わたしがモラハラ夫に気が付かずに、逆にこれは運命なんだと錯覚して結婚してしまったわけ。
お久しぶりです。プロフィールに「元国語教師」と書いてますが、いろいろあって、現役国語教師に戻りましたマリィです。
そんなわけで、記事の方向性に迷ったり、ここに書こうと思っていた話を授業のつかみで使ってしまったり、単純に人前でいっぱいしゃべるので、アウトプットが多くなったせいか、意欲低下してました。
が、生徒には話せない話で、最近思い出してモヤモヤする元夫の話、形がまとまってきたので、ここに書いてみることにしました。
元夫とのお付き合いは高校時代に始まります。付き合っていたといっても、プラトニックなお付き合いで、学校帰り駅まで一緒に歩いて帰るとか、他の友達も一緒にグループでカラオケに行ったりとか、健全なお付き合いをしておりました。
あるとき、彼が、「卒業したら一緒に住もうぜ」って言ってきたことがあったの。
今思えば、将来の約束みたいなことをした最初はそれ。
だけど、そのあと、若気の至りというか、つまんないくだらないケンカをして、そのままなんか気まずくなって、学校で顔を合わせてもろくに話もしないまま卒業したの。
卒業後の進路は共通の友達から聞いて知ってたけど、大学時代は全く音信不通だった。
時は流れて社会人になって、二年目。
わたしは大学卒業後一年間、地元で非常勤講師の仕事をしたあと、二年目に他県の教員採用試験に合格。
大学も実家から通えるところだったから、初めての一人暮らしを始めた。
その、わたしの職場に、飛び込みで営業にやってきたのが元夫だったのです。
普段なら、わたしは部活指導や授業などで職員室でゆっくりしてることは珍しいのだけど、元夫も、学校相手の商売だからね、そのあたりわきまえて、暇な時期を狙って来てたから、職員室の入り口に立つ彼の姿が目に入った。
そのときのわたしの感想は、
わ、あの営業マン、高校のときに付き合ってた人にそっくりだわ。
世の中には似た顔の人が3人いるとかいうけど、本当ね。
だった。
のちに聞いた話だと、元夫のほうもそのとき、わたしに気づいていて、
「なんか先生のなかに元カノそっくりの人がおるんだけど、俺疲れてるんだろうか」
と思っていたらしい。
あとで本人だとわかったときにはお互いびっくりした。
仕事の話が終わった後、彼から連絡先交換を求められた。
その当時、実はわたしには付き合っている人がいた。
だけど、高校時代に数か月付き合ったけどプラトニックな関係で終わった元カレなんて、元彼のうちに入らんわな、と思ってOKした。
連絡先はプライベートなアドレスだったけど、仕事上のことで話ができると便利なこともあるかもしれないっていうちょっとした打算もあったかも。
「運命的な再会だけど、わたしに彼氏がいるから、タイミングの悪い人だな」
とそのときは思った。
だけど、結局、当時付き合っていた彼氏とは、わりとヒドイ別れ方をすることになる。
この話をちゃんと説明しようとすると長くなるので、今回は割愛。
とにかく、付き合っていた彼氏とは別れ、わたしは悩んだ末に仕事も辞めることにした。
理由は、その別れた相手からのストーカー行為があったからだ。
退職して、地元に戻るか、別の県の採用試験を受けなおすとか、とにかく、その彼の手の届かないところに行こうと思っていた。
そんな折、高校の同級生の彼から連絡があった。
もともとは飛び込み営業だった彼も、そのころにはわたしの元勤め先で契約を持っていて、出入りしているうちに、わたしが退職した話を聞いたそうだ。
そのときわたしは地元に戻っていたのだけど、
「今度、俺が実家に帰るときさ、高校のときよく遊んだ友達他にも声かけるから、ぱーっと飲みにでも行こうや」
って誘ってくれた。
ストーカー行為をしてきた男と別れた理由は、彼の暴力だった。
だから、実家に戻ったときのわたしはひどく傷ついていたし、
身体的なケガは大したことはなかったけど、強度のストレスや死ぬかもしれないっていう恐怖が強く心を傷つけているらしくて、精神科通院中だった。
DV男から逃れるために退職したと書いたけど、実際のところ、メンタル的に教師の仕事を続けられる状態ではなかったのだ。
携帯の着信音が鳴ると怖くて、環境音みたいな着信音に変えた。
とりの囀りとか、そういうの。
そんなときに、気分転換に連れ出してくれたのは、高校の同級生たちだった。
DV男と付き合っていたときは、束縛が激しく、ほとんど連絡もとってなかったのに、事情を話したら、そんなことなかったかのように、昔の通りに接してくれた女友達。今でも彼女のことはわたしは一番の親友だと思っている。高校の時にグループで遊んでた男友達。
彼らのことは怖くなかった。
被害に遭うより前から知っているからかもしれない。
当時のわたしは、威圧的な男の人が怖くて、新しく知り合う男性と人間関係を構築することは難しいだろうな、と感じていた。
そんなときに、
「俺、ずっと、マリィのことが忘れられなかった。俺にとっては特別な存在だったんだ。再会したときは、俺、疲れすぎて、都合のいい幻覚を見たかと思ったくらいだったんだ。そのくらい会えてうれしかった。改めて付き合ってほしい。」
って言われた。
あと、彼は転勤族だから、転勤先についてきてほしい、とも。
そのときマリィが思ったこと。
このチャンスを逃すとわたしは一生結婚できないんじゃないかっていう不安。
彼は昔から知ってる人で怖くなかった。
DVに遭ったことで男を見る目に自信がなかったわたしにとって、共通の友達がたくさんいて、人となりもわかっているつもりだった。
男友達が、「俺、女に生まれてたらアイツと付き合いたかった」って言うくらいイイやつだった。
更に、退職して実家に戻ったものの、メンタル的なダメージが大きく、就職しても、フラッシュバックを起こしたりしてまともな社会生活が送れるのか不安に感じていたわたしにとっては、「転勤族の妻」というのも魅力的だった。不定期で全国規模で転居する生活をしていればDV男に見つかる可能性も下がるし、定職についていないことの言い訳も立つ。
彼は、わたしが仕事を辞めた経緯も知ってて受け入れてくれるって言っているわけだし、こんなチャンスはもう二度とめぐって来ないのではないかと思った。
何より、なれそめがドラマチックで運命的だ。
結婚式のプロフィールムービーにしても映えることまちがいない。
正採用の教師の仕事を辞めて、人生のルートが思ってたのと違うほうに転がってしまっていたし、30までに結婚して子どもが欲しいと思ってたわたしにとって、
「運命的な再会を果たした高校の同級生と結婚して転勤族の妻になる」
というのは、転落しかけた人生を、すごくわかりやすく軌道修正してくれる案のように思えたのだった。
まあ、それが大きな間違いだったから、今のわたしは、子どもと二人暮らしのシングルマザーで、しがない非常勤講師やってます。
元夫のモラハラ話を人に聞いてもらうと、
「そんなにひどいの?」ってびっくりされると同時に、
「結婚する前に気づかなったの?」って言われたりするんですよね。
本当、なんで気づかなかったのか。
「運命だ」と思いこんでいたから、目が曇っていたのか。
多少はあるかもしれない。
でも、気づかないんですよ。
もっというと、そういう輩は、結婚するまで正体見せないんです。
騙されていたのはわたしだけじゃないもん。
高校の同級生で、仕事でお付き合いのある人も複数いたんだよ。
誰も彼のことを悪くいう人なんていないよ。
むしろ、こんないい男いないよ、っていうくらいのいい男だよ。
あ、これはDV男もそうだったけど。
わたしとDV男が付き合ってることを知らない共通の知り合いに、
「マリィさん、結婚するならああいう男がいいと思うで」
って言われたことあるもん。
ちなみにその人は、わたしより二回りくらい年上の既婚女性だった。
だからね、相手を見る目がなくて配偶者選びにまちがちゃった人を、責めるというか、余計に追い込むようなことは言っちゃいけないよ。
わかんないんだから。
ほんとに。
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