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Mr Bongo

今さらブラックミュージック(主にソウル)を語るうえで、モータウンやサルソウルについて取り上げても、私以上に造詣が深い人はごまんといるので、わざわざ語ることは何もない。
(私の音楽的ルーツに関しては、下記で述べているので、そちらも併せて読んで欲しい)

ある日、実家に「新しいCDが届いた」という一報が入った。

Mr Bongo?のコンピ…しかも4枚…
聞き覚えのないレーベル名だ。ネットで情報を探してもほとんど英語圏のサイトしか出てこない。

「bongo」と聞いてすぐに思い浮かんだアルバムは、Incredible Bongo Bandの1st"BONGO ROCK"である。

ヒップホップのパイオニア的存在、Afrika Bambaataaに「ヒップホップ界の国歌だ」と言わしめた"Apache"が収録されている、歴史的マスターピースだ。

しかし、Incredible Bongo BandはMGMレコード所属のアーティストなので、この話とは、全くの無関係である。(Pete Rockから言わせれば、"Apache"を知らなければヒップホップを知らないと同義らしいので、このnoteを見て曲を知った人は、必聴しなさい)

話を戻そう。
実家に届いた4枚のアルバムが、奇遇にもサブスクで見つかった。(こういった時に、サブスクの良し悪しが出る)

とりあえず、4枚聴いた感想としては、稚拙なコメントにはなるが、「とても完成度が高くて驚いた」といったところであろうか。

それがコンピ故ではないかといった意見も挙がりそうなので、先に潰しておくと、レアグルーヴ系のコンピはだいたい、アルバムを通して聴けるほどの完成度のものはなかなかないように思える。アルバムから数曲を峻別し、その後それしか聴かなくなるといったパターンが大半だ。(実体験を交えた完全な主観)

そんな素晴らしい4枚のコンピで、特に好みだった曲をアルバムから2曲ずつ、独断と偏見でリストアップする。音楽のテクニカルな知識はほぼ皆無なので、己の感性のみで選出したことは、了承いただきたい。

前提として、この1枚目が4枚の中で最も好きだ。アルバムを通して、刺さる曲が多い。

その中でもこの曲のチャーミングな歌声には魅せられてしまった。キッズソウルを思わせるような曲調で、比較対象としてはマイナーすぎるが、私の好きなThe Eight Minutesの曲を思わせるキュートなこみ上げ系ソングである。

怪しげな曲の冒頭から最高だ。不穏な雰囲気もありつつサウダージ感溢れるこの曲は、好きな曲の要素を詰め込んでいる。
70年代初頭のこの音感は、私の中で永遠である。

dj好みなディープディスコである。ピアノ、フルート、パーカッションが入り乱れるコズミックなナンバー。
キューバ出身であるがゆえのカリビアンな雰囲気と相まって、アッパーではあるが心地の良いサウンドが生まれている。

これぞ求めているレアグルーヴ的音感。
脳を刺激するようなジャジーサウンド。
ファラオ・サンダースのようなスピリチュアル感もある、アフリカのジャジーなレアグルーヴ。

ブラジルの曲は温かみとセンチメンタル、その他様々な感情が含有されているのが好きだ。一言では言い表せない、この感情こそがサウダージなのであろう。
曲名通り、サウダージ全開の名曲である。

いい意味で気持ち悪い音が耳から離れない。幻のモダンソウル・クラシック。
ギターやホーンの音が心地よく、曲の展開も素晴らしい。

とにかく音感がタイプ。曲の途中の女性の吐息にも刺激される。ピアノのメロが心に安定をもたらす。単調になりすぎない曲の展開が、計算されているのかわからないが、凄まじい。

オリジナルは入手困難で、数十万するらしい。サンバソウルのレアな名曲だ。ブラジリアン・レアグルーヴは本当好みみたい。通常よりピッチアップされたヴァージョンらしく、キラーチューンに仕上がっている。


以上、私が選定した8曲だ。拙い感想ばかりで恐縮だが、ぜひ聴いていただきたい。私が選んだ曲以外にもいい曲は多数あり、アルバムの頭から聴いてもブチ上がる仕様になっている。(いなたく、単調な曲も多いので少々飽きるかもしれないが)

今回執筆にあたって、再度曲を聴き直した。
書くことによって、様々な発見もあった。
これからも音楽に関しては書き続けたいので、今までになかった意識で音楽と向き合えそうなことに、今から胸を躍らせている。

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