見出し画像

亀仙人が月を破壊できた摩訶不思議【ドラゴンボール考察】

ドラゴンボールは非常にスケールの大きな作品である。
空を飛べば地球を何周もし、気功波を放てば地形が変わり、フリーザや魔人ブウに至っては簡単に惑星を破壊してしまった。

等身大サイズの人間が戦うバトル漫画としては、破格のスケール感を誇るが、そんな中でやや浮いている描写がある。
それは亀仙人が月を破壊したシーンだ。

フリーザクラスであれば惑星破壊についても一定の納得性は存在するが、この頃はまだ序盤である。亀仙人の戦闘力も普通の人間のせいぜい数十倍程度だ。
※スカウターで平常時に計測した戦闘力は139、一般男性は5。
そんな亀仙人が何故月を破壊できたのかについて掘り下げていきたい。


月を破壊した亀仙人

亀仙人が月を破壊したのは、序盤の天下一武道会のシーンだ。悟空が大猿に変身した原因が月にあると気づき、悟空を止めるためにかめはめ波で月を破壊した。

出典:ドラゴンボール完全版4巻

月の直径は3475km。地球からの距離は384,400kmも離れている。その遠い巨大な物体を、かけらも残さず消し飛ばしたのだ。
超々々超人的な能力を有する後半のキャラクターであれば可能かもしれないが、この時点としては行き過ぎな描写と言えるだろう。

しかし、劇中の事実として「月は消し飛んでいる」のだ
これを事実として踏まえ、どうであれば月を吹き飛ばせたのかを考えていきたい。

月とフライパン山

まず、事実として明らかになっていることは、亀仙人はフライパン山を消し飛ばせるだけの力は持っている、ということだ。

出典:ドラゴンボール完全版1巻

亀仙人はフライパン山の火事を消すために全力に近いかめはめ波を放ち、「はりきりすぎちゃった」結果として山を消し飛ばしている。

出典:ドラゴンボール完全版1巻

フライパン山は漫画の描写から考えると、さほど大きな山で
はなく、大きめに見ても100mくらいの山だ。
※城の高さが15mとして、だいたい6つ分くらい

出典:ドラゴンボール完全版1巻

亀仙人がこのサイズの山をかめはめ波で吹き飛ばせることは漫画内の描写として確実に実証されている。

この「亀仙人の全力に近いかめはめ波は100m級の山を消し飛ばす」という点と矛盾しないように考えると、月もフライパン山とそれほど変わらないサイズだったとするのが妥当だろう。
現実世界とは全く異なり、ドラゴンボール世界の月は100m級の山と同程度のサイズなのだ。

月のサイズがその程度とすると、月は非常に地表に近いところに浮かんでいると思われる。

出典:ドラゴンボール完全版3巻

上記画像では月が大猿悟空の顔よりやや大きい程度だ。100m級の山と同程度の物体が現実の月と同じ距離にあった場合、豆粒以下のとても見えない大きさになるため、かなり低い位置に存在すると考えられる。

そして、原作中にはそれを裏付ける描写が存在する。
実際、悟空は月に行っているのだ。

如意棒で行くことのできた月

ドラゴンボール序盤、街で悪事を働く兎人参化を懲らしめるため、悟空は如意棒を使って空に上り、月に彼らを置いてくるという行動を行っている。その際の月の描写がこちらである。

出典:ドラゴンボール完全版2巻

この描写を見る限り、地表の曲線はかなり急角度である。
月が真円とした場合、100mよりもっと小さい可能性もありそうだ。
また、普通に人間が会話をして生活し、うさぎが生息していることから、空気がある範囲に存在していることも推測できる。
背景の宇宙や地球に見える物体も、それぞれ夜の星空と、同程度の高さを飛んでいる他の星(岩/建造物)と考えれば辻褄を合わせることはできるだろう。

また、後に神様は「破壊された月を戻したい」と発言していることから、月は神の管理下にある物質と言えるだろう。
神の宮殿は空を飛ぶ建造物であることから考えると、月も同じ原理で大気中を飛ぶ神様の建造物だった、としても矛盾はしない。

ドラゴンボール世界の月は神様が作った建造物で、現実世界より大きさが非常に小さく、地表の低い位置に存在していた、だからこそ亀仙人が破壊できた、と結論付けられるのではないだろうか。

兎人参化はかめはめ波で死んだのか?

余談だが、亀仙人が月を破壊した際、兎人参化とウサギ団の面々も死んだのではないか、と言われることがある。

その点については推測の域を出ないが、画像をよく見ると、彼らはついた餅でうさぎを作り、箱に入れているような描写が見て取れる。

出典:ドラゴンボール完全版2巻

本人たちの生存のための行動とすれば、餅をつかなければいけない理由は無いし、それをうさぎの形にして箱に入れる必要も無い。
とすると、うさぎ型の餅は商品であり、それを地上に出荷する産業が月にはあったのではないかと考えられる
そのように考えると月と地上は出荷のために行き来できるように整備されていた可能性が高いし、彼らがその後地上に降りていた可能性もあり得る。

この頃のドラゴンボールはギャグ要素が存分に混じった平和な冒険物語である。
彼らはうさぎちゃんたちを連れて、たまたま地上に降りていて難を逃れたのだ。そう断言しておこう。

#ドラゴンボール







この記事が参加している募集

#マンガ感想文

20,127件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?