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インターネット民は電通には勝てない

「電通案件」と呼ばれている物

きくちゆうきさんという人が2019年12月からTwitterで始めたマンガ連載「100日後に死ぬワニ」が、2020年3月20日に100日目を迎え、連載が終了した。

このマンガは連載開始当初から話題を呼び、最終話はリツイート数70万いじょうとなった。

だが、最終話がアップされた直後、それも最終話がアップされてから数時間と経たない内に「書籍化決定」「映画化決定」「明日(3月21日)より、ロフトで期間限定でグッズ販売決定」という告知ツイートが為された。

この最終話アップ直後に為された告知から「100日後に死ぬワニ」は裏に企業の金もうけがあったのかとがっかりする人が現れ、告知の裏にある事象について調べた所、電通が関与している事が判明した事で「電通案件」として炎上する形となった。

直後過ぎるのが問題

これは私個人の意見だが、「100日後に死ぬワニ」の裏に企業がついていて「書籍化決定」「映画化決定」「期間限定でグッズ販売」があった所で特に問題は無いだろうと思う。

ただ、読者の大多数にとっては、告知が出たのが直後過ぎたのが問題だった様だ。

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「一日外出録ハンチョウ」という、「賭博黙示録カイジ」の外伝漫画に、上記の画像の様な話がある。

気持ちよく買わせるには余韻に浸る時間を与える必要があるという話。
この余韻に浸る時間を与えずに「書籍化決定」「映画化決定」「明日(3月21日)より、ロフトで期間限定でグッズ販売決定」の告知を出した事、特に「グッズ販売決定」の告知が出た事がインターネット民(以下、「ネット民」と呼称)にとっては腹立たしかったというのが炎上の発端らしい。

企業側視点で

読者側視点で見ると上記の様に、最終話のアップから告知までの時間が短く余韻に浸る時間を奪われたというのは腹が立ったのだろう。

だが、企業側視点で見るとどうだろうか?

企業側視点で見れば「100日後に死ぬワニ」は短期間でネット上で話題になった物だ。
「短期間で話題になった物は短期間で廃れる事が多い」という傾向がある。
所謂「生モノ」等と呼ばれる、短期間で売り切らなければ不良在庫になると予測されるネタだ。

余韻に浸る時間を与えれば、余韻に浸った人達はそれで満足してしまい、その後に「書籍化決定」「映画化決定」「グッズ販売決定」と告知を出しても食いつかないだろう。

余韻に浸ったり考察したりする読者と、何だか話題になっているみたいだし読んで置こうと考える読者の二種類が存在しているとしよう。

前者の方が深い読者であり、後者の方が浅い読者であるのは事実だ。

だが、企業側にとって「余韻に浸ることを重視したい読者」(深い読者)は客にカウントされない
企業側にとって客になるのは、深い読者ではなく浅い読者だ。

「グッズ販売」も「映画化決定」も「書籍化決定」も浅い読者を狙っていると言える。

ネット民は電通には勝てない

こうした経緯で発生した「電通案件」と呼ばれる騒動だが、この炎上はおそらくどれだけネット民が頑張った所で電通に届く事はないだろう。

結論を言えば「ネット民は電通には勝てない」となる。

何故か?ネット民が電通を知らなすぎるからだ。
どんな争いでも「敵を知り己を知らば百戦危うからず」という言葉がある。

ネット民は炎上を起こす際、敵の実際を知らずに「敵とは多分こういう奴らだろう」と敵を想像で思い描いて攻撃する。
そして、敵の実際に興味を持つ事が無い。

「敵を知らない=敵の実際を知らない」まま攻撃を続ければ、攻撃側は敵にダメージを与えているつもりでも、的には全く攻撃が当たっていないという状態になる事がある。今回の電通案件がそれだ。

電通にとって、電通案件の炎上に加担しているネット民は客ではない。

元々客としてカウントしていない相手がどれだけ不買を宣言したり不買運動を呼び掛けた所で、浅い読者に深い読者の言葉は刺さらない。

電通から見れば、客ではない・客にカウントしていない奴らが「俺達は客になるつもりだったのに」と騒いでいるだけだ。

今後どうなるか

「100日後に死ぬワニ」は順調に電通の思惑通り、書籍化、映画化が為され浅い読者を中心に話題となるだろう。

最後にもう一度言っておこう。

ネット民は電通には勝てない。

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