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今すぐ無料でRPA(パソコン自動操作)をしてみたい方へオススメのツール

 明日からの仕事をもっともっと楽しくしたい、DX推進リーダーの赤松です。

 今回は無料で使えるパソコン自動操作ツール2選ということで、【Power Automate Desktop】【マクロマン】の2つを紹介していきます。

  • パソコン業務を効率化したいけど、ITに強い人材がいない

  • 今使っているRPAのコストが高くて、費用対効果がイマイチ

  • RPAを使ってみたいけど、いきなり有料で契約するのは不安!

    そんなお悩みを解決いただけるかもしれません。

そんなあなたにRPAをおススメ

 無料のツールって大丈夫なの? と思うかもしれませんが、どちらも実用性の高い製品です。本記事を通じて、「チャレンジしてみよう!」「こっちのツールも使ってみよう!」と思っていただければ幸いです。


RPAとは?

    そもそもRPAとは、『ロボティック・プロセス・オートメーション』の略語です。意味は次のようなものです。

  • ロボティック       :ロボットで

  • プロセス               :業務の一連の流れを

  • オートメーション:自動化する

    ざっくり言うと、あなたの代わりにペッ○ーくんがデスクに座り、パソコンをカチャカチャ操作するイメージです。
    もちろん、実際には○ッパーくんはやってきません。ソフトウェアをパソコンにインストールし、その中で設定を行います。

ペッ〇ーくん的な何か

マクロとの違い

    パソコンの自動操作と聞くと、Excelのマクロを思い浮かべる方もいらっしゃると思います。Excel内のボタンを押すと、一瞬で編集が進んだりしますね。このように、マクロは1つのアプリケーション内で使うのが一般的です。

    RPAは、マクロの自動操作が、パソコン全体に広がったものと思ってください。Excelだけでなく、その前後の操作も対象になります。
    例えば…

  • WebからExcelファイルをダウンロード→編集→指定のフォルダに保存

  • 商品情報の一覧が入っているExcelを開く→Googleフォームに転記・登録

    など、一連の流れ(プロセス)を自動化することができます。

    また、マクロのようにプログラミングのコードを使わないのも特徴です。
 マクロが複雑化したり、すでにあるマクロを調整したりすると、VBAというプログラミング言語が必要になります。決して簡単ではないですね。 
 一方RPAは、事前に用意されたコマンドを組み合わせることで、ロボットに指示を出せます。例えば、「Excelを開く」「Webブラウザを起動する」「○○というURLにアクセスする」といった感じです。
    そのため、IT担当でない方でも、パソコン操作を自動化できます。

左がマクロ(VBA)、右がRPAのイメージです

   そのほか、RPAに関する詳しい解説は、以下の記事を参考にしてください。


無料で使えるRPAの基本情報

    では、本編であるツール紹介に移りましょう。
 下記の8表は、Power Automate Desktopとマクロマンの基本情報をまとめた表です。

ツール本体は無料で使えますが、サポートは有料です

 ツールはデスクトップ型であるため、1つのパソコンに1つのソフトウェアをインストールし、そのパソコンを自動操作することになります。

    なお、Power Automate Desktopは、有料版にアップグレードができます。ただし、アカウントが個人なのか組織なのか、OSがHomeEditionなのかProなのかなど、諸条件によってデータを引き継げないことがあります。ややこしい部分なので、本記事では省略しますが、導入される際はご注意ください。
    参考として、下記サイトでわかりやすく解説されています。


無料で使えるRPAの機能比較

    次に、各ツールの機能を比較してみましょう。こちらも大きな違いはありません。

ブラウザ・Officeソフト・その他ツール操作は共通です(設定方法などには違いあり)

    機能面の違いとしては、次の2点がポイントとなります。

  • 実行ログの確認方法が異なる

  • スケジュール実行機能の有無

    これらについては、以降の各ツール詳細の中でお伝えします。


Power Automate Desktopのおすすめポイント

 Power Automate Desktopは、Microsoft社が提供しています。Office製品(Excelなど)と同じ企業ですね。見たことある、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

    おすすめポイントは、次の2つです。

  1. アップグレードでいろんな機能が使える!

  2. テンプレートやWeb記事で、使い方を学習できる!

1.アップグレードでいろんな機能が使える!

 組織アカウントの場合、Power Automate Desktopは有料版にアップグレードが可能です。

 無料版のPower Automate Desktopで操作可能なOffice製品は、Excel・Word・Outlookに限られています。これをクラウド版にアップグレードすると、Teamsなど他のアプリも操作可能になります。

   そのため、Office製品が社内システムの中心にある企業では、RPAの最有力候補として検討いただけるでしょう。

2.テンプレートやWeb記事で、使い方を学習できる!

 Power Automate Desktopは、世界中で使われているRPAツールです。
    利用実績が多いので、Web検索でいろんな導入事例を調べられます。
    これからRPAを導入したいという方にとっては、事例でイメージをつかめるので、ありがたいですね。

 また、使い方について解説しているWebサイトもあります。
    情報量が多く、頼れる先がたくさんあるので、安心して使い始められるでしょう。


Power Automate Desktopの気を付けておきたいポイント

 Power Automate Desktopの注意ポイントは、下記の2点です。

  1. 実行ログの確認が難しい

  2. 自動実行機能がない

1.実行ログの確認が難しい

 RPAでは「実行ログ」が重要な役割を持ちます。
 実行ログとは、ロボットの動作記録です。主に次のような内容が記録されています。 

  • ロボットの動作開始時間、終了時間

  • 動作内容(Excelを起動、など)

  • エラーの有無、エラーの詳細

    ロボットは、何らかの要因でエラーを起こし、停止することがあります。例えばロボットの開発中は、設定ミスが起こりがちです。そんな時に実行ログでエラー原因を確認すると、ロボット開発がスムーズに進められます。

    また、ロボットが完成した後も、実行ログは頻繁に確認します。というのも、実行ログがあると、エラーが発生したかどうか、離席していてもわかります。

    実行ログが見れないと、ロボットが完了するまでじーっと画面を見ておく必要があります。せっかく業務を自動化したのに、これでは時間がもったいないですね。

席に戻ってきたらロボット終わってた。成功したのかエラーなのか、ぱっと見わからない…

  さて、Power Automate Desktopの実行ログですが、アプリケーション内では確認ができません。隠しフォルダ内に入っており、ファイル名も難解なため、まず探し出すのが大変です。
 下の図は、Power Automate Desktopのログが保管されているフォルダと、アクションログの例です。

フォルダ名は実行時に割り当てられる実行IDらしく、目的のロボットがどれかわからない
アクションログの例。うわぁ…ってなりますね。

    このようなログを毎回探していては、業務効率化した意味がなくなってしまいます。
    例えばロボットの動作に、正常終了したかどうかを判定できるもの(メッセージの表示など)を入れるなど、何らかの対策が必要でしょう。

2.自動実行機能がない

 無料版のPower Automate Desktopでは、無人でロボットを動かす機能=スケジュール実行機能がありません。
   ロボットを動かしたい時は、手動で実行ボタンを押す必要があります。

ロボットの一覧画面から、三角形の再生ボタンを押すとロボットが動き出します

  そのため、次のような動作を考えたい場合は、アップグレードや他製品の検討が必要です。

  • ロボットを使って、1時間おきにメールチェックをしたい

  • 休日や夜間の間に、ロボットでパソコン作業を進めたい

わざわざロボットの実行ボタンだけ押しに、会社に行きたくないよね~

    なお、Powershellとタスクスケジューラを使って、自動実行を行っている方もいらっしゃるようです。Powershellの部分がややハードル高く感じますが、「やったるぞ!」という方はお調べになってください。


マクロマンの基本情報

  マクロマンは、株式会社コクー(日本)が提供する国産RPAです。日本国内の企業・自治体・個人など、多くのダウンロード実績があります。

    内容については、Power Automate Desktop同様のオーソドックスな機能を備えています。そのため、基本的なパソコン業務の自動化に対応可能です。
    また、プログラミングスキルがなくても、パソコン操作を自動化することができるような、使いやすい設計になっています。

マクロマンの起動画面(Ver4.6.8.5)

マクロマンのおすすめポイント

     マクロマン特有のおすすめポイントとしては、次の2点です。

  1. ツール本体は無料で、制限なく利用可能!

  2. 国産ツールで使いやすく、提供企業とのやり取りも可能

1.ツール本体は無料で、制限なく利用可能!

    マクロマンの最大の特徴は、ツール本体が無料のまま、様々な制限を受けずに使えることです。

  • ツール本体は申込フォーム入力後、すぐに使える

  • 1企業で複数のパソコンにインストールしてOK(台数制限なし

  • ツール内の機能はすべて利用可能(機能制限なし

  • これらがいつまでも利用可能(期間制限なし

なしなしです

    使える機能の中に「実行ログの記録」「スケジュール実行」の2つが含まれているのも、嬉しいポイントです。Power Automate Desktopでは難しい2つの機能が、簡単に利用可能です。

マクロマンの画面から、ログを保管しているフォルダを呼び出し可能です
マクロマン実行ログのテキストファイル。比較的読み取りやすく表示されます。

2.国産ツールで使いやすく、提供企業とのやり取りも可能

    マクロマンは日本国内で唯一の、無料で利用可能な国産RPAです(2024年6月現在)。
    国産ツールであるため、提供企業と連絡が取れることも大きなポイントです。私が実体験したメリットとして、次の点があります。

  • 不具合を報告したところ、次のアップデートで修正更新された

  • アンケートでユーザーの要望を聞いてくれる(常時開催ではない)

    このような点から、製品が今後さらに使いやすくなると期待されます。


マクロマンの気を付けておきたいポイント

    マクロマンの注意すべき点は、次のようになります。

サポートが有償なので、公式HP以外のコンテンツが少ない

    マクロマンは、ツールの利用が完全無料となっています。その代わり、サポートを有料で行っています。
    そのため、一般ユーザーや他の企業が、勝手に使い方を解説したり、動画を公開したりということは、原則できません。
 ※私は公式パートナーとして許可をいただいています。

    また、Power Automate Desktopに比べるとユーザー数が少ないため、自然とWeb上のコンテンツは少なくなります。

    このような事情から、導入事例や使い方を見つけるのは、やや難しいといえるでしょう。

    とはいえ、サポート契約が必須だったり、サポート料金が高額だということはありません。
    また公式HPには、無料のサポートコンテンツもたくさん公開されています。主な内容として、次のようなものがあります。

  1. 練習事例集:テーマに沿ったサンプルロボットの作成手順を説明しています。ロボット作成の基礎を習得可能です。

  2. サンプルスクリプト:作成済ロボットのファイルをダウンロードできます。各機能の参考になります。

  3. ユーザーコミュニティ:他のマクロマンユーザーに質問し、回答を得ることができます。ただし、必ず正しい回答が来るとは限りません。

    操作習得に時間をさけるのであれば、これらのコンテンツを基に、自力でトライアンドエラーを繰り返してもよいでしょう。

    また、Power Automate Desktopの操作説明や実例を参考にして、マクロマンに応用することも可能です。似ている部分はたくさんあるので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

2つのツール、どちらがおすすめ?

    Power Automate Desktopとマクロマン、どちらか一方が優れているということはないでしょう。紹介した通り一長一短がありますし、今後のアップデートも期待されます。
    あえて選ぶのであれば、私からはマクロマンをおすすめします!

Office製品との相性を重視?

    Power Automate Desktopのおすすめポイントは、組織アカウントのアップグレードによる機能拡張です。事業規模や事業内容によっては、無料版の機能では不足があるかもしれません。
    将来の選択肢があるという点では、Power Automate Desktopがおすすめできます。

アップグレードだー!

まずRPAを始めてみたい!という場合はマクロマンがおすすめ

    特にこだわりなく、コストを重視する場合については、マクロマンがおススメです。
    「スケジュール実行」と「実行ログの記録が見やすい」という2点は、RPAを運用していくうえで欠かせない機能です。これらを含めて無料で使えるというのは、大きなユーザーメリットです。

マクロマンがかわいいのも、大きなユーザーメリットです。

使いやすいツールで、楽しくRPAを続けてください

    今回は、無料で使えるRPAをご紹介しました。いかがでしたでしょうか?

    RPAでパソコン業務を自動化していくと、新しくロボットを作るだけでなく、作成済のロボットをメンテナンスしたり、エラー対応をしたりと、いろんなことに時間を取られます。

    それだけに、自分にとって使いやすいツールを選ぶことが重要です。今回は無料で使えることにフォーカスしましたが、このほかにも様々なRPAツールがあります。
    最終的には、使いやすい製品を見つけてほしいと思います。

    そして何より、RPAを楽しんで使い、業務が自動化できた時の快感!嬉しい!そんな気持ちを味わっていただければ、幸いです。
    それでは皆様、よいRPAライフを!

マクロマンの運用支援を行っています

 私が所属するニューコ・ワン株式会社では、マクロマン公式パートナー企業として、同製品のサポートサービスを提供しております。

  • RPAを扱う人材がいないので、業務自動化を外注したい

  • 自分たちでRPAを使いたいので、使い方を教えてほしい

 このようなご要望にお応えするほか、詳細なオンラインマニュアルや、便利なロボット管理ツールも提供しています。

 RPAやマクロマンについてもっと知りたい方・使っている様子を見てみたい方には、無料相談も実施しております。各種サービスやお問い合わせについては、下記の特設サイトよりご連絡ください。

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