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生きる意志。未来の唄。シン・ニホン。


真鍋徹也です。

日本文化のお話をしたり、和太鼓を打ったり教えたりしています。

シン・ニホンという本に感動したので、一人の文化人の小さな一息が何になるかはわからないですが、徒然なるままに書き残してみようと思います。


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新型コロナウイルスが日本にやってくる前から、激動の時代だったと思う。

VUCAの時代、人類の進化の時、人間の解放……など、時代の激しさを感じさせるキーワードはたくさん飛び交っていた。
だけど、一部の気づいてる人しか具体的な行動を起こせていないように思えて、少しもどかしかったのを覚えている。

「何でだろう?」
「仕方のないことなのかな?」
「気づいてる人とそうでない人で、二分化していくことが本当に正解なのかな?」

そんなことを疑問に感じながらも前に進み続けていたとき、シン・ニホンという本に出逢った。お尻が飛び上がるような衝撃だった。

シン・ニホン。
これまで僕が読んできた本と大きく違うのは、そこに答えが書いてあるワケではないということ。

日本人がどの方向を向いて生きていくことが、これからの時代のカギを握るのか。
"日本再生"と"未来をつくる人材"について、必要になるスキルと目の前にある可能性、現状と課題、根拠と希望。そんな内容が、膨大な情報とデータを元に著者・安宅和人さんの言葉でわかりやすく書いてあるのが印象的だった。

答えではないというのは、少し説明不足かもしれない。
書かれていることと、それを受けて実際にムーブメントになって初めて成果になると僕は思う。ちゃんと一人一人が実行できる運動論がここには書いてある。「答えのない未来に懸けていくこと」、「みんなが未来に向けて動き出すこと」が今出せる答えだと思う。

「文句は言っていい。でも言ったヤツはやらなくてはいけない。」「仕事=力×距離」この本の中にある、そんな言葉がそのまま活きてる。

一人一人にできることがあるということは、逆に誰もが他人事ではないということ。
何回も何回も読み返して、ポストイットや赤線がその度に増えていく。
僕は別にこの本を創った人ではないけど、この分厚くカッコイイデザインの本(ジャケットも好き)は、いつの間にか自分の本だと思ってしまうくらい自分事になっている。
それでも僕の中でぬぐい切れないのは、こういった世界がもう始まっているということに目を瞑ったり出会う機会がなかったりで、やはり届かない人もいるのは当然だと思ってしまうということ。

不安なことが多い世の中だと、ついつい正解を手に入れたくなったり、誰かが未来を教えてくれるのを待ちたくなる。守るべきものを人質にとられているような、そんな社会構造に問題がある。
勇気を出して一歩を踏み出すことが必要なんだって、たくさんの人が分かってる。でも、「人が本来持っているはずの価値の循環」を遮る基本的な社会構造が、その気づきの一歩のジャマをしてる。"素敵な世界がもう始まってる"という本当に必要な情報が届かない原因は、これだと思う。
不安は自分にもあるし、とても人間らしく大切なコトの一部だとも思う。それ自体を否定したいワケではない。でも、この本に書いてあるのは『未来の正解』はないということ。未来は自分たちでつくっていくものだということ。

予測不可能な時代に、どの方向に向かって行けば次の時代に胸が張れるか。長いスパンでの運動論。泣いたり笑ったり、これからも人が人として魅力的に生きていくためのルール。14世紀~16世紀にはルネサンスという人間力の解放が起きたが、シン・ニホンを読み進めると、ルネサンスがもう一度本当に来るのかもしれないとも思う。

これまでのルールは通用しなくなる。

ブルーハーツの甲本ヒロトさんが、
『見てきた物や聞いた事 いままで覚えた全部 でたらめだったら面白い そんな気持ちわかるでしょう』と唄っていたのを思い出す。
(THE BLUE HEARTS  ‟情熱の薔薇” 1990年)

とんでもない時代だけど、サバイバルしながら楽しむことが必要なんだなと気づかされる。賢く、ワイルドに。

僕は誰もが感じることのできる具体的な運動論としてシン・ニホンを読んだけど、どんな形あっても、すべて理解しなくても、ここに書いてある想いが人から人へ「未来への気づき」として広まったらいいなと思う。


日本人は制約に強い。
「SDGsは現代の五・七・五」と、安宅和人さんと落合陽一さんが対談の中で言ってたけど、今時点でのこの国にとってはシン・ニホンが現代の五・七・五なのかもしれない。

そしてきっと、シン・ニホン自体も時代とともに進化していく。
こんなに一冊の本で心を突き動かされたのは久しぶりです。
一つの芸術作品のように心が動き、感動を超えて、感銘する。
人の心が突き動かされたモノこそが、常に形を変え続けて、まだ誰も想像していない進化をして、後世に残っていくと信じてます。

産まれてきて、一所懸命に生きてきて、大変なことも嬉しいこともたくさんあって、大人になって。
親や先生やたくさんの上の世代の人たちが今を渡してくれたように、次の世代の子どもたちにさらに素敵な世の中を渡すことが、自分のやりたいことです。

確かに、目上の人からのプレッシャーは強いです。「そうじゃないんだよなコノヤロー」と言い返してしまう若い世代も多いと思う。でも、それだけでお互いを理解するのを諦めてしまうことはとてももったいないです。

僕は舞台に例えるけど、足がすくむくらい、逃げ出したくなるくらい緊張するコトが良くあります。
そして、その緊張を乗り越えてありのままの自分で舞台に臨む覚悟ができたとき、余計なことを望まないで、まるであきらめに近いような感情なった、その一瞬。

「この舞台に立てて幸せ」
「ここまで育ててくれた人への感謝の気持ち」
 
普段忙しさにかまけて忘れていた、そんな感情が一気に湧きあがります。

大人も子どもも、一人一人違う舞台があっていいと思う。
色んな世代がたくさん想いを話し合って、たくさん一緒に泣いたり笑ったりできれば、きっと大きな力があちこち生まれると信じてます。
ほんの少しの勇気があれば、ジャマおじも、ナマイキなクソガキもいなくなる。

僕はエラくもないし、立派でもないです。
でも「僕らはみんなで生きている」というDNAが、この国にいる人の中にちゃんと眠っていることは知っています。

『日本サイコー!』とみんなが大きな声で言える社会を、子どもたちに渡したい。
シン・ニホンという本が、たくさんの人の望む明るい未来へのきっかけになったら、僕も嬉しいです。

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ずっと胸にしまってきた感情、シン・ニホンの感動を詩にしました。


詩集  シン・ニホン感想


詩集  未来の唄


詩集  『ムネに手を当てて』


詩集  大きくって大きなカラ


詩集  無題


詩集  巴





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