見出し画像

須佐神社 夏越しの大祓 178/365

今日は六月三十日。
夏越しの大祓。


全国の各神社では大きな茅の輪が用意され、そこを潜り、穢れを祓う儀式が行われたと思います。

この儀式の起源は備前国風土記に記載があった、蘇民将来の話が元になっていると言われています。

昔、旅の途中で宿が見付からず困っている神様がいました。神様は、蘇民将来(そみんしょうらい)、巨旦将来(こたんしょうらい)という兄弟に宿を貸してほしいと頼んだそうです。しかし弟の巨旦将来は、裕福な暮らしをしていたのに断ってしまいました。兄の蘇民将来は貧しい暮らしをしていましたが、神様に宿を貸してもてなしたそうです。
神様はお礼に、「もしも疫病が流行した時は、茅の輪を腰に付ければ逃れられるでしょう」とお教えになりました。すると数年後、その地域で疫病が流行したにも関わらず、茅の輪を腰に付けた蘇民将来の家族だけは助かったそうです。後に、その神様は「スサノオノミコト」と分かりました。
(備前国風土記、蘇民将来説話)

この物語が起源ということは、全国的にも主にスサノオに関連した神社で茅の輪潜りがされているようです。

島根県出雲市にある須佐神社
この神社はスサノオが御魂を沈めた神社と言われています。

非常にスサノオと縁が深いわけですが、なぜか須佐神社では茅の輪くぐりはされません。
そのかわり毎年、節分の日に神社で茅の輪が配られ、参拝者はそれを首にぶら下げ持ち帰り、玄関に飾ります。当宿にも通年で飾っています。

また、須佐神社の茅の輪の儀式は夏越しではなく、節分なのです

茅の輪も潜るのではなく、身につけ、玄関に飾る

そもそも、備前国風土記では、腰に茅の輪をぶら下げておけば、スサノオがその人だとわかり、疫病から守ってくれるという内容でした。

この話から普通に儀式化するなら、茅の輪を身につけるということがストレートな気がします。
だから、須佐神社周辺の家屋はスサノオに言われた通り、通年で玄関先に茅の輪を飾ってある家が多いです。

さらに、スサノオは迎年に関わる歴の神としての性格を持っています。
なので、夏越しではなく、節分に行うのもスサノオ起源の儀式とするなら頷ける気がします。

ここのところは、まだ僕自身の憶測ですが、須佐神社で茅の輪くぐりをしないこと、茅の輪の儀式を節分に行うことは、スサノオが本来持っている霊力、性格をそのまま今の時代まで継承してきたからではないかと思います。
あくまで、本来のスサノオの形にこだわって妥協をしなかった結果と推測しています。

このように、出雲の神社では、少し変わった独自の考え方が継承されていたりします。
これも神在月がある出雲ならではなのでしょう。

こうしたことは、実際に神社に足を運ばないと、なかなか気づけません!!

是非、出雲にいらして、あなたにしか気づけないこと、あなただから気づけたことを探して欲しいと思います。

出雲はあなたに見つけられるのを待っていますよ・・・