子供たちをいつか社会へと手放すために
息子の不登校から始まり、子供たちの気質やメンタルに大きく焦点が当たったこの10ヶ月。
今回のディズニー旅行はそれも踏まえた上での挑戦だった。
台湾のIT大臣オードリー・タンさんはギフテッドであり、幼少期に数回の転校を繰り返す。ついに学校は必要ないと判断し、最終学歴は中学まで(そこまでほぼホームスクーリング)
困難な育児に試行錯誤で挑んだ母のリー・ヤーチンさんは、自身で台湾初のオルタナティブ教育を立ち上げ、その行動は公立学校の教育改革にまで及んだ。
当時ホームスクーリングが認められていなかった台湾で、初めて認められた子がオードリー・タンさんであり、現在台湾では多様な教育方法が認められている。
私も学校へ行かない子の親になり、日本の教育も台湾教育のような目線を持てたらいいのに。というか持つ必要があると感じている。
ミッション5:子をいつか社会へとお返しする
《子は社会からの預かりもの》と言うように、いつか社会へとお返しする時がくる。それは子供たちの旅立ちだ。
我が子たちがどんな形で羽ばたくのか。
自分で物事を選択していくときに必要な、決断する力、考える力、困ったときに助けを求められる力。
それをこれから見つけていく。
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勤めていた頃、不注意・衝動性・多動性すべてを兼ね備えているパートさんがいた。
普段、人に教えるのは得意な私も勤務20年で初めて苦戦した。
ミス無く日常業務をこなしてもらえるためには、どう説明したらいいのか。
言い方なのか、視覚的なのか。
手を変え品を変え、工夫を凝らす日々だった。
この出来事にもきっと意味がある。
このミッションを完遂したら、どのスタッフでも理解ができる教育マニュアルになるんだ。
心の中でこの出会いに感謝した。
写真付きで、詳細な図式マニュアル作成し、必要な場所に貼りまくった。
本人もとても謙虚に一所懸命で、失敗しては落ち込むけれど、誠実で明るく取り組む方だった。
不得意な部分をカバーするための頑張りも人一倍だった。
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不登校から小学校入学が始まったムスメ。
心が優しくて繊細で、人の気持ちの変化に敏感に気が付けて、いいところがいっぱい。
ただ繊細がゆえに、傷つくことも多いだろう。
そんな一面も実際に垣間見えた旅だった。
電車にリュックを置き忘れたことで深く落ち込んでいる姿。
不注意の部分を今後どう対応したらいいのか。
学校にいれば先生と一緒に考えてもらうことができるのか。
はたまた大きく傷ついてメンタルが崩れて帰ってくるのか。
今の状態が甘やかしなのか、尊重なのか。
正直分からない。
わからない未来に不安を感じてもしょーがないのに。
しかし確かに、息子は実際に学校という場所で傷ができて、今はもう戻ることができない。
ムスメのことも学校をゴールだとは思いたくない。
息子はもう自分で決めている《学校に行かない選択》を。
ムスメは自分ではわからない《学校に行く意味》を。
家の中で教えることは確かに多くは無いけれど。
学校以外でも学べる場所はある。
学びはみんなと同じ内容である必要はない。
同じ時間軸で学ぶ必要もない。
ネットもゲームもAIも、人の暮らしをより良くするために生み出されたもの。
ディズニーリゾートひとつとっても、便利にみんなが楽しめるような工夫を考える人たちがいて、日々採用されて、更新されているのだ。
成長していく子供たちと対話を繰り返し、議論し、尊重し、そのつど共に迷っていこう。
社会に放つときに、この子たち自身が自分の力で歩んで行けるように。