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Surfvote編集部が取材!白石きぼう学園について教えてください!

宮城県白石市に今年4月に開校した「白石市立白石南小学校・白石南中学校」(通称:白石きぼう学園)の我妻聡美校長先生が学校の運営方針や子どもたちが日頃どのように学校生活を送っているのか、子どもたちと接するなかで先生方が大切にしていることなどを教えてくださいました!
また、こちらの記事に基づいて、Surfvoteでは以下2つのイシューを掲載しています。ぜひご覧ください。

【宮城県白石市長から全国の皆さんへ】白石市の不登校に対する取り組みについてどう思いますか?
白石きぼう学園を取材!学校が自分たちの居場所になるために必要なことは?

我妻聡美校長先生

子どもたちは毎日どのように過ごしているの?

白石きぼう学園は、小中一貫校として東北初、全国では3例目となる不登校特例校です。
現在(2023年8月8日時点)小中合わせて児童生徒は18名、教職員はスクールカウンセラー等も含めて19名在籍しています。
学校の教育目標は「10・20年後の社会で活躍する子どもの育成」。
子どもたちには常日頃から「主役はあなたたちなのよ」ということを伝えるようにしています。

子どもたちは朝9:20までに登校することになっています。
朝は学校からスクールバスが出ているので、それに乗ってくる子もいれば、保護者の方の車で来る子もいます。
子どもたちが学校に着くときには職員が全員、外の玄関に立って出迎えるのが日課です。
それも校長の私がみんなで出迎えましょうと言ったわけではなく、職員が自然発生的に朝玄関へ行って出迎えるようになりました。
玄関や下駄箱のところで子どもたちは先生に挨拶をして、昨日の出来事やさまざまなことを話しながら先生と一緒に教室に入って行きます。
先生たちは、その出迎えたときの子どもたちの表情や会話などから、その日の調子や様子などを感じとります。
玄関からそのまま保健室に行く子もいますし、階段のところで座って友達とおしゃべりする子もいます。
「今日本当は学校来たくなかったんだぁ〜」と素直に先生に話してくれる子もいます。
朝の時間は、子どもたちにとって、学校に来てからの心の準備の時間なんです。
先生たちにとっては、子どもの表情や言葉を読み取る時間ですね。

たちと先生の会話が始まる玄関

一般的な学校のように、全員が同じスケジュールで同じことを勉強するというよりは、基本的な時間割表のようなものはあるものの、各クラスにホワイトボードが置いてあり、その日のスケジュールをそこに毎日掲示しています。
先生は1クラス2人体制です。

「今日の学習」ホワイトボードで毎日やることを確認

また、「白石タイム」といって、前の学校でやってきた学習の学び直しをしたり、苦手分野を集中的に勉強したりする時間が週に4時間設けられています。
クラス全員で同じことをやる日もあれば、子どもたちの学習の進捗状況に合わせて、それぞれが違うことについて取り組む日もあります。
さらに、授業中にクールダウンをするために教室の外の別室や図書スペースで休憩することができます。
子どもたちそれぞれが自分のペースで学校生活を送れるようにしています。

クールダウンもできる図書スペースは畳のいい香り

先生たちが大切にしていることは?

設立当初から、教職員の間で共有している「共通理解」があります。

■誰でも不登校はあり得るということ
■不登校を問題行動だと受け取らないこと
■「登校」という結果のみを目標にしないこと

これらは4月から教職員の中で十分に共有するようにしていて、先生たちが子どもたちと接してくれていると感じています。
ずっと外に出てこなかった子や引っ込み思案な子もいるので、「やってみる」ということを大事にするように日々子どもたちには伝えています。
なので、常日頃から子どもたちの「やってみたい!」という声に先生たちは耳を傾けるようにしていて、これまで大人に「やってもらう」ことが多かった子どもたちが、自分でやるんだ!という意識を持てるように工夫しています。
例えば、4月に行われた入学式。
自分たちの入学式をどのようなものにしたいのか、一緒に参画させたいという思いがあったので、受付係やカメラ係など運営に関わることを子どもたちが自分たちで行いました。
「入学式」という言葉も、「新たな門出を祝う会」にという名前にして、体育館から玄関ホールの方が居心地いいから玄関ホールでやろうと決めたのも子どもたちです。
来賓の方々にも堂々と対応していました。

新たな門出を祝う会を行った玄関ホール

何年も学校に行っていないと体験不足から「これもできない、あれもできない」と思ってしまう子がいます。
そうした子が自信を取り戻すことができるように、人とつながることの大切さを感じられる、さまざまな体験をしてほしいと思っています。
成功体験があることで、「これができたから、次はこれをやってみよう!」とどんどん自信を持って挑戦できるようになると思っています。

子どもたちがきぼう学園に来てくれてよかったと感じることは?

子どもたちの声が大きくなったこと、笑顔が増えたこと、強制ではない学校に来てくれるようになったことです。
子どもたちが学校に行かなくなるのには、家庭環境や先生との関係など、さまざまな理由があると思います。
でも子どもたちが「学校が楽しい!」と言ってくれたり、朝のスクールバスに乗り遅れても自分でなんとかして学校に来たりする子を見ると、とても嬉しい気持ちになりますね。
また、子どもたちから「外に出てみたい!」という声があったので、街に出かけることもあるのですが、地域の人たちに自分たちから話しかけていって、コミュニケーションをとっている姿を見るときも嬉しく思います。
学校が子どもたちの居場所になってくれているのかなと感じています。

イシュー
白石きぼう学園を取材!学校が自分たちの居場所になるために必要なことは?


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