか前と比べると、心なしか有名投資家が増えた?という印象を持つような持たないようなと言った感じでした。
今回も例によってきっと長くなるので、いつも通り、気になるパートに飛んでいただいて、知りたい情報だけかいつまんでいただければと思います。
それではよろしくお願いします。
12月のサマリー
今回のweeklyの対象になる企業は下記の通りで、該当する企業の数は15社でした
■対象企業
所在地:US
対象領域:建設・不動産領域
企業ステージ:プレシード~シリーズA
ファイナンス時期:2021年12月1日~12月31日まで
今月の特徴でいくとSeed割合が例月と比較して高いということが挙げられるかなと思います。
ただ、何かトレンド的にそうなっているかというとそういうわけではなく、シンプルにたまたまだと思うんですが、例月でいくと50%~60%台半ばから高くても70%いかないくらいであることが多いのですが今月は、調達企業の数もいつもとほぼほぼ変わらないくらいの数でありながらSeedが7割を超えていました。
その影響もあってと言った方が良いのかなと思うのですがステージ別の平均調達額を見ると、Seedは、いつもと比べてやはり小さめの調達額になったかなぁという印象を持ってます。
7月(ちなみにこの月はこの月で17社中Seedが40%切っているという今回とは逆のパターンでした)が$1.4Mなのでそこと比べると高いのですがここ数ヶ月と比べるとやはり低いなという感じですよね。
PreSeedは、毎月調達額の開示がないところもあるので$0.2Mでも「まぁまぁ低すぎるという感じではない」という印象ですし、SeriesAについては、$30Mを超えている時は概ね大きめの調達があった企業が1-2社ほどあり引き揚げてる感じなので、今月の$16.5Mは比較的平均的な印象なので、やはり若干Seedは少ないですよね…
引き続きこの辺の傾向は追っかけていきたいなと思います。
文字が小さくて恐縮なんですが(いつものことなんですけど)アスタリスクがついてるところは調達額非開示の企業があるところでして、管理メンテのところが調達企業数1社に対して累計調達額が0になってるのはそういうことです。
領域ごとの偏りとか特徴みたいなところは、正直めちゃくちゃ変わったという印象はあまりないのですが、直近との違いでいくと、久々にモジュール系の建築が数増えたなという感じです。(いつもは0件かあっても1件)
その他は、調達額開示企業が少なかった影響で累計で見ると小さく見えてるとかそういった程度で特に大きく変わったという感じはありませんでした。
今月はこの中から3社ピックアップしてご紹介したいと思います!
①【LiDARを活用した現場データ収集】DeepWalk Research(Seed)
設立:2018年
今回調達金額:$10K
調達総額:$10K
リード投資家:不明
サービス内容等:
前提情報として、そもそもLiDAR(ライダー)ってなんやねんって方用に、LiDARの説明をROHMのサイトから引用しましたので下記をご覧ください
技術系の方にしばき回されるかもしれないのですが、めちゃ簡単に言うとカメラで撮るだけですげーいろんなことが検知できるし、実はiPhone12ProとProMaxからそいつがついてしまってるので、僕らのスマホでも使えるって感じです。
それを踏まえて、このサービスの説明をしたいのですが、アメリカではアメリカ障害者法(ADA)に基づき2010年にアクセス可能なデザインのためのADA基準というものが策定され、誰もが使いやすいようにインフラや施設の改修が行われたりしているようです。
そのような背景を受け、このサービスでは、歩道にフォーカスし、LiDARを活用し、歩道の現状をiPhoneと独自のアプリで収集し、自動的にADA基準に基づき現状を検査、その上で、今年夏の実装とのことでしたが、ADA基準に準拠した形に移行するための計画テンプレを提供するなど、移行における事前の対象インフラ整理や計画策定を支援しています。
LiDARという技術の活用ハードルが下がったことで一気に実用に向かったケースなのかなと思い、過去のスマホやVRヘッドセットみたいな感じがして面白かったので取り上げてみました。(全然規模感が違うのでは?というのは承知の上で)
②【住宅設備修理・更新の見積もり導入効率化】InHome Home Services(Seed)
設立:2021年
今回調達金額:不明
調達総額:不明
リード投資家:不明
サービス内容等:
ボイラー、暖房、エアコンにフォーカスした修理と更新の効率化サービスで訪問セールスをカットしていることや、同社の購買力により、エネルギー効率の良い設備を安く提供してくれて、加えて、取り付けの訓練を行っている専門家が自宅で取り付けを1日で(物によっては1.5日のものも)行ってくれるというサービスです。
サービスとしての売りは(商品の)安さ、(商品選択の)簡単さ、(取り付けの)早さかなと言った感じで、このサービスを使って設備導入を行うと、いつでも無料の24/7電話サポートサービスが受けれるようになっているようで、もしかすると、設置自体のワンショットで利益を得るというよりかは、その後のメンテナンスや修理を継続して取り続けることでLTVでお客さんを見ているサービスなのかなと思いました。(24/7対応してくれて、無料で対応してくれるとなると、ひとまず不調があれは、inhomeに連絡するはずなのでメンテナンス依頼などの入口を確実に取れそうだなと)
③【住宅メンテナンス予測AIによる財務計画】Saivy(Seed)
設立:2021年
今回調達金額:不明
調達総額:不明(Pre $5M)
リード投資家:不明
サービス内容等:
日本だとマンションのメンテナンスのところでちょくちょく聞くような課題だなぁと思いピックしてみました。
日本だとマンションとかで修繕積立金が足りないみたいな話があって、トラブったりみたいなのを聞いたりするんですが、持ち家でも修繕の費用を用意できていなかったというので新たにローンを組んだりということが起こるようで、これによって、そもそもの住宅ローンが払えなくなるというケースもあったりするそうで、このサービスはそこに事前に対処しておこうというものです。
持ち家がある人をターゲットに住宅の修繕などにかかる費用を住宅の場所などから独自のAIが予測し事前の貯蓄を支援するサービスになります。
貯蓄だけでなく、実際に修繕を行う際には、独自のプロジェクト管理ツールと住宅修繕等の専門家データベースを提供することで、適切な金額や期間で専門家が修繕を行ってくれるというようになっているので、修繕の事前準備から実行まで丸っと支援してくれるサービスになります。
編集後記
いつもだったら、これだけモジュール建設があると、1つくらい取り上げるんですが、今回は1つも取り上げませんでした。
意図としては、結構表面的にみるとこれまでのものと同じよう手法で提供価値もいくつかパターンかされる中に当てはまっているなぁという印象を持ったからという感じです。
今月のもので言うと小さめの住宅を低価格で提供する、場合によっては、スマートホーム化されていたり、移動が可能であったり、複数のユニットを組み合わせたりと言った感じでした。
逆に、それなりにモジュール系の住宅スタートアップがこれまでもあった気がするので、表面的な部分だけじゃなくどこまで追いかけれるか謎ですが(シリーズAまでを取り上げてる関係で、そもそも情報少ないので)サプライチェーンの部分であったり、競争優位性の厳選を横並びで比較してみると結構面白そうだし、何か参考にできる勝ち筋みたいなのが見出せたりするのかなと思いました。
個人的に、広がりはさておき、好きだったのは、DeepWalk Researchですかね。LiDAR自体に僕自身がめちゃくちゃ詳しいわけでもなんでもないんですが、LiDAR搭載のiPhone登場によってより市場で受け入れてもらいやすくなったってのはわかりやすい追い風なんじゃないかと思いました。
これまでであればもしかすると専用の機械を買わないといけなかったかもしれないけど、誰しもが持っている機械でできるってのは操作に関する学習少なく済むし、導入コスト自体も安く済むので、シンプルにソフトウェアの提供価値で勝負できるようになったんだろうなと。
結構、これに限らずLiDARの活用による建設領域の効率化ってのはもっと出てくるんじゃないかなと個人的には思っております。(知らんけど。)
あと、冒頭でご紹介していたFounders FundとBessemerの投資先も、取り上げなかったんですが、めちゃ簡単にご説明すると
■Bessemer投資企業
企業名:Staircase
設立:2020年
今回調達金額:$18M(SeriesA)
調達総額:$24.1M
リード投資家:Bessemer Venture Partners
サービス内容等:
住宅ローンの申請から取引までの時間と費用を削減するAPIの提供をする企業で、ローンを組成するために必要なデータ共有や検証など複雑に絡み合うストラクチャーを変えることで、通常1つのローン組成にかかっていたコストを1/9程度に、必要な期間も1/4程度に削減する
■Founders Fund投資企業
企業名:Perchwell
設立:2015年
今回調達金額:$15M(SeriesA)
調達総額:$15M
リード投資家:Founders Fund
サービス内容等:
ブローカーや仲介など不動産エージェント向けワークフロー効率化ツールでデータ管理や市場調査、クライアントとのコラボレーションツールなどが含まれている
それでは、今回のweeklyはここまでということで、またあまり間髪入れずに、欧州とかも出していければと思っておりますので、Twitterフォローやnoteのフォローなどよろしくお願いします!
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