ベイビー•ブローカー 感想とか考えたこと
いつぞや見た映画
重たいテーマを、軽快さも交えて扱っています。
下に出てる記事よりあらすじ
クリーニング店の経営者で借金に追われるサンヒョン(ソン・ガンホ)と、〈赤ちゃんポスト〉がある施設で働く児童養護施設出身のドンス(カン・ドンウォン)は、子宝に恵まれない夫婦に赤ちゃんを売る「ベイビー・ブローカー」である。若い母親ソヨン(イ・ジウン)が〈赤ちゃんポスト〉の前に置いていった赤ちゃんを連れ去るも、ソヨンが翌日に引き返して来たので、2人はブローカーであることを白状する。サンヒョン、ドンス、ソヨンの3人は成り行きから養父母を探して旅に出ることに。彼らを尾行する刑事のスジン(ぺ・ドゥナ)と後輩のイ刑事(イ・ジュヨン)は現行犯で逮捕しようと一行を追い続ける。
韓国の赤ちゃんポストについて
映画を観る感じだと、韓国には赤ちゃんポストがたくさんあって、こういった支援が日本より身近にあるからこそ、背景にある問題が深刻なのかも。ネットで拾ってきた記事に、ざっくり韓国のことが書かれてる。
周囲に頼れる人がいない女性が妊娠していたら、どこに相談するのだろうか。子どもをおろしたいと思っても、費用がなかったらどうするのだろう。頼れる人がいない環境で育った人は、頼るということも思いつかないかもしれない。
声をかけやすい
利用しやすい
敷居を低くして待っていてくれたら、相談もしやすい
何かに頼りたいとき、私たちはこういう言葉をよく口にする。助かったと思った人が、そこに行きつくまでに抱えていた心境を理解すべきで、恵まれた環境に育って、赤ちゃんポストなんて必要に感じなかった人が、この制度を非難する権利はない。もし非難できる人がいるとすれば、赤ちゃんポストに預けられた人間である。
赤ちゃんポストって、叩かれやすいよね。
赤ちゃんポストあったら、私たちの倫理観が壊れるから?
ちゃんと育つかどうかは分からないけど、命は救われると思う。というか、ちゃんと育つかどうかは、普通の家庭に生まれても分からない。親の養育レベルを超えた、育てにくい子供が生まれる可能性もあるし、子育てが下手な人もいるだろうし。真夏の車に子どもを置いていかないでぇぇ。サウナ―でも入らないサウナよ、それ。
この映画では赤ちゃんポストに赤ちゃんを預ける母親を非難する人が出てきます。映画なので、非難する人にも理由があるのを描いてくれています。でもこの制度の是非を問うのではなく、子どもの幸せを一緒に考えようというエンドです。
子役の活躍
ドンスの出身の孤児院から、内緒で主人公たちの車に乗り込んできた子役が、この映画のアクセントになっている。オーバーオールを着た、坊ちゃん刈りで、にーっと笑う無邪気な顔や言動が、登場人物たちが背負っている後ろ冷たさを、軽くしてくれる。そして、私はその子の名前を憶えていないし、今HP見たけど名前が書いていない。かわいいのよ、この子。
旅先で滞在したホテルで、この子役が無邪気にあったかいワードをみんなでシェアするんだよね。いい雰囲気なんだよ。家族を知らない、いい家族を築けなかったメンバーがそこで家族っぽくなるんだよね。
子どもとの関連性
登場人物は子どもについて、どこか後ろめたさというか、ちょっと思うところがある。
主人公のサンヒョンはバツイチで一人娘は元妻に引き取られている。中学生くらいの娘と喫茶店で話をしているシーンがあるんだけど、本当はまた家族と暮らしたいサンヒョンに、娘はママが再婚するからもう会えない的な話をされてしまいます。でもサンヒョンは自分の至らなさに自覚があるから、なんというかかんというか。
サンヒョンのバディのお兄さん、ドンスも捨て子?で孤児院出身で、子どもを育てられない親を軽蔑している。
赤ちゃんのママ、ソヨン
訳アリの身の上で、訳アリの子どもを身ごもり、出産。訳アリな存在が生きていくために、訳ありなことをしています。本当は赤ちゃんを幸せに育てたかった。かわいい。
女刑事
イケメンでかいがいしい夫在り。子どもがいない夫婦で、赤ちゃんポストに子どもを預ける母親を恨む。ソヨンたちに子どもを売らせたがる。
でも、みんな、ソヨンの産んだ赤ちゃんが幸せになってほしいのです。それがうまく表現できなくて、素直になれなくて。物語終盤で、自分の気持ちを受け入れ、赤ちゃんが幸せになるために良い方法を探し始めます。
雑記
是枝監督の作品を見たのは初めてだったのですが、すごくあったかい映画を作るんだね。
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