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出久根育展〜ささやかで怪しげ〜

気温がグッと下がり、頬がピリっとくるくらい寒い日が続いた。
晴天の寒い日が好きなので個人的には嬉しいが、被災地域だけはぽかぽかと暖かい穏やかな気候であってほしい。きっとみんなの願い。

武蔵野市立吉祥寺美術館で開催されている出久根育展 チェコからの風 静寂のあと、光のあさを観てきた。出久根さんの作品は実は初めて。吉祥寺美術館は常設展が好きでたまに訪れる小さな美術館。今回、おそらく出久根さんと思われる方が、たまたま来館されていて、ちょっとドキドキした(ステキな方でした)。

出久根さんは絵本作家で、20年前にブラチスラバ世界絵本原画展(国際的に権威のある賞だそうです)でグリム童話「あめふらし」のイラストがグランプリを受賞。
あたたかくどこか残酷で、生命の尊さを思わせる美しい赤と、独特の世界観
との紹介文が非常に的確。完全に好みだった。


木々の背景のブルーが効いている。

ギンガムチェックのシャツに水玉のトップス、スカーフで頭を覆い、たっぷりとしたスカートを履く。人々の装いが可愛らしい。こんなに人も動物も多いのに、なぜかゆったりと落ち着いた雰囲気を感じる。

シンプルで余白たっぷり。細やかな書き込みとちまっとした体躯がマッチしている。
轟々と音が聞こえてきそう。動物と人間の体が合体していたり、奥は人間が飛んでいたり。
怪しげな色味とカカシ(?)の存在の不気味さが良い。
猫愛を感じる。
実際のモデルがいるんだろうなあと思ったら、やはり!
子供の目線や目つきがいい。
猫好きにはたまらないだろう
ご本人の説明がまた素敵だった。可愛らしい書き込まれた絵が嬉しい。


ふらりと立ち寄った展示が思った以上に好みだった時、嬉しいサプライズで胸がわくわくする。他にもたくさん展示品があり、もっと怪しげで不安を掻き立てらるようなものもあった(かなり好きだった!興奮していたのかじっくり観たのに写真を撮るのを忘れていた)。絵本の挿絵と考えると、ちょっと大人っぽい印象を受ける。梨木香歩さんの作品に描いた作品も素敵だった。

ささやかな暮らしの様子に、ちょっと不安で怪しい感じを、ほんの少し加えた作品が多かった。
うまく例えられているか自信はないが、個人的なイメージは、
スパイスの効いたチョコレート、
ドライフルーツ入りのシナモンやクローブを効かせたホットワインのよう。
サバランなどのお酒の効いたケーキみたい。
じゅわーっと染み出してきそうなくらいのやつ。


「わたしのおにんぎょうさん」の主人公とおにんぎょう。

ミュージアムショップで写真のキーホルダーを購入。「わたしのおにんぎょうさん」という絵本のもので、主人公は出久根さん自身がモデルだという。この色使いに人形の顔に惹かれた。
鍵につけて毎日見るたびちょっとした癒しを感じる。


穂村弘さんの本が最近お気に入り

帰りに食べたシュークリーム。大きくて満足。キャラメルの味がアメリカーノに合って美味しかった。

実は先週他にも美術展を見たので、忘れないうちに早めに投稿したいなと思っています。

読書は、写真の穂村弘さんの他に桜木紫乃さんの作品にもハマっていて、貪るように呼んでいる。読みたい本がどんどん出てくるのは、まだまだ楽しみがあるのとおんなじなので、気持ちが明るくなる。今日は図書館で染井為人さんの本を二冊と桜木紫乃さん一冊を借りてきた。楽しみ。

ここで言葉を繋げていると、だんだんと書きたい文章のイメージがわかってくる。
私は、出久根育さんの作品のように、怪しくどこか不気味で、暖かく生命力にあふれたイメージの文章が書きたい。自由で気まぐれでささやかな日常を楽しむような。
ここで書いているみなさんにも、書きたい文章のイメージはあるのかな。

文章や言葉って、その人の色が出る。ちゃんと出る。
絵や歌もおんなじ。
リズムや色や響き。その人のセンス。
それが面白い。

話は変わります。
髪の毛を切ったら、「あのちゃん」のようになり、四十過ぎてそれもどうかと不安になって、夫へ報告したら「あのちゃんではないな。こけしだな」と言われ、意外とポジティブに解釈していた自分に笑った。
うん。あのちゃんじゃないな、こけしだわ。
こけしヘアは、フーディーやスウェットなどの最近好きな古着によく合い、結果お気に入りです。
ちなみに、こけしの前はおかっぱだったので、他人から見たら結果あんまり変化がないのだと思います。

今日の夜は、アボカドカレーを作る予定。
おやつをたくさん食べてしまったから、夕方しっかり運動しなくては。

出久根さんの作品によく出てくるようなスカーフが欲しくなった。
こけしが巻いたら、笑われるかしらね。

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