けんざいのおと #5-1 包んでくれる空間づくり。
職業柄、各地のホテルを巡って、そのホテルに使われている建材をじっくり眺めることが趣味になっています(すみません、建材オタクなもので。。笑)
最近私が訪れたホテルの中で、最高だと思っているのが、尾道にある「LOG」さんです。
スタジオ・ムンバイがインド国外で初めて手掛けた建物ということで、とても期待して訪れたのですが、、、期待を上回る、本当に、本当に、居心地の良い空間でした。
LOGを訪れたのは、去年のちょうど今頃の時期。ようやく興奮から覚めてきた今(興奮しすぎですね。。笑)、冷静にどこがそこまで心地良い空間だったのか、改めて考えてみました。こちらのホテルはたくさんの旅サイトやブログでも紹介されているので、このnoteでは建材屋の目線でご紹介させてください。
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LOGは、元々アパートメントとして長年この地に根差してきた建物を、リノベーションしたホテルです。
外観としては、優しさの感じられるくすんだピンクの壁面が特徴的で、既にその外観から、ゆったりくつろげるイメージを刷り込まれていたのかもしれません。
その外観の色味に合わせるように、網戸が銅製になっています。この網戸、光が当たると、ほのかにピンクっぽく見えます(トップ画がその網戸)。銅製網戸は、インターネットで調べてみるとちらほらとは出てくるものの、かなり珍しいですよね。
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客室に入ると床壁天井が、和紙で貼りくるまれていて、ビジョイ・ジェインが目指したイメージ通り、繭に包まれたような感覚を抱きました。和紙はしっかり撥水加工されているそうで、ある程度の汚れには対応し、長年使われていくと使用感が味になっていきます。和紙を張る作業には、施工の方と共にホテルスタッフさんも加わっていた(これぞスタジオ・ムンバイですね)ので、破れてしまったとしてもある程度補修できるから大丈夫!と笑っていらっしゃいました。
ドア枠や窓枠も、和紙の柔らかな白に近づけるように、ソープフィニッシュしたような優しい仕上がりの木材が使われていました。
浴室に使われているモザイクタイルはマットな白で、最初このタイルさえも紙でできているのか?と思ったくらい、ふんわりした見た目をしています。
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コンセプトに忠実で、「まちのオアシス」を目指して、建材の細微な仕上げにもとことんこだわっているなぁと、惚れ惚れする設えでした。
建材の仕上げにこだわるなんて、当然でしょ?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、プロジェクトによっては、予算の関係でイメージにぴったり合うものを入れられないということが多々あります。
ここまで一体感のある建材たちを取り入れられたのは、スタジオ・ムンバイがこの場所を本当に意味のあるところにしようとする、周囲を引き込む力の強さがあったからではないか、と私は感じました。
こういうプロジェクトの一端でも関わりたい、いや、こういうプロジェクトを作り上げるところから関わりたい!と強く願っている建材屋なのでした。
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LOGのお話はどんどん長くなってしまいそうなので、今回はここまで。
共用部の設えについては次回、お届けします!
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