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萩くんのお仕事 第八話

「おいおい、どういうこと?女の子、来なかったねえ。カップルばっかりだったじゃん」
「あー、帰りに、バーテンに聞いたんだけど、カップルデーだったらしい」
「え?」
「うん、俺たちも二人連れでね、・・・誤解されてたらしい」
「えー?なんだよー、それ」
「それで、最上階の部屋って、笑えない?」
「笑われてる、それー、ゲイカップルって、絶対」
「あはは、それ、ダメな奴じゃん、もう」
「笑いごとじゃないし。・・・まあ、もう、いいや、ルームサービスで、シャンパン頼んだら、ダメ押し?」
「大丈夫。ホテルは、守秘義務を護るから」
「って、後で、従業員の話題になるって、もう、なんだよー、それ、どうせなるなら、女の子との噂がいいのに・・・」

 なんか、理系も含みがあったけど、理系は、誤解はしてないと思うから。って、「憧れて」とかってダメじゃん。って、理系、BL音声上げてない?あいつ、どっちもとかなのか?ニヤニヤしてたからなあ。いやあ、女の子、待ってたの、知ってたと思うけどなあ。言ってくれれば良かったんだけど、そこが微妙に見えていたのか?まあ、いいや。

 そうだ、明日のこと、・・・一応ね、私服、持って歩いてるんだよね。こういう時って。足がつくと困るからさ。明日も助かる。チェックアウトしてから、車の中で、私服に着替えて、もう一度、出直す。マスクして、サングラスして、ニット帽で、顔隠す。

 はあ、それに、今日、女の子といいことなんて、できる感じはないや。朱莉あかりちゃんの件、見ちゃったし、理系はどうでもいいけど、緊張の連続だったからなあ・・・。今頃、階下辺りで、朱莉ちゃんは、あのダンディ上司と・・・。何?悠紀夫、もぞもぞしやがって・・・。

「ねえ、女の子、呼べない?」
「何?知り合い?」
「な、わけないでしょ。だったら、こんなことしてないってば、なんか、ないかなあ。そういうデリバリー、ああ、マッサージ」
「違うよ。これ、本当のマッサージだと思うよ。おじさんが来たらどうする?」
「うへえ・・・ダメかあ」
「なんかっていうなら、俺、隣に行くから」
「いや、いいや、シャンパンにする。上手いもの、食おう。頼んでいい?」
「好きなもの、好きなだけいけば、たまの贅沢」
「よっしゃ、切り替えるぞ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 誘っといて、悠紀夫には、気の毒なことをしたが、女の子は釣れず。んで、今朝は、朱莉ちゃん、仕事だろうから、家でロールキャベツの朝ご飯、食べてるのかなあ・・・。

「んー、飲み過ぎたかなあ?」
「結構、飲んでたなあ。朝も、ルームサービス頼む?」
「ゲイカップルだからな」
「何、引きずってんの?」
「ずってねえ。今度は、彼女と来たい。ここのレストランで、プロポーズとか、どうかな?」
「いいんじゃない?文字で書いたら?」
「なんで?」
「ああ、お子さんは、まだ読めないか・・・、でもさ、後に見せてあげられたりするかもよ」
「さすが、作家だなあ、大先生」
「さあね、ちょっと、思っただけ。まあ、悠紀夫のいいようにしたらいいんじゃない?ああ、9時半には、アウトしたいんだけど」
「今、何時?」
「8時」
「俺、飯いいや、あと一時間眠らして、そしたら、車出せるからさ」
「オッケー、助かる」

 オーディションかあ。めんどいなあ。プライベートでは、女の子に会えないのに、仕事でわんさか、それも、未成年中心とか?世の中は、ままならないね。

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 一旦、ホテルをチェックアウトして、悠紀夫の車の中で、いつもの感じに着替えて、サングラス、マスク・・・ぐらいでいいかな?全部、覆うと、ホテルに呼び止められそうだからな。悠紀夫と別れて、再度、ロビーに行く。今、9時45分。オッケー。篝の間って、どこかな?あああ、最上階じゃん。なんか、動きの無駄の連発だけど、仕方ないね。

「おはようございます」
「ああ、来た、来た。羽奈賀先生」
「おはようございます」

 あー、すごい。露魅ろみさん、志芸野しぎのさん、八尋やひろさんまでいる。八尋さんは、忙しいって聞いてたけど。

「大丈夫だったんですか?八尋さん」
「ああ、監督の天気待ちなんですよ」
「何?・・・ああ、上代かみしろ監督の撮ってるんでしたね、確か、はあ・・・頑張るなあ・・・」
「あの、今、山で撮ってるんですけど、条件が今一つ、今日、煙霧がすごくて、撮れないっていうんで、朝一で車、二尾山ふたおやま峠から、飛ばしてきました」
「近い方とはいえ、大変でしたね。ありがとうございます」

 露魅さんに、志芸野さんも、来てますね。

「おはようございます。羽奈賀先生」
「あ、朝早く、ありがとうこざいます。露魅さん、志芸野さん」
「年寄りは、朝早いから」
「まだ、そんな齢じゃないじゃないですか」
「そうよ、私も一緒にされてるみたい・・・」
「嫌々、俺の話ですよ」

 あー、神崎さん、いよいよ、顔合わせ、嬉しそうだなあ・・・。

「おはようございます。皆さん、お集まりですね。ああ、スポンサーのミズキ飲料様ご担当の方が、本日はお見えです。えー、チャンネル18今年度秋期、木曜22時から放映予定『二郎君のお仕事』次女役のオーディションということで、関係者の皆様には、朝早くから、お集まり頂きありがとうございます。えーと、まずですね、この企画に当たりまして、ミズキ飲料様より、ご提案がございます。この度、タイアップのお話を頂いております。次女役新人を、同時期放映中の清涼飲料水のCMに抜擢というお話でございます。羽奈賀先生、妹の彼氏役、ご希望、出してましたよね?秦素臣さん。決まりました。CMで、学生のカップル役、そのまま、役のイメージ通り、出て頂くことになりました」
「なるほど、そういうことですか。ありがたいお話ですね」
「初めまして、羽奈賀先生、私、当社の広報担当のとまと申します。できましたら、放映時間帯のCM枠で、番組の流れと合わせての、という形にしたいと考えております」

 秦素臣はたすおみ、決まったんだね。ちょっと、高望みかなと。八尋・秦と言えば、二人でコメディさせるといい掛け合いで、しかも、イケメン二人なんで。忙しい秦くんを抑えるのは、大変だったろうけど、それこそ、毎回の出演じゃないし、ワンポイントリリーフ、まさに、アクセントになるよね。次女の出る回に「スオミくん、出ないかなあ」と女性の注目が集まるわけだ。成程。でも、さすが、スポンサー如才ないな。っていうか、そもそも、秦くん、この飲料のキャラだったからな。そうなるんだ。ふんふん。

「では、審査員の皆様をご紹介します。名前の札のお席に、ご着席願えますか?はい、ありがとうございます。左から、ご紹介します。脚本の羽奈賀萩先生」
「よろしくお願い致します。朝早くから、ご参集頂き、ありがとうございます。本の方は、着々と進ませて頂いておりますので、今後とも、よろしくお願い致します」
「続きまして、アパート大家で、母親役、江川露魅ろみさん」
「羽奈賀先生には、また、お世話になります。前の舞台のお役とは、違うテイストとなりますが、頑張りたいと思います。皆様、よろしくお願い致します」
「長女の務め先の上司役の、志芸野咲哉しぎのさくやさん」
「おはようございます。良い役、を頂き、嬉しく思っております。楽しい現場にしましょう。よろしくお願いします」

 良い役、の所で、笑いが・・・。まあ、好い役ですからね。まだ、書いてませんけど、皆、期待してるんだろうな・・・。

「そして、今回の主演の、題名にもあります、二郎君、漫画家の耶麻雅飛来やまがひらいこと平井二郎役の、八尋靜一やひろせいいちさんです」
「今日は、本当は、映画の方で来られない予定だったんですが、撮影待ちで時間が空きましたので、参加させて頂くことになりました。羽奈賀脚本ということで、一も二もなく、お受けしました。放映迄、まだ、時間がありますが、準備出来次第、撮影開始とのことで、・・・あ、今日、この後、1回目の本読みですか?」
「そうですね。まだ、仮本ですが、よろしいですよね?羽奈賀先生」
「はい、見たい所なので、是非とも、皆さん、よろしくお願い致します」
「奇しくも、初顔合わせ、繰り上がりましたが、オーディション後、次女役の子が決定する他、長女役の波多野朱璃はたのじゅりさん、次女の恋人役の秦素臣はたすおみさんも、前の予定が終わり次第、入られます。その後、改めて、顔合わせ、その後、第一回目の本読みに入ります。あと、審査員の末席、私、当チャンネルプロデューサー神崎英悟かんざきえいごが務めさせて頂きます。よろしくお願い致します。では、審査員の皆様、こちらにご着席、お願いします。書類選考は、既に、こちらでさせて頂きました。ピンポイントに、各プロダクションにイメージをお伝えし、該当する方を募集し、まずは、こちらの製作側で、一次審査済みということです。短期間なので、有力押しとされます、芸能プロ所属の三名と、一般からの一名に絞らせて頂きました。ご了承ください」

 一般って、情報も出てないのに、へえ。そんなこともあるのか・・・。

「本日は、二次審査からということになります。ここでは、自己紹介と、渡された次女の台詞ですね。本編で使われる予定の台詞を読み上げて頂きます。皆さん、よろしくお願い致します。では、始めたいと思います。では、一番の方、どうぞ」

 ふーん。一人目は、ああ、学園ドラマに、よく出てる子だな。上手いな、上手すぎ。ちょっと、違う、可愛すぎる・・・。二人目は、ん?少し、年嵩だけど、まあまあ、高校生いけるかな?朱璃じゅりちゃんとのバランス考えると、意外性かな・・・。三人目、あー、今っぽいけど、っていうか、もう少し、頭、良い感じじゃないかな?今の子っぽいけど、いい子なんだよ、彼女は。それで、成績がいいんだ。ちょっとなあ、物足りない・・・。

「はい、最後の方、一般からの一名です。これはですね、原作のスペックに、非常に近いイメージの方なので、特別に今回、残させて頂きました」

「え、えっ?・・・これって」

(書類、今、見た・・・やっば・・・)

「はい、では、4番の方、どうぞ」

「はい、4番、無所属の、卯月芽実と申します」

「・・・!?・・・」

 うわっ、なんで、芽実ちゃん、来るの?どうした?
 ・・・うわ、ダメじゃないのっ?!

「はい、では、自己紹介をお願いします」
「はい、卯月芽実です。今回、お芝居は初めての経験となりますが、かねてから、原作者の羽奈賀萩先生の大ファンでした。今回、女子高生の役を募集していることを聞き、ずうずうしいと思いましたが、御社チャンネル18のご担当の神崎プロデューサーに、直談判させて頂きました」
「はい、経緯いきさつはそれぐらいで・・・ご年齢と、今の所属の学校名を教えてください」
「17歳、桜耀女子高校二年生です」
「あら、私の聞く話じゃないとは思うけど、進学校ですよね。学校では、芸能活動は許されていますか?・・・確か、ダメだったのではないかしら?」
「いえ、校長先生に直談判しました」

 芽実ちゃんって、直談判連続だ。こんなに度胸あるんだあ・・・びっくりだなあ・・・大女優の露魅さんにつっこまれても、物おじもせず・・・。

「クスクス・・・いいですか?僕、喋っても」
「ああ、勿論、八尋さん、お願いします」
「君、度胸あるね。・・・で、校長先生はなんと?」
「はいっ、成績、学年トップを今のまま、キープすることが条件となりました」

 え、成績、トップだったの?芽実ちゃん、桜耀でトップならば、確かに、東都目指せるよなあ。・・・って、今は、それどころじゃない。

「すごいなあ。うちの娘と同い齢で、・・・それ、大丈夫なの?ドラマ、走り出して、成績下がったって、降板されたら、皆が困るんだよ」

 志芸野さんの仰る通りだよ・・・、芽実ちゃん、

「それは、絶対、ありません」
「羽奈賀先生、何か、ございますか?」

 うーん、芽実ちゃん・・・なんで、またぁ・・・

「あ、えーと、はじめまして。脚本・演出の羽奈賀です。・・・皆さんの仰る通りです。その覚悟があるかどうか。この業界は、自分が晒されてなんぼの所がありますから、それに耐えられるかどうかも大切です。プライベートの制限もかかる可能性があります。しかも、今回の企画、ミズキ飲料さんのCMキャラクターになることになりますね。常に、しばらく、共演の秦くんと並んで、やっていくことになります。そちらの方・・・プライベートの制限、タレントとして、イメージを保つ為の準備は大丈夫ですか?要は、自己管理のことなのですが」

 あー、言っちゃった。優馬くんのことだよ。大丈夫なのかって。小難しく、文化人ぽく。

「それは、大丈夫です」

 ほんとかなあ、芽実ちゃんが大丈夫でも、優馬くんはどうよ?

「はい、皆さん、よろしいですか。次に参ります。では、その渡されてる、台詞を読んでください。ここまでと同じ、短いものです。まず、目を通して。いいですか?貴女のタイミングで、始めてください。どうぞ」

「はい・・・何?何の用?・・・しつこいんだけど、今さら、お姉ちゃんに、何だっていうの?そんな風に、ぐずぐずしてるから、見限られるんだわ。はあ?・・・私に言っても無駄だから、帰ってよ。これ以上、お姉ちゃんに付きまとったら、警察呼ぶからね


 はー、まんまだもんね。ちょっと、実際より、誇張入ってるけど。ニコニコと、志芸野さんが、拍手をした。

「いいんじゃない?リアリティあるわね」
「うん、なんか、自然に姉思いなんだなって」

 そりゃ、そうだよ。彼女の台詞だから。・・・仰る通りです。

「はい、ありがとうございました。では、四名の皆様、別室でお待ちください。結果が出次第、発表致します。一名、正式に、次女役に決定致します。呼び出された方は、こちらに来て頂き、正式に、共演者の顔合わせとなります。それ以外の方は、残念ですが、今回は、失格となります。そのまま、お帰りになられて、結構です」
「あ、で、一つなんですが、まだ、役名が決まっているのが、八尋さん演じる、主演の平井二郎のみなんです。実は、役者の方、揃った時のイメージを見て、それぞれの方の役名の設定に入ろうと考えていました。次女役に関しましては、呼び名になる、つまり、個人の名前は、皆さんの本名を使わせて頂きます。それを、ご了承ください」
「あ、・・・そう、わかりました。羽奈賀先生のたってのお考えです。皆さん、ご承知頂きますよう、こちらからも、お願いします。では、審査結果まで、別室でお待ちください」

 まあまあ、まあね、俺としては、複雑なんだけどね・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

神「いかがでしたか?」
露「うん、一番の子は、上手ね」
志「文句はないね」
露「でも・・・つまんない」
八「随分、ハッキリおっしゃるんですね。江川さん」
露「なんかね、羽奈賀作品って、ちょっと違う気がして・・・」
神「なるほど、いかがですかね、先生」
萩「うーん、上手いですが、次女の友達って感じですね」
志「ああ、わかる。わかる。クラスメートだ」
萩「だから、その枠として、残ってもらうのもいいかもしれませんが、今の所は、お約束ができません」
八「二番の子はやっぱり、少し実年齢が高いからね」
露「上のお姉ちゃんが、朱璃じゅりちゃんでしょ?ちょっと、違うのかなって・・・」
志「母親的に見て?」
露「うん、そうそう、二人並べた時にね、不自然な感じ?」
神「申し訳ないですが・・・、私から、言わせて頂きますが、三番目は論外だと思いますよ、羽奈賀さん」

 八尋さんが、ふふっと笑った。大御所のお二人も頷く。

八「決まってるんじゃないですか?羽奈賀さん」
露「あたしも、そう思ったわよ。あんな、覚悟聞くみたいなこと」
志「ミズキさんとこもね、頷いてたしね?ねえ?」

 ミズキ飲料の担当者も、後ろで頷いてる。

 ・・・まあね、ご本人だから、仕方ない。

「では、決定ですね。ああ、じゃあ、発表して、四番の子、卯月芽実ちゃん、連れてきて。お願いします。では、スタッフ、ここ、机の向き、変えてください。顔合わせ、本読みしますから。役者の皆さん、少しこちらでお待ちください」

「いい感じですね。フレッシュで、あの子、本当に賢いんじゃないですか。肝も据わってるし、共演が楽しみです」

 芽実ちゃーん。決まったぞ。どうすんだ、おい。どういうつもりなんだ、おい。良かったなあ、大好きな、八尋さんが、楽しみにしてるぞ。って、お母さんに許可をとったのかな?それ、聞いてないぞ。学校の先生はいい。その覚悟は解った。後、本当に、優馬くんに言ったのか?俺的には、それ、かなり、心配なんだよね。真剣に、一緒の、東都大進学考えてるっていうし・・・。

 優馬くん役、秦素臣だよ。ヒーロー物出身で、モデルもやってる。今や、大人気若手ナンバーワン俳優だぞ。大丈夫か?優馬君、本人、大丈夫か?・・・って、制限かかると、きたくても、けないこと、出てきちゃうじゃんか・・・あああ。でも、正直、芽実ちゃんが一番良かったんだよなあ・・・当たり前だけど、他の子が抜けなかったよね・・・。

「嘘・・・本当ですか・・・ああ、ありがとうございます」

 ドア入るなり、いつものモードじゃんか。いいよ、芽実ちゃん。すごくいいんだけど・・・あああ。

「はい、では、卯月芽実さんが、次女、そのままのお名前でいいですね、はい、次女芽実役と、いうことでよろしいですね。羽奈賀先生」
「あ、はい」
「はい、では、皆様、ご準備ができましたので、こちらの名札のお席にお座りください。こちら、羽奈賀先生と、僭越ながら、私、神崎が座ります。こちらから、志芸野さん、江川さん、真ん中になりますので、八尋さんですね。その後を、波多野朱璃ちゃん、秦素臣くん、ね。で、ここね、卯月さんは」
「はい、よろしくお願いします」
「元気がいいですね、卯月さん。いいですよ。・・・はい、では、これが第一回の仮本となります。皆さん、お手元に行きましたでしょうか?まずですね、一回目は、その実、志芸野さんは、まだ、登場しません」

 そうだった。

「あー、二話以降に回想シーン的に登場されますので、その辺りの、抜粋をお渡ししますので、波多野さんを待って、そちらをお願いします。今日は、皆さんの顔合わせと同時に、本読みを観させて頂きながら、僕自身、今後のストーリー展開の確認をさせて頂きたいと思いますので・・・」
「あと、羽奈賀さん、ドラマ初監督でしょ?」
「はい、あ、そうでした・・・監督というか、演出をですね、私、不肖ながら、羽奈賀萩がさせて頂きます。よろしくお願いします。助手ですが、今日は、舞台で来られないのですが、うちの劇団ルナキャッスルの助監をしている、黒東風銀になります。よろしくお願いします」
「そうだよなあ。月城さん、メガホン予定だったのにね」

 志芸野さん、しみじみしてるなあ。確か、月城先生と同期だもんね。

「ああ、そうだったんですねえ」
「撮影中に、ひょっこり、帰ってくるかもよ、あの人のことだから」
「ありそうだな」

 色々、話してるけど、芽実ちゃん、脚本に釘づけだ。すげえ、集中力。

「では改めて、自己紹介の後ですね。第一回の本読みに入らせて頂きます」

                             ~つづく~


みとぎやの小説・連載中 萩くんのお仕事 第八話

 あああ、人気第一位をとった七話の後の八話、期待外れの展開で、申し訳ございません💦 朱莉ちゃんの件に引き続いて、次の問題が大発生、芽実ちゃんの登場で、萩くんは、それどころじゃなくなってしまいました。でも、ここまで漕ぎ着けたドラマ制作、上手く進んで行ってほしいところですが・・・色々な伏線をちりばめたまま、次回に持ち越します。いつか、萩くんにも、報われてほしい、とは、思っているのですが・・・。
 このお話の、前段はこちらから読めます。未だの方は、是非、お立ち寄りください。


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