【不登校】無気力・無反応なサトシ
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文科省の調査によると、不登校の要因として最も多いのが「無気力・不安」です。
学校の教室のなかには、自分の気持ちをうまく表現できずに、(もしくは表現したとしてもそれを受け止めてもらえずに)漠然とした不安を感じながら毎日を過ごしている子どもたちがいます。
そして、何かをきっかけにプツッと糸が切れてしまい、学校へ足が向かなくなる子も少なくありません。
このような子どもたちに、僕たち大人はどんなサポートができるのでしょうか。
那覇市内の小学校に通う5年生のサトシ(仮名)は不登校でした。
今日はそんなサトシが、今では毎日学校に通い、自分で新たな目標を設定するぐらい前向きに変化したお話をお届けします。
不登校のきっけは〇〇○
サトシは不登校といっても、毎日学校に行っていないのではなく
週に2〜3回は登校したり
登校したとしても
朝から行ったり遅刻して行ったりと
なんともよくわからない状態でした。
サトシのお母さんの話によると
サトシが学校を行き渋るようになったのはコロナがきっかけとのことでした。
サポショウとの出会い
サトシ、5年生の7月。
サトシのお母さんから公式LINEへお問い合わせがありました。
サトシ母「わが子が不登校です。やる気もなく毎日ダラケてばかりですが、そんな子でも受け入れ可能でしょうか?」
僕「もちろんです。まずは無料個別相談にいらしてください。」
サトシのお母さんはすぐにお仕事を調整してくださり、無料個別相談にいらしていました。
「うちの子、ホントやる気ないんです」
「もう何を考えてるかわっぱりわかりません」
「いろんなことを試したけど全然ダメなんです」
お母さんは、結構サトシのことを辛口でお話される方でした(笑)
強敵、サトシ
サトシとの出会いは鮮明に覚えています。
無料体験の初日、サトシと出会って僕は心の中でこう思いました。
話しかけてもウンともスンとも言わないサトシ。
とりあえず算数のプリントを渡すと、黙って解き始める。
僕「もしわからないことあったら教えるから聞いてね」
サトシ「・・・。」
サトシはコミュニケーション能力に大きな課題があるのか、それとも極度の緊張や人見知りなのか、何度も言いますが本当に僕はこう思いました。
1週間がたち、無料体験2回目。
正直、僕はサトシはもう来ないのではないかと少し心配していました。
でも、サトシは来ました。
お母さんに無理やり連れて来られた感はありましたが、ちゃんと来ました。
僕はここで、ある程度の確信をもちました。
2回目はとにかくサトシとのコミュニケーションを図りました。
こんな時はハッキリ言って勉強なんてどうでもいいです(笑)
サトシのわずかな反応を見ながら、心の扉が開くきっけを探し続けました。
テキトーなサトシ
サトシは本当にテキトーな少年でした(笑)
サポショウに行くことはイヤではないけど行きたいわけでもない。
そんな感じでした。
入塾しても
とにかく無気力・無反応なサトシ。
しかしサポートを続けていくとあることに気がつきました。
サトシは無気力・無反応というよりは
どちらかというと
すべてにおいてテキトーに取り組んでいました。
サポショウに来る時はほぼ毎回遅刻をするし
入室時に挨拶もしません。
勉強の課題を与えてもしっかり考えようとしません。
サトシには勉強よりも大事なサポートが必要だったのです。
心に火を灯す対話
勉強よりも大事なサポート。
それは対話です。
「どうせできない」という自信の無さを
すべてをテキトーにやり過ごすことで必死に隠していたサトシ。
そんなサトシにはとにかく対話を重ね
心の奥底の気持ちを引き出していくことが必要でした。
サトシの入塾から1ヶ月。無料体験も合わせると約2ヶ月。
僕はずっと対話の種をまいていました。
そしてある日、こんなことをサトシに聞いてみました。
僕「サトシ、変わりたい気持ち、ある?」
サトシ「・・・。」
僕「今のサトシは、毎回遅刻するし、挨拶もしない。勉強も最後まで頑張らない。これでいいの?それとも、そんな自分を変えたい気持ち少しでもある?」
サトシ「・・・。」
僕「これはサトシのことだからサトシ自身の本当の気持ちを教えて。サトシが変わりたくないならそのままでいいと思うし、少しでも変わりたい気持ちがあるなら俺は全力で応援する。本当にどっちでもいい。サトシが決めるんだ。」
サトシ「・・・変わりたい。」
僕「OK、まかせとけ」
サトシの心に火が灯った瞬間でした。
学校、行きます
「・・・変わりたいです。」
その日からサトシは明らかに変わりました。
まず遅刻が減りました。
遅刻しそうなときは自分から事前に連絡をするようになりました。
そして、
来室時はドアをノックして「こんにちは!」と言えるようになりました。
退室時には「さようなら!」とペコっと頭を下げながら言えるようになりました。
もちろん勉強への向き合い方も変わりました。
わからない問題を調べたり質問したりすることができるようになりました。
自分から新しい問題にチャレンジするようにもなりました。
そして一番変わったのは
僕のオヤジギャグにツッコミを入れるようになったことです(笑)
入塾から3ヶ月。
学校が秋休み期間中もサポショウで頑張って自分の課題に向き合ったサトシ。
僕はサトシにこんな提案をしてみました。
僕「サトシ、ちょっと話があるんだけど」
サトシ「またなんか変なこと言うの?(笑)」
僕「ちがうし!(笑)まじめな話だよ。サトシさ、秋休み明けから毎日学校行ってみたら?」
サトシ「え〜・・・。」
僕「今のサトシなら行ける気がするんだけど。新たな挑戦としてどうだい?チャレンジしてみて無理ならそれでいいじゃん。」
サトシ「行きます!」
僕「サトシ、本当に凄いよ。マジ変わったな。尊敬する。頑張れ!」
サトシ「(ニヤつきながら)うん!」
サトシ、辞めちゃった
サトシはサポショウを辞めました(笑)
なぜかって?
秋休み以降、毎日学校に通っているからです。
単純に、サポショウに来る時間がなくなりました(笑)
サトシがサポショウを卒業して1ヶ月ぐらいが過ぎたある日、サトシのお母さんからこんなLINEが来ました。
サポショウの役割はここで一旦終了です。
サトシは完全に次のステージへと歩み始めていました。
対話の重要性
ナナメの存在
サトシが変わったのは、間違いなくサトシのお母さんの関わりのおかげです。
たくさん悩み、葛藤しながらも、
少しでもサトシに自信をもってほしいと行動し続けたお母さんの思いが実を結んだのでした。
サポショウは一つのきっかけでしかありません。
ただ、子どたちにとって、その「きっかけ」を作ってあげることも僕たち大人の役割だと思っています。
今の子どもたちは
親ではない大人に1対1で向き合ってもらう時間ってどれぐらいあるでしょうか?
心の奥底の気持ちを表出できるぐらいの対話をしてくれる大人は周りにいるでしょうか?
親でもなく担任の先生でもない
ナナメの存在
そんな存在が一人いるだけで
子どもは本来の自分を表現することができます。
そして
新たな自分と出会うために
チャレンジする勇気と自信を手に入れます。
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