【小説】ウルトラ・フィードバック・グルーヴ(仮)⑦
クリーム色の壁にブルーのまっすぐな屋根、扉と窓が一つずつ見える。実にありきたりなプレハブの建物と言えた。横に備え付けられたエアコンの室外機が唸っている。女性は扉を雑に開け中に入ると「ただ今戻りましたよ」と中にいる人間に伝えた。外にいるカズマサからは中の様子はわからなかった。そして閉まりかけたドアを慌てて左手で押さえながら、「あ、そうだ、森野さんにお客さんですよ」と大声で伝えた。パイプ椅子だと思われる金属が軋む音が聞こえ、数秒の沈黙の後、女性の横をすり抜け男がプレハブの外に現