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映画レビュー“すずめの戸締まり“〜新海誠はネクストジブリになれるのか?〜(ネタバレあり)

https://youtu.be/F7nQ0VUAOXg

初めに

12歳でほしのこえに衝撃を受けてから15年ほど新海誠の“古参“ファンをやらせてもらってます新海誠作品に育てられた自称“新海の子“こと私です。
3年ぶり8作目となる新海誠監督作品!!
自称アニメ評論家としては見るしかないということで早速レビューです!
結論、「チケット代を払って劇場で見る価値のある良作」です!
要約、よかった点、気になった点、結論の4パートに分けて感想レビューしていきたいと思います!

要約

九州の静かな町で暮らす17歳の女子高校生の岩戸 鈴芽(いわと すずめ)。彼女はある日の登校中に扉を探している青年・宗像 草太(むなかた そうた)に出会う。彼の後を追って山中の廃墟で見つけたのはある一つの扉だった。なにかに引き寄せられるように、すずめは扉に手を伸ばす。そこにあったのは広い草原と全ての時間が混ざりあった空があった。
その後二人の前に人間の言葉を話す謎の白い猫、ダイジンが現れ「お前は、邪魔」と話した瞬間、草太は鈴芽がまだ幼い頃に使っていた椅子に姿を変えられたのだった。やがて、日本各地の「災いの扉(後ろ戸)」が開き始める。
本作では日本各地の廃墟を舞台として、災いの原因となる“扉”を閉じていく少女の解放と成長を描くロードムービー[6]。
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

よかった点

①ロードムービーとしての面白さ
女子高生とマスコットキャラ(喋る椅子)が旅をするという比較的ありふれた題材をここまで面白くできるのは流石新海誠という感じ。
宮崎→愛媛→神戸→東京→宮城(南海トラフ沿いの地域)を旅しながら出会う個性豊かで素敵なキャラクターの数々、観ていて久々にワクワクした!

・「SNSで猫を探す」という現代的なサブテーマがワクワクGood!!
 =見どころ=
=人に媚びるダイジン可愛すぎる。#ダイジンといっしょ
=駆ける猫、追いかける椅子と女子高生という絵面がワクワク面白い。
=「富士山見逃した〜!」に象徴される田舎の高校生らしさ

・綺麗な背景作画、特徴的でありながらストレスを感じさせないキャラクター!
=愛媛のチカ
個人的にはここの絡みが一番好きだった!女将衣装かわいい!!「風呂場の男ってバカよね」も俺にブッ刺さったぜ。
=神戸のルミさんとチビたち
チビたちがサマウォのクソガキみがあって良い。
=東京の芹沢(推せる漢)
芹沢のオンボロオープンカー推せる!
カプ厨としては環おばさんとのカップリングを邪推したくなる。

②やっぱり音楽がいい!!
さすがRADWIMPS!!!こればかりは劇場じゃないと感じられない映画館の強みを存分に活かした音楽は圧巻です。
途中芹沢オープンカーパートで流れる”ルージュの伝言”は親世代刺しに行きすぎで笑っちゃいました。最高!!
とはいえ”天気の子”や”君の名は”ほどMV感は強すぎず、個人的にはベストバランスでした。
特に十明(とあか)の『すずめ feat.十明』は絶賛鬼リピ中です。
ただOPがなくなってしまったのが個人的にはやや残念、、、

③震災と“場所を悼む“というテーマ
作品として考える余地の大きいテーマ設定で、ちゃんとハマれる物語の厚みがあり、深海作品らしく考察のしがいも十分あります。
個人的には大好きなテーマですが、今回はあくまで感想文なので考察は他のレビュアーさんにお任せします!(投げやり)

④来場特典の“新海誠本“がとてもいい!!
企画書の抜粋とロングインタビューという豪華内容で劇場パンフのような満足感。デザインも同人誌っぽくてオタク的には嬉しいですね。
特に企画書を読むとそれぞれのシーンにどんな意図があったのか、感想との辻褄が合うのでとても満足感が高かったです。
“新海誠本“を含めて1つの作品になっているので、皆さんぜひ映画鑑賞後に“新海誠本“を読んで満足しましょう!

気になった点

上記でポジティブな感想を書いていましたが、気になった点も少しだけあったので、一応記載しておきます!ネガティブ感想が嫌いな方はスキップしてください!

①鈴芽→草太への恋心に関して
作中のほとんどを椅子として登場する草太君、椅子としてのコミカルな立ち回りは物語をとても面白くしてくれていました!
ラストシーンも鈴芽→草太の関係性がメインになっていましたが、個人的にこの二人の恋心という物語根幹の動機が少し弱いように感じました。
映画が終わった後最初に出た感想は「鈴芽いつの間に惚れてたん!?」
思えば冒頭シーンから一目惚れと取れなくもない印象でしたが、あくまで好印象程度のイメージ。
終盤は要石となった草太を救うために奔走しますが、正直そこまでするか、、?という印象で若干冷めてしまいました。(それでも十分面白い)

②”ロードムービー”パート短い問題
ロードムービーの醍醐味であるご当地キャラが愛媛、神戸の2エピソードしか書かれなかったのが残念でした。個人的にはあと2地域ほどエピソードが欲しかった、、
もう少し長ければキャラへの共感、鈴芽の成長がより感じやすくなり、もっと楽しめたと思う。
長編映画ではなく1クールのアニメ作品として作っても面白かったカモですね。

結論

作品のクオリティは国内最高峰であることは間違いなく、一部視聴者のベストムービーになる可能性のある作品。
「チケット代を払って劇場で見る価値のある良作」です。
これを毎年出せれば新海誠は完全にネクストジブリになれるでしょう。おめでとうございます!!
間違いなく面白い、いい映画であることは疑う余地がないのだが、個人的には”君の名は”を観た時ほどの衝撃はなかった。
これが他の監督の作品、新海誠という大きすぎる看板がなく偶然出会った1アニメ映画であったなら惜しみない賛辞と共にオタク仲間へ鬼LINEを飛ばしていたことは想像に難くなかっただろう。

私的”新海誠作品ランキング”
1位:君の名は
2位:雲の向こう約束の場所
3位:秒速5センチメートル
4位:すずめの戸締まり
5位:ほしのこえ
6位:言の葉の庭
7位:天気の子
8位:彼女と彼女の猫
9位:星を追う子ども


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