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#4 わくわく海外への旅 癒しとエネルギーチャージのハワイ④プライドオブアメリカ号にのって

 4回目のハワイは2017年の暮れから2018年のお正月にかけての旅。
オアフ島のホノルルから出発する7泊8日 ハワイ4島をめぐるプライドオブアメリカでのクルーズ。
 この時、両親ともに85歳を超えており、これが3人で行った最後の海外旅行になった。

 私もハワイのような遠出は、たぶん最後になるだろうと思っていたので、
2人の疲労度を考えて、デルタ航空のビジネスを選んだ。降りぎわに客室乗務員が、私が高齢の両親を連れているので、機内で配っていたチョコレートを私に全部渡して、ウインクをした。

 2017年までにクルーズ旅行を選んだことが数回あったが、ほぼ海側客室(窓はあるが、開閉はできない)にしていた。しかし、今回は船かヘリコプターでしか近づけないカウアイ島のナ・パリ・コーストを見るので、ベランダ付きの部屋にした。

 選んだ船はカジュアル船。だが、3回有料レストランのディナーに招待付きだった。やはりそれらのレストランは、食材、味、サービス、店内装飾、調度品も通常利用するものとはかなり違い、大変満足した。

 プライドオブアメリカ号は、乗組員及び関係者も全てアメリカ国籍というのが、売り。そこで、乗船している人もほとんどが、アメリカ合衆国本土の人だった。避寒地としてハワイを選んでいるのだろう。日本人は10名ほどだった。

   船内のレストランには ビュッフェスタイルの所もあったが、私はみんなの食べる量に、目が点になった。体型も樽の様に球形で、ふっくらとしている人も多い。私たち家族だけ、小さく扁平だ。
 ある日 夜のショーの後に船内が少し揺れたが、みんなどこ吹く風。私たちだけ少しよろけたので、近くの人が自分のお腹をなでて、ウインクした。

 ある朝、レストランで次のような会話が聞こえてきた。
アラスカに住んでいる若者は、ハワイを常夏だからと思い、Tシャツしか持ってきていない。寒いアラスカを出て、よほど楽しみにしてきたのだろう。
〜やはりハワイにも冬があるのか。船内の温度設定も低いので、早速上に羽織るものを買わなくちゃ〜

 部屋では、ベランダにある椅子に座ってコーヒーを飲んだり、夜は星を眺めたり。なんといっても外気が部屋に流れ込むのが心地よい。 
 ハワイが4回目になる私たちは、ツアーに半分ほど参加してシャトルバスの出る街の中心部まで出かけて周りの景色を眺め、お店をのぞいてその雰囲気を味わった。そしてのんびり、何もしない旅も心地よいことに気付いた。

 

以前のラハイナの街

 初めて訪れたマウイ島では、島内ツアーに参加してラハイナの街を散策した。
この前の大火事の被害を知り、あの自然豊かで美しい所が……と心が痛んだ。

 プライドオブアメリカ号は、中型船なので、寄港地によってはテンダーボートを利用する。ある日ボート内で美しい女性とお話しした。聞けば、娘さんはダンサーで、船内のショーで踊っているとのこと。今考えるとウクライナの方だった。お母さんもとても綺麗だが、写真には私にも見覚えのある姿。自慢の娘さんは、お人形さんのように顔が小さく、手足が長く、踊りがとても映える人。彼女が何ヶ月も船にいるので、代わりにお母さんが招待されたとのことだった。
今は、どうされているのだろう。

 またある日、テンダーボート内で、少し癖のある英語で積極的に質問するアジア系の女性と知り合った。その人はロサンゼルスに住んでいて、医師の旦那さんと乗船している韓国人の方だった。
 気が付いたのだが、彼女とはいろんな船内のイベントで一緒になることが多い。私が高齢の両親と一緒に来ていることが分かると、私の株が急上昇!

 フォトフレーム作りのイベントがあったが、見回すと参加者も少ない。私は、手先も器用とは言えないので、受付前でどうしようかと躊躇していた。すると韓国の方もやってきて
「楽しんだほうがいいから、是非いっしょに参加しましょうよ」
と声をかけてくれた。センスもないからどうしようと不安だったが、キットが渡され、いろいろなハワイの花やモチーフを貼り付けていくとできあがる。子どもでも作れるものだった。それは今もハワイの思い出の写真を入れて、家に飾ってある。やはり参加して、よかった。

 一度ご夫婦お揃いの時に、旦那さんとお話しする機会があった。日系3世のその方は、簡単な日本語は話される。
〜お祖父さんは、岡山出身で、自分は一度も日本に行ったことはない。生まれたのは、アリゾナの捕虜収容所〜

 私はラジオの英語講座で、アリゾナの捕虜収容所の話が取り上げられていたことを思い出した。よく歴史を知らないものが うかつに話せない内容だと思った。その方もご家族もなみなみならぬご苦労があったことだろう。

隆起や風雨の侵食でできた ナ・パリ・コースト

 そして、待ちに待ったカウアイ島のナ・パリ・コースト。
ヘリコプターかクルーズ船、ボートでしか近づけない絶景。部屋のベランダに出て緑豊かな絶壁の続く、美しい光景を十分味わった。

 クルーズ船で回ったハワイは、行程がゆったりしていて、リラックスできるものだった。またそれぞれの島の違いや味わいも感じ取れた。
 若いころは、『せっかくだから、あそこにも行きたい。こんなこともしたい』
と欲張り、かけ足で観光地を巡っていた。
 だが、時は流れ、私にものんびりとした旅でリフレッシュすることの大切さが分かってきたようだ。

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