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文科省の調査によると、不登校の要因として最も多いのが「無気力・不安」です。

学校の教室のなかには、自分の気持ちをうまく表現できずに、(もしくは表現したとしてもそれを受け止めてもらえずに)漠然とした不安を感じながら毎日を過ごしている子どもたちがいます。

そして、何かをきっかけにプツッと糸が切れてしまい、学校へ足が向かなくなる子も少なくありません。

このような子どもたちに、僕たち大人はどんなサポートができるのでしょうか。

那覇市内の小学校に通う5年生のサトシ(仮名)は不登校でした。

今日はそんなサトシが、今では毎日学校に通い、自分で新たな目標を設定するぐらい前向きに変化したお話をお届けします。

最初で正直に書きますが、個人情報保護のため、内容は少し、イヤ、だいぶ変更しております。たぶん本人や親御さんが読んでギリギリ気づくかどうかのレベルです(笑)
しかし、サポショウの教育方針やサポート方法などはありのままにリアルに書いています。ぜひその部分を日頃の子育てや教育のお悩みに少しでも役立ててもらえると嬉しいです。

不登校のきっけは〇〇○

サトシは不登校といっても、毎日学校に行っていないのではなく

週に2〜3回は登校したり

登校したとしても

朝から行ったり遅刻して行ったりと

なんともよくわからない状態でした。

学校にはこのパターンの不登校の子も結構います。
そしてこれは親御さんがもっとも困ってしまうパターンのひとつです。
仮に「完全に登校しない」のであれば、それなりの対応を考えることができますが、「時々は登校するけど、時々は休む」が続いてしまうと、親御さんとしてはやはり「どうにか1日でも多く登校してほしい」と願ってしまいます。担任の先生も「学校に来たときはいつもどおり元気ですけどねぇ。。」と話すばかりで、原因がさっぱりわからず困り果ててしまうパターンです。

サトシのお母さんの話によると

サトシが学校を行き渋るようになったのはコロナがきっかけとのことでした。

もしコロナがなければ、サトシは不登校にならなかったのでしょうか?
ここで大事なことはコロナはあくまでも「きっかけ」にすぎないということです。
多くの親御さんは、急にわが子が学校へ行き渋るようになったとき、その直前に何か原因があったのではないかと考えてしまいがちです。
たしかに何か「きっかけ」はあったかもしれませんが、実は子どもなりにそれまでずっと言葉にできない不安や悩みが積もり積もっていたのかもしれません。そしてそれは、子ども本人もよくわかってないということもよくあることです。
本人も気づかないほどの心の奥底で、ずっと不安や悩みがモヤモヤとしていたのです。

サポショウとの出会い

サトシ、5年生の7月。

サトシのお母さんから公式LINEへお問い合わせがありました。

サトシ母「わが子が不登校です。やる気もなく毎日ダラケてばかりですが、そんな子でも受け入れ可能でしょうか?」

僕「もちろんです。まずは無料個別相談にいらしてください。」

やる気がない?毎日ダラケてばかり?

僕の得意分野です(笑)

サトシのお母さんはすぐにお仕事を調整してくださり、無料個別相談にいらしていました。

  • 「うちの子、ホントやる気ないんです」

  • 「もう何を考えてるかわっぱりわかりません」

  • 「いろんなことを試したけど全然ダメなんです」

お母さんは、結構サトシのことを辛口でお話される方でした(笑)

けど、その会話からすぐに伝わりました。
お母さんはサトシのために本当にたくさん悩み、たくさん考え、たくさん試し、たくさん葛藤していました。
辛口な表現の裏に隠された、サトシに少しでも自信をつけてあげたいという思いがしっかりと伝わってきました。

強敵、サトシ

サトシとの出会いは鮮明に覚えています。

無料体験の初日、サトシと出会って僕は心の中でこう思いました。

やばい、この子マジで強敵だ(笑)

話しかけてもウンともスンとも言わないサトシ。

いや、よくよく見るとウンとスンだけは言っている?(笑)

とりあえず算数のプリントを渡すと、黙って解き始める。

あ、勉強も苦手みたいだなぁ。

僕「もしわからないことあったら教えるから聞いてね」

サトシ「・・・。」

やっぱりウンともスンとも言ってねー!(笑)

サトシはコミュニケーション能力に大きな課題があるのか、それとも極度の緊張や人見知りなのか、何度も言いますが本当に僕はこう思いました。

やばい、この子マジで強敵だ(笑)

1週間がたち、無料体験2回目。

正直、僕はサトシはもう来ないのではないかと少し心配していました。

でも、サトシは来ました。

お母さんに無理やり連れて来られた感はありましたが、ちゃんと来ました。

僕はここで、ある程度の確信をもちました。

サトシ来た!よし、いける!サトシ変われる!

2回目はとにかくサトシとのコミュニケーションを図りました。

こんな時はハッキリ言って勉強なんてどうでもいいです(笑)

サトシのわずかな反応を見ながら、心の扉が開くきっけを探し続けました。

無気力・無反応なサトシでしたが、無料体験の2回目に来室したときの様子を見て、僕はサトシの心の奥底にまだ隠れている「変わりたい」という気持ちがハッキリと見えました。

ちなみに、サポショウはすべての子ども達に勇気と自信を育むことができるのでしょうか?
その答えは、NOです。僕は魔法使いではありません。
やっぱり人間には相性があります。合う合わないがあります。
無料相談や無料体験を通して、入塾を見送った親子も少なからずいらっしゃいます。
でもそれは当然のことです。
僕なんて「お子さんに勇気と自信を育みます!」「お子さんの心に火を灯します!」なんてことばかり言ってる昭和生まれの熱血ティーチャーです(笑)
そんな僕ですから、子どもはもちろん、親御さんですら合わない人には本当に合いません(笑)
でも、僕はそれでいいんです。
サポショウの教育方針に納得していただき、僕のサポートを望んでくださる親子には、とことん全力でサポートする。それだけです。

テキトーなサトシ

サトシは本当にテキトーな少年でした(笑)

サポショウに行くことはイヤではないけど行きたいわけでもない。

そんな感じでした。

入塾しても

とにかく無気力・無反応なサトシ。

しかしサポートを続けていくとあることに気がつきました。

サトシは無気力・無反応というよりは

どちらかというと

すべてにおいてテキトーに取り組んでいました。

サポショウに来る時はほぼ毎回遅刻をするし

入室時に挨拶もしません。

勉強の課題を与えてもしっかり考えようとしません。

サトシには勉強よりも大事なサポートが必要だったのです。

実は僕の渾身のオヤジギャグにはうっすらと笑うようになってきたサトシ。実はオセロが得意で、僕と対戦すると目の色を変えて本気のサトシ。
無料体験を終えたあたりから、僕はすでにサトシの変化を感じていました。
しかし相わからずのこのテキトーぶり。
これにはちゃんと原因がありました。
「どうせできない」という自信の無さから、サトシは自分を守るために必死だったのです。
つまり、サトシからの大事な大事なSOSのサインだったのです。

心に火を灯す対話

勉強よりも大事なサポート。

それは対話です。

「どうせできない」という自信の無さを

すべてをテキトーにやり過ごすことで必死に隠していたサトシ。

そんなサトシにはとにかく対話を重ね

心の奥底の気持ちを引き出していくことが必要でした。

対話を重ねるといっても、これは簡単なことではありません。
一方的に話しかけても、自分を守るために心にバリアを張っているサトシには逆効果です。
来室のタイミング、勉強中、休憩中、得意のオセロをしている最中、帰る間際など、サトシが一瞬でも心を開く瞬間を常に探して、そのタイミングで言葉をかけます。
それを続けることで、サトシとの心を距離感が徐々に縮まり、深い対話ができるようになります。

サトシの入塾から1ヶ月。無料体験も合わせると約2ヶ月。

僕はずっと対話の種をまいていました。

そしてある日、こんなことをサトシに聞いてみました。

僕「サトシ、変わりたい気持ち、ある?」

サトシ「・・・。」

僕「今のサトシは、毎回遅刻するし、挨拶もしない。勉強も最後まで頑張らない。これでいいの?それとも、そんな自分を変えたい気持ち少しでもある?」

サトシ「・・・。」

僕「これはサトシのことだからサトシ自身の本当の気持ちを教えて。サトシが変わりたくないならそのままでいいと思うし、少しでも変わりたい気持ちがあるなら俺は全力で応援する。本当にどっちでもいい。サトシが決めるんだ。」

サトシ「・・・変わりたい。」

僕「OK、まかせとけ」

サトシの心に火が灯った瞬間でした。

それ無理やり言わせてるやーん!と思いましたか?(笑)
たしかに多少の無理やり感はあるかもしれません。
でも大事なことはこれまでの過程です。
これまでサトシとのたくさんの対話を重ね、信頼関係を築いてきました。
サトシが本当は変わりたいのか・変わりたくないのかは、聞くまでもなく僕がサトシの様子を見る中で確信していました。
サトシは変わりたかった。
だけど全てにおいて自信がないからテキトーにすることでずっとごまかし続けてきたんです。
そんなサトシにあえて自分の言葉で「変わりたい」が言える機会をつくってあげたのです。
一方的に無理やり言わせても何も変わりません。
信頼と対話のなかで
自分の心の奥底の声を表出するからこそ、子どもは本当に変わるのです。

学校、行きます

「・・・変わりたいです。」

その日からサトシは明らかに変わりました。

まず遅刻が減りました。

遅刻しそうなときは自分から事前に連絡をするようになりました。

そして、

来室時はドアをノックして「こんにちは!」と言えるようになりました。

退室時には「さようなら!」とペコっと頭を下げながら言えるようになりました。

個人的にはもうこれができれば合格です(笑)
時間を守れる。挨拶ができる。
人が社会で自立していくなかで最も大切なことです。

もちろん勉強への向き合い方も変わりました。

わからない問題を調べたり質問したりすることができるようになりました。

自分から新しい問題にチャレンジするようにもなりました。

そして一番変わったのは

僕のオヤジギャグにツッコミを入れるようになったことです(笑)

サトシは無気力でも無反応でもありませんでした。
素直で頑張り屋でギャグセンスもある笑顔の素敵な5年生でした。
自信を取り戻した子どもたちは、本来の良さを一気に見せてくれます。
親御さんが一番よく知っている「わが子の本当の良さ」です。

入塾から3ヶ月。

学校が秋休み期間中もサポショウで頑張って自分の課題に向き合ったサトシ。

僕はサトシにこんな提案をしてみました。

僕「サトシ、ちょっと話があるんだけど」

サトシ「またなんか変なこと言うの?(笑)」

こんな生意気なこと言うんです(笑)
最初の頃とは驚くほどの変化です。

僕「ちがうし!(笑)まじめな話だよ。サトシさ、秋休み明けから毎日学校行ってみたら?」

サトシ「え〜・・・。」

素直なやつです(笑)

僕「今のサトシなら行ける気がするんだけど。新たな挑戦としてどうだい?チャレンジしてみて無理ならそれでいいじゃん。」

サトシ「行きます!」

僕「サトシ、本当に凄いよ。マジ変わったな。尊敬する。頑張れ!」

サトシ「(ニヤつきながら)うん!」

サポショウでは不登校の子ども達に必ずしも学校へ行かせることを推奨していません。
あくまでも一人ひとりの課題を見ながら、その子の勇気と自信に繋がる選択を提案します。
サトシが学校へ行けなくなったのは自信の無さが要因でした。
しかし、今のサトシは違います。
「できった」「わかった」「変わった」をたくさん積み重ねてきたおかげで、少しずつ自信を取り戻しています。
そして、もし新たな挑戦に失敗しても戻る場所があるという安心感も、サトシの挑戦の強い後押しになったのでした。

サトシ、辞めちゃった

サトシはサポショウを辞めました(笑)

なぜかって?

秋休み以降、毎日学校に通っているからです。

単純に、サポショウに来る時間がなくなりました(笑)

もちろんそれは想定済みです。
サトシのお母さんとも話していました。
サトシに学校行くように声をかけてみること。
もしそれがうまくいけば、そのままサポショウは卒業になること。
もちろんその後、何かあればいつでも戻ってきていいこと。
サトシのお母さんとは常に連絡を取り続けていました。

サトシがサポショウを卒業して1ヶ月ぐらいが過ぎたある日、サトシのお母さんからこんなLINEが来ました。

先生、サトシは毎日学校に通っています。
時々「今日だけは休む」とナゾの宣言をすることもありますが、その翌日からまた元気よく学校に通っています。
勉強もまだまだ遅れていますが、宿題をその日で終わらせると自分で目標を立てていて驚きです。
さらに、何を血迷ったのか「家のお手伝いも頑張る!」なんて言ってます。
どうなるかわかりませんが。
いつもサトシのことを気にかけてくれて本当にありがとうございます。

サトシのお母さんからのLINE。(内容は一部変更しております)

「血迷った」って(笑)相変わらず辛口のサトシママ(笑)

サポショウの役割はここで一旦終了です。

サトシは完全に次のステージへと歩み始めていました。

自分の課題と向き合いそれを解決する過程を経験した子は、その喜びを実感し自信をつけます。
サトシは自分自身で目標を定めるようになっていたのでした。
「お手伝いを頑張る!」と言ったのも、血迷ったわけではありません。
サトシが心の奥底でずっと「やりたい」と思っていた気持ちを表出できるようになっていたのでした。
本来の母親思いのサトシの姿を取り戻しただけなのでした。

対話の重要性

ナナメの存在

サトシが変わったのは、間違いなくサトシのお母さんの関わりのおかげです。

たくさん悩み、葛藤しながらも、

少しでもサトシに自信をもってほしいと行動し続けたお母さんの思いが実を結んだのでした。

サポショウは一つのきっかけでしかありません。

ただ、子どたちにとって、その「きっかけ」を作ってあげることも僕たち大人の役割だと思っています。

今の子どもたちは

親ではない大人に1対1で向き合ってもらう時間ってどれぐらいあるでしょうか?

心の奥底の気持ちを表出できるぐらいの対話をしてくれる大人は周りにいるでしょうか?

親でもなく担任の先生でもない

ナナメの存在

そんな存在が一人いるだけで

子どもは本来の自分を表現することができます。

そして

新たな自分と出会うために

チャレンジする勇気と自信を手に入れます。

実は最近、偶然にもサトシとばったり会ったのですが、めっちゃ身長も伸びてお兄ちゃんになっていました。久しぶりなので照れてモゾモゾしていましたが、素敵な笑顔でしっかり目を見てくれました。無気力・無反応なサトシはそこにはもういませんでした。

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