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体温


スキンシップ大好きマンとしては、

彼の体温でさえ愛でることができる。


夏の暑い日に手を握ると少しヒヤッとして、

手汗でしっとりしている。

皮膚が汗という水分によって密着するのを感じられるのが嬉しい。

しかし、そのまま握っているとさすがに暑くて握ってられない。

そんな時は小指だけ握るか、腕を掴む。



冬の寒い日に手を握ると冷たくて、

私の体温が奪われていく。

そのまま温めるように両手で包む。

出来る限り隙間を無くし密着する。

乾燥している分、じんわりと体温が混ざるのが分かる。


彼の皮膚の感触や温度が、

私に馴染むことが幸せそのものなのである。


だから、言いにくいことを言うときは、

決して触れてはいけない。


すぐ絆されてしまう。


でも、言い終えたら、存分に触れ合う。


それで仲直り。


全てを包み込むのが愛ではないと私は思う。


その存在の愛おしさを知った上で、

私の存在を受け入れてもらうために努力するのが愛だと思うのである。


初めて手を握ったときから、

少しずつお互いがお互いを受け入れて、

今ではもう一部のように馴染んでいる。


実態の知れない体温でさえも、

彼の皮膚を通して実感する。


その親密さはとても甘くて、離れがたい。


今日も彼の体温に安堵し、

明日も彼の体温に焦がれる。


そんな日々をこれからも過ごしていける私は、

間違いなく世界一幸せ者である。






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