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映画鑑賞 #君たちはどう生きるか

あらすじ

主人公の眞人は戦争によって母を亡くしてしまった。母を亡くしてしまった悲しさを断ち切ることができないまま、父の再婚相手のいるところに引越すことになる。その引っ越し先で、出会う不思議な鳥や建物がきっかけとなり眞人の冒険が始まっていく。

ドキュメンタリーを見て

この映画を見る前に、プロフェッショナルの「ジブリと宮﨑駿の2399日」を見た。

宮﨑駿が「君たちはどう生きるか」をどのような思いで描いたのかを取り上げていた。

ドキュメンタリーを見て、宮﨑駿はとても不器用な人間だと感じた。一見、人に対してものすごく厳しく、時に冷たく恐い。しかし、本当はものすごく温かい人である。宮崎作品の中にででくるキャラクターは、宮崎自身がこれまでに出会ってきた人たちだ。人を深く愛しているからこそ、細かく人間の心情を捉えることができ、人の心を動かす作品を届けることができる。

「君たちはどう生きるか」ではプロデューサーの鈴木敏夫をサギ男として描いたり、大伯父として高畑勲を描いたりしていた。

キャラクターからは生命を感じ、フィクションで壮大なスケールのジブリ作品にリアリティと共感を生み出していた。

印象に残ったシーン

大伯父が眞人に幻の世界の命運を託すシーンがある。しかし、眞人はそれを断り現実の世界で生きると言う。大伯父は現実の世界は厳しく困難なことが起きるぞと言うが、眞人はそれでも構わないと強い意志を見せる。どんな困難や壁が来ても大丈夫なように、サギ男やヒミのような友達を作って乗り越えていくと言うのだ。

宮﨑駿(眞人)が高畑勲(大伯父)に別れとこれからの意思を表明しているように捉えることもできるシーンだった。高畑勲がいなくなる寂しさはあるが、鈴木敏夫や他の仲間と乗り越えていくと言っているように感じた。

おわりに

映画の評価として何が伝えたいのか難しいという意見が多かった。

私は、映画を見る前にドキュメンタリーを見たからこそ宮﨑駿が高畑勲への別れを描いた作品だとわかることができた。

ドキュメンタリーが放送されるまで多くの人が気づけなかったメッセージだったため、宮﨑駿は本当に言葉足らずで不器用な人間なんだと感じた。


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