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インド人訪日観光客の特徴と消費動向:観光庁2023年年次報告書から見る最新データ

日本政府観光局(JNTO)より2024年6月の訪⽇外客数推計値が発表されました。

それによりますと6 月の訪日外客数は、単月として過去最高の3,135,600 人となり、前年同月比で51.2%増、2019 年同月比では 8.9%増となりました。上半期の累計は17,777,200 人と過去最高を記録した 2019 年同期を 100 万人以上上回りました。

インドからの訪日客数は19,900人(2019年同月比40.1%増)で、6 月として過去最高を記録しました。また、2024年上半期のインド人訪日客数は121,900人で、前年同期比で53.5%増となりました。

経済成長著しく、インフラ、IT、宇宙産業、コンテンツ産業などあらゆる分野で注目を集める国、インドから日本を訪れる訪日インド人の特徴を観光庁「訪日外国人の消費動向 2023年 年次報告書」より抜粋してご紹介します。


訪日インド人のプロフィール

  • 訪日インド人の約8割が男性で、年代別では40代までが8割を超えます。

  • 全国籍・地域の訪日外国人の性別構成比が「男性」53.4%、「女性」46.6%であるのに対し、インド人訪日客は「男性」77.7%と、女性の約3.5倍となっています。

  • また、インド人訪日客の年代別構成は「30代」と「40代」が5割以上を占め、他の国籍・地域と比較しても30代・40代の割合が高いです。

Source: 観光庁、訪日外国人の消費動向、2023 年 年次報告書
Source: 観光庁、訪日外国人の消費動向、2023 年 年次報告書

日本への来訪目的

  • インド人訪日客の主な来訪目的は、「業務(展示会・見本市/国際会議/企業ミーティング/研修/その他ビジネス)」が51.8%と半数以上を占めています。

  • 一方、全国籍・地域の訪日外国人は「観光・レジャー」が79.2%と大多数を占めているのに対し、インド人の「観光・レジャー」目的は27%にとどまります。

Source: 観光庁、訪日外国人の消費動向、2023 年 年次報告書

観光・レジャー目的の詳細

  • 観光・レジャー目的で訪れたインド人の平均滞在日数は9.9泊と、全国籍・地域の6.9泊を上回っています。

  • また全国籍・地域の6割超がリピーターであるのに対し、初めて日本を訪れたインド人が82.1%を占めており、同行者は「家族・親族」33.3%、「夫婦・パートナー」24.2%、「自分ひとり」22.1%、「友人」16.1%と続きます。

  • 旅行手配方法では「個別手配」が84.6%と最も多く、「団体ツアー参加」12.9%、「個人パッケージ利用」2.5%の順でした。

  • 申込方法は「ウェブサイト」が64.8%を占める一方、「店頭」30.4%、「電話等その他」4.8%と、他国籍・地域よりも「店頭」や「電話等その他」の比率が高いことが特徴です。

Source: 観光庁、訪日外国人の消費動向、2023 年 年次報告書
Source: 観光庁、訪日外国人の消費動向、2023 年 年次報告書
Source: 観光庁、訪日外国人の消費動向、2023 年 年次報告書
Source: 観光庁、訪日外国人の消費動向、2023 年 年次報告書

旅行支出

旅行前支出は旅行手配方法別に捉え方が異なります。団体ツアー参加者(注1)及び個人旅行パッケージ利用者(注2)についてはパッケージツアー参加費を旅行前支出として尋ねています。
一方、個別手配者(注3)については航空・船舶会社に支払われる国際旅客運賃を旅行前支出として尋ねています。

注1) 旅行会社等が企画した団体ツアーに参加した人
注2) 往復航空(船舶)券と宿泊等がセットになった個人旅行向けパッケージ商品を利用した人
注3) 往復航空(船舶)券や宿泊等を個別に手配した人

  • インド人一般客一人当たり旅行前支出は、「団体ツアー参加」「個人旅行パッケージ」「個別手配」の全てのカテゴリーで全国籍・地域を上回っています。

  • 旅行中の支出は1人当たり平均217,934円です。

  • 旅行支出及び旅行消費額は1人当たり平均390,097円で全国籍・地域を上回っています。

  • 一般客1人当たり旅行総支出は「団体ツアー参加者」「個人旅行パッケージ利用者」「個別手配者」の全てのカテゴリーで全国籍・地域を上回っています。

Source: 観光庁、訪日外国人の消費動向、2023 年 年次報告書
Source: 観光庁、訪日外国人の消費動向、2023 年 年次報告書
Source: 観光庁、訪日外国人の消費動向、2023 年 年次報告書

土産品の購入実態

  • インド人訪日客の購入率が高い費目は、「菓子類」57.9%、「その他食料品・飲料・たばこ」43.3%、「衣類」40.3%です。

  • 購入者単価が最も高いのは「電気製品(デジタルカメラ/PC/家電等)」で144,772円、次いで「生鮮農産物」43,768円です。

  • 買い物場所としては「コンビニエンスストア」59.6%、「スーパーマーケット」45.5%、「百貨店・デパート」44.6%が人気です。

Source: 観光庁、訪日外国人の消費動向、2023 年 年次報告書

役に立った旅行情報

  • 出発前に得た旅行情報源で最も役に立ったものは、「日本在住の親族・知人」27.0%、「日本政府観光局ホームページ」23.1%、「自国の親族・知人」20.8%です。

  • 全国籍・地域で最も役に立ったと回答された「動画サイト」「SNS」はそれぞれ19.0%、13.1%に留まっています。

  • 日本滞在中に得た旅行情報で役に立ったものでは、「交通手段」が74.5%と最も多く、「飲食店」57.6%、「買物場所」35.3%、「観光施設」31.3%が続きます。

Source: 観光庁、訪日外国人の消費動向、2023 年 年次報告書

満足度と再訪意向

  • インド人観光客の訪日旅行全体の満足度は「大変満足」が84.7%と非常に高く、全国籍・地域の68.7%を大きく上回っています。

  • 再訪意向も高く、「必ず来たい」が81.8%、「来たい」が17.3%で、再び訪日を希望する割合が非常に高いことが分かります。

Source: 観光庁、訪日外国人の消費動向、2023 年 年次報告書
Source: 観光庁、訪日外国人の消費動向、2023 年 年次報告書

今回は、観光庁「訪日外国人の消費動向 2023年 年次報告書」よりインド人訪日観光客の特徴と消費動向をご紹介しました。今後、更なるインド人訪日客の増加が期待されます。

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