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【好きで口説いて!】パレスチナ料理研究家 azusaさん

好きを深堀りするインタビュー企画。

今回は、パレスチナの文化の認知度を広める活動をされている、azusaさん。 パレスチナの文化や歴史、旅を続ける中で気が付いたお料理と大陸の繋がりなど、様々な視点から、お話をお伺いしました。

現在の活動

旅を生業として生きているazusaさん。

 旅を続ける中で、パレスチナの魅力を知り、そんなパレスチナの歴史や文化を届けるために、パレスチナに関わるありとあらゆる活動をされています。 

 具体的には、お料理イベントや、音楽イベント、写真展などを行ったり、パレスチナのお酒であるアラックを作るなど、様々な視点からパレスチナの魅力を発信するなど。 

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 3月31日には、パレスチナに初めて行った際のことを記した旅行記『聖地パレスチナ 一人散歩』を出版されました。

パレスチナとの出会い

 中学生のときから、旅に興味があり、夢は旅をしながら写真を撮ることだったというazusaさん。

 大学で写真を勉強したあとは、一度IT系の企業に就職。 

 会社での仕事を続けながら、年に1~2回、あらゆる国へ旅をして写真を撮っていました。

 旅を何度か重ねる中で英語力がどんどんアップしていったazusaさん。

 そんなご自身の英語力を活かして、個人で翻訳のお仕事などを受け持つようになりました。

 もう少し旅と向き合うために、思い切って一度会社を退職。 

 そのタイミングでたまたまご縁があったスイスの会社から声がかかり、すぐに勤務地であるマルタへ引っ越し。 

 その後また旅を続けて、あるとき、ヨルダンの首都アンマンに行く機会ができたazusaさん。

 そこからバスでエルサレムに行けることを知り、たまたま訪れたのが、azusaさんのパレスチナとの初めての出会いだったそうです。

 そのとき見たエルサレムの光景に圧倒されたazusaさん。 そこで、自分はパレスチナに関わって生きていくことを決意したんだといいます。

 「海抜-300mの死海に、標高800mのエルサレム。はちみつ色した岩の砂漠にベドウィンの人たちが点在して、羊もいる。その光景に圧倒されました。そのとき、自分が関わりたいのはこれだ…!見つかった…!と心の底から感じました。」 今でも各国への旅が好きで続けているazusaさんですが、今ではパレスチナを最優先で訪れているそうです。

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何度も行きたいと思う理由

これまでエルサレムに何度も足を運んでいるazusaさん。

 その理由をお伺いすると、 「行けば行くほど、知らないことがあることを知るんです。」 と答えて下さったazusaさん。

 パレスチナといえば、ニュースで聞く事件や紛争の場所のイメージ。 しかし、azusaさん曰く、「もちろんそれもありますがそれだけの場所じゃない」といいます。 

 「マグネットシティと呼ばれていて、磁石のようになんでも引きつける町で、国際社会が抱える問題を表す世界の縮図とも言われているんです。」 

 そんな世界の縮図であるパレスチナは、行く度に、少しずつ変化をしているんだそう。 

 「占領下にある町なので、半年後に行っても、一見変わって無くても、確実に変わっていることがたくさんあるんです。例えば、観光だけでいくと見えにくいけど、土地にいる人が変わっていたりする。それはつまり、入植者が増えたからなんです。そういった変化を目で見て肌で感じるために、何度も足を運んでいます」

初めてパレスチナを訪れるなら

初めてパレスチナを訪れるにあたって、是非歴史を勉強してから訪れてほしいというazusaさん。 

 パレスチナには歴史的に有名な場所がたくさんあります。

 例えば、新約聖書に出てくる、イエスキリストの最期の舞台は、実はエルサレム。

 また、有名な賢者としてあらゆる比喩にも使われるソロモンが活躍した舞台でもあります。 

 「古い建物があります、だけじゃやっぱり面白みが半減すると思うんです。ここはイエスキリストが十字架を背負って歩いた道なんだ、というように、あの場所がまだここにあるんだと思うだけでもロマンがあるなと思います。」

パレスチナのおもてなし文化

繰り返し観光に行く中で、現地の人との交流も積極的に行っているというazusaさん。 

 訪れる度に、現地のとある家族にお世話になっていて、今では親戚の集まりにも参加するほどの仲になっているんだとか。

 家族を大切にする国柄のパレスチナで、家族同等に扱ってもらっているそうです。 

 また、現地の方々と交流する中で感じたのは、日本に負けないくらい「おもてなし」の文化が深いということ。 

 例えば、家にお呼ばれしたときには、驚くほどの量のお料理でおもてなししてくれるんだそうです。

 「最初にお邪魔したときに、ここの国では断らないっていうのが客人の礼儀だからよろしくね、と言われました。完食しちゃうと、出した量が少ないと思われてしまってどんどん出してくれるんです。残すくらいじゃないと満足してくれない。最初は少し驚きましたが、すごくあたたかい文化だなと思います」

お料理の話

パレスチナで現地のシェフと一緒に、パレスチナ食材を使って和食を作るイベントなどを行っているazusaさん。

 白米の代わりにパレスチナの穀物を使い、レモン汁とオリーブオイルで酢飯風に、そこに焼き野菜を使用しお寿司のようにしたり、その他にも、パレスチナにあるしそのような食材や、名産品であるタヒーニという練りごまのような食材を活かし、和食を再現した料理を作っているのだそうです。 

 その他にも、日本でパレスチナ料理のイベントもされています。 パレスチナ料理ってどんなものがあるんですか?とお伺いすると、 「パレスチナは地中海沿岸の国なので、イタリアンに近いです、というようにお答えすることが多いです。オスマン帝国がスペインまで支配していた時代があったので、トルコ料理っぽさもあります。

ただ、イタリアンに近いからといって、イタリアンの真似をしたかというとそうじゃない。あくまでも、それぞれが発展して形成されているんです。」

やはり、azusaさんがお料理でも注目しているのは、歴史の部分。 

 azusaさんは「お料理の共通点を紐解くと、大陸の繋がりや歴史が見つかるんです」と言います。

 「各国のお料理は“違い”だけじゃなく、“共通点”を探すことで、楽しみ方が変わると思います。例えば、福岡と韓国は近いので、明太子とキムチはお互いの影響を受けている。沖縄の料理がアメリカっぽいのは、占領地の時代があったからとか。お互いの繋がりを知ると、歴史が見えてきます」


今後の展望

現在は、エルサレムに関するショートフィルムやドキュメンタリーの制作を進められているazusaさん。 今後もパレスチナ全体に関わるショートフィルムやドキュメンタリーを撮っていく予定だそうです。 また、3月31日に旅行記『聖地パレスチナ 一人散歩』を出版。

日本国内で本を手売りしながら、日本食材を使ったパレスチナ料理のイベントを行いたいとお話してくれました。 

 そして最終的に目指すものとして、「世界平和」と答えてくれたazusaさん。

 世界の縮図と言われている、パレスチナが平和にならないと世界は平和にならない。

 そのためには、まずはパレスチナに興味を持ってくれる人を増やすことが必要だと考えられています。 

 「どう思うか、どう考えるか、の前に、まずは興味を持ってもらわないと意味がない。興味がないっていうことが一番残酷なことだと思うので。お料理や文化を通してまずは知ってもらいたいなと思います。」

最後に…

 パレスチナの文化や人柄、お国柄を知ってもらうことで、まずはパレスチナという国自体興味を持ってもらいたいという想いで活動されているazusaさん。 

 自ら何度も足を運び、土地や人に触れながら、イベントの実施、本の出版、動画の作成など、あらゆる分野で行動し続ける姿にすごく力をもらいました。 

 各国のお料理の“違い”ではなく、“共通点”から歴史を紐解くという視点もなるほど…! azusaさんの想いが少しでも多くの人に届くように応援していたいな、と思います。 3月31日に出版された旅行記も是非!

引き続きcocanにて、「好き」を取材してほしい方を募集しております!

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