【宮ぽた ep14「富士山一周 行けるとこまで行ってみよう!」】 SURUGA Cycle Journal Vol.122
富士宮市さんとのコラボ企画「宮ぽた」。今回はチャレンジ企画第2弾!E-BIKEで富士山一周のサイクリングに挑戦します。
ナビゲーターは富士宮市職員の野田さん(左)と渡井さん(右)のコンビです。
おふたりの自転車経験について尋ねると、渡井さんはロードバイクの経験あり、野田さんはあまり乗らないとのこと。そして、おふたりとも富士山一周は初めて。今回は行けるところまで行ってみよう!ということで、撮影班も一緒にE-BIKEの力をフル活用して未知の領域に踏み出します。
ちなみに出発前の富士山はこんな感じ。やはり何度見ても富士宮から見る富士山は素晴らしいです。撮影日前後はあたたかい日が続いていたので、雪が溶けてワイルドな山肌がお目見えしていました。
今回のコースは総走行距離110km。見るポイントによってさまざまな表情を見せる富士山に注目しつつ、チャレンジスタートです!
CP1《村山浅間神社:走り出しは好調》
前半は上り坂が続くので、電動アシストは常にスポーツモード。時速10kmほどでゆっくり上っていきます。ここで「なんかペダルが重いと思ったらずっと重たいギアで走ってた…」と野田さんから声が。序盤から意図せず自分に試練を与えていたんですね?!自分の体力と相談しながら、軽いギアでコツコツ上っていきましょう。
自分のペースをつかみ始めた頃、左手に秋の空と富士山のコラボレーションが!木々の間から富士山が見える度に「すごい!」と歓声を上げたくなるくらい、素晴らしい眺めです。E-BIKEだと周りの景色を楽しむ余裕もできますね。
坂を上ること30分ほど、「村山浅間神社」に到着しました。
E-BIKEにも慣れてきて、まずは第一関門突破の気分!ここは「世界文化遺産・富士山」の構成資産のひとつ。富士山は25か所ある構成資産と全部あわせて『世界文化遺産』として認定されていて、村山浅間神社もそのひとつなのです。
境内には御神木のイチョウや大きな杉の木があります。どちらも天然記念物に指定されている立派な木です。なんだかパワーを感じます。
CP2《富士山こどもの国:富士山隠れてないで出ておいで》
引き続き走っていくと、富士宮市を飛び出して富士市に入りました。次の目的地は「富士山こどもの国」です。
ここまでは急な傾斜が続くわけではないのですが、じわじわと体力が削がれていくのを感じます。今こそ電動アシストのパワーをフル活用。木々に囲まれたコースの雰囲気も堪能しました。
駐車場エリアの頂上にはサイクルラックがあります。うろこ雲が浮かぶ秋の空が気持ちいいですね。富士山は…少し雲の帽子をお召しになっているよう。隠れてないで出ておいで~
富士山こどもの国では、漕ぎ方がちょっと変わったおもしろ自転車やマウンテンバイクのコースなど、自転車のアクティビティがいろいろ楽しめます。富士いちチャレンジャーの方々の中には、正面入口にある石像「ろっくん」と一緒に写真を撮ったことがある方も多いのでは?
CP3《富士裾野ビクトリーロード:自転車雑誌の表紙みたい!》
次の目的地「富士裾野ビクトリーロード」を目指して裾野市の須山に入りました。ここは交通量が多いので気をつけてくださいね。
走っている途中、美しい紅葉の景色に出会いました。この時期ならではの景色です。秋の空と色づいた木々。もうそんな季節なんだなー、なんて言いながら走っていました。
日が差すところは暑いくらいですが、だいぶ標高が高くなってきたのもあって日陰に入ると寒いです…。景色や気温、いろんなところから季節を感じられました。
「富士裾野ビクトリーロード」は東京2020オリンピックの男子自転車競技ロードレースが行われた場所として、記念モニュメントがあります。この名称は市道4155線の愛称として公募されたものなのです。虹色のモニュメントと、バックには壮大な富士山!
せっかくなのでビクトリーロードも走ってロードレーサー気分を!まるで雑誌の表紙みたいですね。いい画です。
CP4《道の駅すばしり:エネルギー切れ寸前》
次の目的地「道の駅すばしり」を目指して、御殿場市、小山町を経由しながらぐんぐん坂を上っていきます。
さすがに上り坂続きなのでしばし無言の時間も。電動アシストがあっても漕がないことには前に進みませんものね。無心にペダルを踏んでいるうちに「あっ、今心地よく漕げてるな」というゾーンに入ってることを自覚しました。自分と自転車がシンクロしている感じがわかるとなんだか嬉しいですね。
ゆるゆると坂を上り続けて、時刻はお昼の12時。「道の駅 すばしり」に到着しました!付近に黄色く色付いたイチョウ並木があって綺麗~!
と思っているのもつかの間、ここまでで走行距離は約47km。もう少しで半分といったところでしょうか。ナビゲーターのおふたりも最初はどうなるか心配そうでしたが、E-BIKEのおかげで行ける気がしてきた!とのこと。
ここで撮影班を含めた全員のE-BIKEのバッテリーを見てみると、全員半分を切っていました。40%残っている人、20%台まで減っている人など、バッテリーの減り方もさまざまでした。加えて、急激にカロリーを消費している感じがしてもうお腹ペコペコ。走っている時はあまり感じなかったけれど、実は自転車も自分もエネルギー切れ寸前でした…。ここで一旦ランチ休憩にしましょう。
ここからもずっと上りですからスタミナを回復しなければ。富士山が一望できるレストラン「ふじあざみ」さんは定食や麺類などバラエティに富んだメニューがずらり。ボリューミーなのも嬉しいところです。
おふたりはこってりバターのすばしり特製味噌ラーメンと、サクサク衣の豚カツ定食をチョイスしました。店内には大きな窓があり、富士山を眺めながら食事ができます。しばしの休憩を満喫しました。
CP5《籠坂峠:ここ上ったら優勝!》
さて、お腹も満足したところで再び出発していきましょう。今までより傾斜のある上り坂が増えてきた気がする…と感じつつ、黙々とペダルを踏み、着実に上っていきます。
たまには笑顔の余裕もあり!さすがはE-BIKEですね。秋色に染まった山々とスカッと晴れた空に囲まれて走るのが気持ちいい~!
ここで静岡県を飛び出し、宮ぽたが山梨県に突入!「籠坂峠(かごさかとうげ)」の攻略に挑みます。この辺りまで来るとさすがに話す余裕は少しずつなくなり、各々が自分との戦いに入ります。今までにない急な上り坂の前では思わず「うわー!」と声が上がりました。
急激な坂道を上り続け、ようやく籠坂峠の一番標高の高いポイントに到着!頑張ってよかった!
「最後のヘアピンカーブを上っているあたりは完全に自分と向き合っていました」とここまでの道のりを振り返るおふたり。最後は「これを上りきったら優勝!」とみんなで励まし合いながら上りました。
晴れ晴れとした表情が素敵なおふたり。
すぐそばには藤原光親(ふじわらのみつちか)を祀る「加古坂神社」があります。峠の名前は古くは「加古坂」と表記されたのだそうです。
さて、ここからは長い下りゾーンに入ります。電動アシストは予備のバッテリーを載せ換えました。そして下り坂はとにかく寒いので、ウインドブレーカーなどを着込んで風対策して臨みます。
CP6《山中湖:紅葉狩りライド》
籠坂峠を下り、山中湖畔を走っていきます。撮影日は11月上旬、紅葉が見頃を迎えていました。
赤く色づいた紅葉のトンネルは、走りながらも思わずため息が出るほど綺麗!
山中湖沿いにも紅葉の木があり、湖と紅葉のコラボレーションを楽しもうと観光客の方で賑わいを見せていました。青い空に紅葉が映えますね。今回はチャレンジコースということで富士五湖すべてには行きませんでしたが、この季節ならではの景色に出会うことができました。
山中湖から走ること8km、「道の駅富士吉田」で少し休憩です。
名物・吉田うどんが食べたくなります。ちなみに、富士宮市発着の富士山一周イベント(2022年度に富士宮市さん、東京電力パワーグリッドさん、スルガ銀行で共同開催)では、こちらでランチにされている方がとても多かったです。
ちなみに、富士宮市発着の富士山一周イベントの際のチェックポイント、コースについてはこちらからご覧いただけます。(本イベントは終了したものです。)
最新のイベント開催情報についてはこちら!
ところで、走っている最中はそんなに感じませんでしたが、止まると足にどっと疲労がくる…!ここまで来ると自分の体力と相談しながらのサイクリングになってきました。ここまで来たなら最後まで!とまた心を強くして、再び出発していきましょう。
CP7《道の駅なるさわ:大丈夫?最後まで行ける?》
西日が傾く中、道の駅富士吉田から富士急ハイランド付近を通ってひたすら走っていきます。「めっちゃ甘い物食べたい…」とぼんやり思いつつ、さすがに疲労が溜まってきたのを感じます。
休憩で「道の駅なるさわ」に立ち寄ると…力強く雄大な富士山の景色が目の前に。
同じ山なのに富士宮から見る富士山とは形はもちろん、どこか質感も違って見えます。今回の富士山一周を通して、さまざまな地点から見る富士山に幾度となく感動をもらいました。素晴らしい景色に、疲れもなんだか清々しく感じます。
差し入れのクリームパンを頬張り、おかげさまで回復!宮ぽたパーティ全員で記念撮影もしたら、再び走り出します。
CP8《ファーマーズキッチンえいちのむら:見え隠れする紅富士》
いよいよラストスパート!富士宮方面へ向けてひたすら下ります。
森林に囲まれた道は日陰になっており、寒く感じます。さらに日没の時間が重なって、ウインドブレーカーと手袋は必須!スピードに気をつけて次の目的地を目指します!
ようやく富士宮に戻ってきました!日没を迎え、だんだん暗くなって来ましたが、無事、次のスポット「ファーマーズキッチンえいちのむら」さんに到着しました。
えいちのむらさんの双葉ポーズで!
こちらは自家栽培の野菜や地元食材を使ったメニューが自慢の農家レストラン。前述の富士山一周イベントでは、えいちのむらさんのソフトクリームが最後のエネルギーチャージに好評でした。
ちょうど夕陽に染まった紅富士が見えて感激!長かったチャレンジもゴールは目前。市役所を目指してラストスパートです。
CP9《富士宮市役所:富士山一周達成!》
あたりがすっかり暗くなり、ようやく富士宮市役所に戻ってきました。富士山一周達成!やったー!
今朝ここからスタートした時は「本当に行けるのか…?」と若干の不安もありましたが、最後まで走り切った達成感は格別です。
最終的に総走行距離は111.3km、獲得標高は1,815m!1日でこんなに走ったの?!という驚きと、あそこがきつかったね、ここは走っていて気持ちよかったねと、さまざまな感情が込み上げてきました。完走本当にお疲れ様でした。
さて、ここからは富士山一周した当日に立ち寄れなかった富士宮市のスポットをいくつかをご紹介していきます。
富士山一周サイクリングルートは、富士山を周遊する豊かな風景を活かしたサイクルルートとしてナショナルサイクルルート認定を目指しており、これに向けて走行空間整備が進められています。
そのひとつ、富士山一周ルートの接続地として、富士宮の街中にある「神田川観光駐車場」を発着点にしてはいかがでしょうか?
駐車可能台数が多く、朝6時30分から夜22時まで利用可能なのがポイント。遠方から車で来られるサイクリストさんも安心して利用できます。一日最大料金が1,000円とリーズナブルなのも魅力的です!
「神田川観光駐車場」から徒歩1~2分のところにあるのが「静岡県富士山世界遺産センター」。
世界遺産の根拠となる「世界遺産条約(国際条約)」に規定されている世界遺産を「保護し、保存し、整備しおよび将来の世代へ伝えることを確保する」拠点施設です。
施設手前には湧き水の水盤があり、センターが映り込むと逆さ富士が出現します。県産材が使われた木格子の外観が素敵ですね。 『富士山ヒルクライム 富士宮口5合目』イベント(2022年度に富士宮市さん、スルガ銀行で共同開催)では、この世界遺産センターをバックに集合写真を撮りました。
駐輪場も完備していますので、ぜひ見学にいらしてくださいね。
世界遺産センターは神田川沿いにあり、小川のせせらぎを聞きながら遊歩道を歩いていくのも癒されます。神田川はこの先にある「湧玉池(わくたまいけ)」が水源となっていて、富士山の伏流水なので川の水が透き通っていてとても綺麗です。
途中で東京オリンピック2020の聖火リレー記念碑を発見しました。実はここにオリンピック関連スポットがあったんですね。記念碑自体は少し小さいですが、ぜひ探してみてください。
神田川沿いに北へ進んでいくと「富士山本宮浅間大社」があります。
ここは富士山の噴火を鎮めた御神徳により崇敬を集める浅間神社の総本宮です。雲がない日には、鳥居の脇から富士山が見えるという素晴らしい景観。この日も外国人観光客の方がたくさん参拝にこられていました。
境内には特別天然記念物に指定されている「湧玉池」があり、この清水が神田川に注いでいます。浅間大社でゆっくりと参拝した後は、神田川にかかる赤い橋から景色を楽しんでみてはいかがでしょうか。
途中で色鮮やかなマンホールを見つけました。逆さ富士に桜、風光明媚な富士宮らしいデザインで思わずシャッターを切りました。
こうしたふとしたところに富士山があしらわれていることが多い富士宮。さまざまなところに着目しながら巡っていくと、新たな発見があるかもしれません。
神田川観光駐車場から静岡県富士山世界遺産センターや富士山本宮浅間大社は徒歩圏内の場所にありますので、観光スポットへも好アクセスでおすすめです。
富士山一周編、最後は「白糸の滝」にやって来ました。
高さ20m・幅150mの湾曲した絶壁から大小数百の滝が流れ落ちるさまは圧巻の眺めです。この絶壁はそれぞれ性質の違う2種類の地層で構成されており、上部は水を通す新富士火山層、下部は水を通さない古富士火山層の境の絶壁から富士山の雪解け水が湧き出しています。
撮影日は11月中旬で丁度紅葉のシーズン。赤く染まった木々と流れ落ちる滝の景色はまるで絵葉書のようです。よく見ると虹も出ていました!
白糸の滝は天然記念物に指定されている他、「世界遺産富士山」の構成資産のひとつでもあります。富士講信者を中心に人々の巡礼・修行の場であったことから構成資産となっているのだそうです。
また、この辺りには鎌倉時代の伝説が残る場所が各所にあります。
まずは白糸の滝とは対照的に雄大に流れ落ちる「音止めの滝」。曽我兄弟の仇討ちで知られています。
白糸の滝の上部には「お鬢水(おびんみず)」という湧水が溶岩の窪地に溜まってできた池があり、源頼朝の「富士の巻狩り」にゆかりがあります。
「富士山・白糸ノ滝テラス」内にある富士宮やきそば専門店「平石屋」さんでグルメも堪能しましょう。
開放感のある店内がすてきです。
平石屋さんの富士宮やきそばはキャベツの切り方にこだわりあり!秘伝のソース&もちもちした弾力とコシのある「曽我めん」を使用した富士宮ならではの絶品グルメです。やきそばセットにはデザートもついてきます。
「うちはやきそばが得意です」というおかみさんの言い文句に心もほっこり。本場富士宮のやきそばをぜひご賞味ください。
富士宮から走る富士山一周、いかがでしたか?じっくり時間をかけて走る楽しさと、さまざまな姿を見せてくれる富士山、各地の景色やグルメなど魅力的なポイントがいっぱいです。みなさんもぜひチャレンジしにいらしてください!
それでは今回の宮ぽたはここまで。次回もお楽しみに~!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?