環境とエネルギー政策がよくわかる本 脱炭素社会のリアルを知る
関 貴大 著
図解ポケットシリーズで気になったので読んでみました。
環境とエネルギー知っているようでよくわからない事が多いですよね。基本を抑える意味でもなかなかいい本です。
文字も読みやすく丁寧です。グラフなどもありとても理解しやすいです。下にあるようにそれぞれの仕組み、メリット、デメリットが対比してあり頭にすーっと入ってきます。そして世界各国の取り組みと日本の立ち位置もわかります。環境とエネルギー政策はどれも一長一短があり解決しなけらばならない事が多すぎです。
環境とエネルギー政策の基本 -国家の安定にエネルギー政策は必須か?-
世界の動向・日本の動向 -自然環境と経済活動の両立がトレンド?-
エネルギーと地政学 -地理と政治でエネルギー動向がわかる?-
原子力エネルギー -脱原発時代、安心安全は新技術に期待?-
太陽エネルギー -太陽光パネルの製造・輸入に課題あり?-
風力エネルギー -注目集まるも自然環境が普及の妨げに?-
水力エネルギー -地域活性にひと役買うも環境への影響は?-
地熱エネルギー -地熱ポテンシャルは日本が世界トップ?-
バイオマスエネルギー -ゴミから生み出す新エネルギーに期待?-
水素・アンモニアエネルギー -製造コストと管理体制が普及のカギか?-
持続可能な社会に向けて -サステナブル社会で求められる行動は?-
各CHAPTERにはColumnがあり関連した内容があります。その中で面白かったものを紹介します。
・通貨の利用が地球温暖化につながる?
ビットコインに代表される仮想通貨利用は、多大なエネルギーを必要とするそうです。アルゴリズム計算を通じて取引プロセスの検証を行うのですがその時に多くの電力を消費します。各人は高性能なコンピュータを利用し、電力を消費します。なるほどPCも使っていると本体も熱も帯びてきて熱くなりますよね。納得です。
・飛行機移動は恥?
「飛び恥」という言葉を知っていますか?「飛行機で移動するなんて恥ずかしい」という考え方があります。英語で「Flight Shame(フライト・シェイム)」と呼ばれます。飛行機での移動は他の移動手段と比較してCO2排出量が多く、環境負荷が大きいため、飛行機を利用した移動は避けるべきであるという考え方です。環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんも同じ考えです。国連気候サミットの開催されるニューヨークへ移動するために、飛行機でなくヨットを利用して大西洋を横断しました(ドキュメンタリーで放送されました。かなり過酷な移動でしたね)しかし現代では飛行機の利用を呈するには難しいです。そこで開発が進められているのが環境にやさしい燃料です。バイオエタノール、バイオマスエネルギーを利用した燃料です。
日本でも取り組みをおこなっています。
・肉食は環境負荷が高い?
肉類を生産するために必要となるエネルギーは、同量の魚や野菜を生産するために必要となるエネルギーより格段に大きいです。中でも牛肉生産に必要となるエネルギーは大きく、鶏肉の約28倍、豚肉の約1.6倍のエネルギーが必要となります。牛は草を消化する過程で大量のメタンを体内で生成し、ゲップやオナラとして排出します。メタンの温室効果はCO2の約28倍あるとされており、地球温暖化への影響は大きなものがあります。
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