見出し画像

長崎旅行2022『崎陽半日旅行記』4

第4章 出島から新地中華街へ


 さて、盛大に脱線しましたが、話を元に戻します。

 我々は、日本二十六聖人記念館を出ると、例の急勾配の道を下って長崎駅前から路面電車に乗り、出島へと向かいました。出島は、はじめポルトガル人、次いでオランダ人を中心とした欧州人及びその召使いだったマレー人等が、押し込められていた扇形の人工島ですが、近代になると、周囲が埋め立てられて一見、島ではないような感じになっています。出島はずっと昔に何度か行ったことがありますが、その時とは全く様変わりしていました。というのは、沢山の建物が復元されていたのです。そして、一帯の区域内に入るにはお金が必要になっていました。

復元建造物が立ち並ぶ出島
出島の案内板 其の壱
出島の案内板 その弐

 今回は時間が限られていたので、中を通って新地中華街の方へ通り抜けるだけにしようかと考えていましたが、さすがに通り抜けるためだけのためにお金を払うのはもったいなかったので、外観だけを見物しつつ、回り込むようにして新地中華街の方へ向かいました。

出島を眺めつつ、中華街方面へ

 その辺りは、修学旅行中の高校生と思しき制服姿の男女や、遠足でやって来たと思われる小学生が大勢いました。どちらから来たのかは分かりませんでしたが、さすがは観光都市・長崎らしいなーと思いました。

 新地中華街は、出島からそう遠くない所なので、歩きで行きました。長崎の中華街は横浜のそれと比べると、かなり小さいのですが、雰囲気があり、異国情緒が感じられる場所です。ここでも先程見かけたのと同じ制服を着た人たちの姿をチラホラ見かけました。どちらかというと女子高生が多かったでしょうか。定番の観光スポットですし、お昼時でしたので、多分、これらの人たちも我々と同じく、食事をしに訪れたものだと思います。

 今回は中華街の中にある「蘇州林」というお店で昼食を食べようと決めていたので、あれこれ迷わずにまっすぐそのお店へ行きました。

蘇州林 外観

 このお店は、チャンポンや皿うどんを前面に出しているのですが、個人的には、点心や中華菓子を手広く扱っているのが売りのお店だと勝手に思っています。数年前、私が団体旅行で長崎ランタンフェスティバルを見物しに行った際、こちらのお店の臨時の出店でテイクアウトした胡麻団子とマーラカオという中華蒸しパンを食べたのですが、これらがとても美味しかったので、前からこのお店で食べてみたいと思っていたのです。しかもこのお店の中華菓子はデパートの物産展などで見かけることも多く、私の記憶が確かならば、このお店の麻花兒(麻花児とも。よりよりとも呼ばれている中華菓子です)は長崎以外でも売られていた気がするのですよね。確か横浜中華街でも見かけたような記憶がうっすらとあります。なので、勝手ながら、比較的大きなお店を想像していましたが、意外にも机が5つくらいしかない小さなお店でした。中華街の範囲が狭いせいでもあるのでしょうかね。2階もあったのですが、入れませんでした。お店に入ると、行列ができるほどではありませんでしたが、満席だったようで、案内されるまでしばらく待たないといけませんでした。

 ここでは、弟はちゃんぽん、母は炒飯を注文しました。私は、紅焼扣肉(ホンシャオクウルウ)という、豚の角煮を白い饅頭の皮のような生地で包んで食べる料理を頼みました。その他、せっかくなので、胡麻団子とマーラカオ、そしてハトシという魚のすり身にエビや玉ねぎなどを加えたものをパンで包んで油で揚げた料理ももらうことにしました。

ハトシは初めて食べたのですが、その製法から、揚げパンのようなものを想像していました。しかし、あまり揚げパンのような味はせず、魚のすり身の味が強かったです。ともあれ、ずっと気になっていた点心だったので、食べられて良かったです。


ハトシ

 メイン料理の紅焼扣肉は絶品でした。豚の角煮を自分で生地に包んで食べるもので、実質いわゆる角煮饅頭なのですが、本当に美味しかったです。クドさのない角煮のトロッとした味わいが、ふんわりとした優しい味の饅頭の皮とよくマッチしていました。個人的には、これだけで満足できる一品でした。ただ、一緒に出てきたチンゲン菜が冷たかったのが唯一残念な点でしたね。

紅焼扣肉(ホンシャオクウルウ)

 胡麻団子は弟の好物なので弟とひとつずつ分けて頂きました。香ばしくてサクサクとしていて、期待を裏切らない美味しさでした。マーラカオは母と分けて頂きましたが、蒸しカステラといった趣で、こちらも美味しく頂けました。母も美味しいと言っていました。

胡麻団子
マーラカオ

 これだけ食べて(母と弟の分を含め)五千円からお釣りが来ました。某王将に慣れているので、少し高めに思えましたが、比較してはいけませんね。リーズナブルな方だったと思います。

第5章へ続く



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?