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サラエボでバーに通う

Merhaba!(こんにちは!)
サラエボの街から、surf anneです🥰

日本にいた頃、よくバーに通っていた。
結婚する前に遡ると、週末は夫と居酒屋などで食事をしたあとバー巡りをするのが定番になり、結婚したあともそれは続き、行きつけのバーが何軒かでき、国内の旅先でもよくバーを探しては歩いていた。

カクテルやウイスキーなどにも詳しくなり、
バーの深い世界に魅せられた私たちは、全国のバーテンダーさんたちが技術を競い合う、バーテンダー技能競技大会を観戦にいくほど。

コロナウイルスの影響で足は遠のいてしまったが、
今も夫婦ともにバー好きは変わっていない。

しかし、日本で通っていたようなオーセンティックバーも、高い品質のカクテルもここにはなく、
バーというより、酒場という言葉がよく似合う。

でも海外では、そんな酒場こそがいい。
昔の海外映画のワンシーンに登場するような、酒場、パブ。

この雰囲気は現地に来なければ決して味わうことはできない、特別な場所。

文化遺産などとはまた違う意味で、訪れる価値があるものだと思っている。

ランチを食べたあと、
ここでの冷たい一杯が楽しみになっているバー🍺
路地にひっそり佇んでる
ここのバーは唯一、グラスが冷えてて最高!

サラエボには、絶滅危惧であろう激渋バーも存在している。
もちろんGoogle mapには載っていないから、クチコミなんて何も知らない。
偶然見つけたらラッキーで、店内に入るまで全ては謎…

だからこそおもしろい。

この店がバーであることを伝える看板は何もない。
店内をチラ見してバーであることを確認して予想し、扉を開ける。

ちょっとの度胸と強い好奇心がなければ、なかなか難しいと思う扉。
(夫曰く、度胸も勇気も必要ないと言っていた…笑)

たしかにその通り、この扉の先で何かされる訳ではない。
笑顔のマスターと常連客たちに「チャオ!」と迎えられて、美味しいお酒をいただく、最高の空間が待っているのだけなのだ。


好奇心で開ける扉の向こう
まるで時が止まったままのような、渋すぎる店内
ボスニアの代表的ビール「Sarajevsko」サラエボスコ

すっきりしていて飲みやすい


こちらも、もちろんmapに載っていない激渋バー

中には地元の常連おじさんだらけ。
マスターも客に混じって飲んでいたりするから、どのおじさんがマスターなのかすら分からない。

激渋な酒場には、もちろんメニューなんてない。
日本で飲んでいた質のカクテルなんてあろうはずがない。

ほとんどの常連客が飲んでいるのはビール、ウオッカ、ジンなどのリキュール、ウイスキーなど。

毎日暑いサラエボ。冷えたビールが飲めれば満足。

サラエボのバーは朝から開店していて、
いつも常連たちで満席状態
この日は席が空いていて、やっと入れた!
こちらも、ビールは定番のサラエボスコ
グラスの銘柄とのちぐはぐ感が逆に良い

この激渋バー、すっかり気に入り2回目訪れたら、常連のおじさん二人がそれぞれビールをご馳走してくれた!

私たちはバーに来る前、ランチですでに1本飲み、バーに着いてからも1本飲んだ後の出来事。

結果、すでに500mlのビールを2本飲んだ後なのに、私たちのテーブルにはまたさらにクロアチアビールの瓶が4本も運ばれてきた…

酔いよりもお腹が苦しかったけど、有難く全部飲み干しました。

クロアチアの代表的ビール

「Karlovacko」(カルロヴァチコ)

激渋バーは希少な一方、街にはパブ(カフェバーとも言われている)が多く存在している。
お酒はもちろん、コーヒーなどのカフェメニューもいただけるスタイル。

コーヒーもお酒もどっちもありのパブ
激渋バーより全然入りやすい雰囲気
サラエボスコのプレミアムバージョン
隣の食堂と隣接していて、食堂でもビールが飲めるパブ

ボスニアの民族は、3種類で構成されている。
ボスニア人(ボシュニャク人)、クロアチア人、セルビア人。
だから流通しているビールも多種で、バーで出てくるのは大抵ボスニアビールとクロアチアビール。

セルビアビールは、セルビア人が多く居住している、「スルプスカ共和国」という、ボスニア国内にある共和国で飲めるよう。

前文の写真からお分かりのように、サラエボではドイツビール、チェコビール、デンマークビールなど多種のビール飲むことができる。

ミリャッカ川沿いにあるバーでいただくクロアチアビール

「Ozujsko」(オジュイスコ)
ほどよい苦みもあって、ガッチリした飲みごたえ
川沿いのテラス席で、
サラエボ旧市街の景色を眺めながら飲むビールは最高

バーで「Beer!」と注文し、出てくるビールによって、
マスターがボスニア人なのかクロアチア人なのか、もしくはセルビア人なのか(どの人種が多く集うバーなのか)が判別できるのもサラエボのおもしろい特徴のひとつ。

創業70年の老舗バー
こちらで出てきたのもクロアチアの代表的ビール

「Karlovacko」(カルロヴァチコ)

サラエボでの気になるビール一本(500ml)のお値段は、
一般的なレストランでビールを注文すると、5~7KM(約430円~600円)
なのに対し、
激渋バーでは、2.5~3KM(約215円~250円)で飲むことができる!
サラエボではチップ文化もなければ、サービス料も取られない。

ヨーロッパでありながらも、とてもお得にお酒を楽しむことができる穴場の国!

昨日行った、こちらのバーは、ビール2杯飲んで5KM(約430円)。

笑顔で迎えてくれたマスター
渋い店内とおじさんたち
外国人だろうと自然に受け入れてくれる
こちらは、ビールはサラエボ
グラスはクロアチア
細かいことは気にしていないのかな..

ボスニアは世界遺産も観光名所と呼ばれるところも少ないけれど、ガイドブックにもGoogle mapにも載っていない、隠れたお店が発掘できる、味わい深い国。

気候もちょうどいい観光シーズン中でありながら、観光客で満席💦なんてこともなく、テラス席でのんびりビールが飲める最高に居心地が良い街、サラエボ。

日本では、洗練されたオーセンティックバーの落ち着いた店内で、一流のバーテンダーさんが作ってくれる綺麗なカクテルの色を眺め、味わい、そのすべてに酔いしれていた。

時は経ち、今はヨーロッパの片隅にある激渋なバーで、地元のおじさんたちと笑顔を交わしながら、ビールをいただいている。

人生は本当に旅だ。

だからこそ楽しくて旅はやめられない。
世界はどこまでもどこまでも広がっていると感じる瞬間だ。

心地よい異国の風、音、匂い、そのすべてに酔いしれながら、
私は今日もバーでビールを飲む。

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