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私も東京に憧れたかった

「私も東京に憧れたかった」

今日書きたいことはこれが全てなのだが、
言葉の通り、東京に憧れてみたかったなとふとした瞬間によく思う。

ふとした瞬間というのは、夢を叶えようともがく人を見ている時や、
故郷に帰省していく人を見送った時など様々なのだけど。
彼らからしたらやっぱり東京は特別な場所なのだ。
東京で叶えたい夢があったり、会いたい人がいたり、見たいものがあったり…

私にだってそういう感情はあるのだろうけれど、
それは別に「東京で」叶えたい事ではない。
東京で生まれ育ったのなら東京が故郷で、それが当たり前なのだからそれはそれで良いけれど、
私は千葉で生まれ育ったのだから、それともまた違う。
東京人にはなれないくせに、憧れるほど遠くもない。
私と東京はいつもそんな距離感だ。

もうすぐ年末、地方出身の人と話していると
「年末は帰るの?」「何日から帰省するの?」などと話題に上がる。
私も一応帰省はするけれど、
たった30分もあれば帰れてしまうので、なんだか別に帰省という気はしない。
なんなら会社より近いかもしれないな?
でもよく考えてみると、こんなに近いのに今年は何回実家に帰っただろうか……多分1、2回だ。
家族とご飯を食べに行ったりは結構するのだけれど、
実家に帰るほどの理由もなく、全然帰らなかったな。

私の実家は千葉だけれど、
電車に数駅乗ればもう東京のギリギリ千葉だし
今、私が住んでいるところは、
電車に数駅乗ればもう千葉のギリギリ東京だ。
すぐ実家に帰れるようにと選んだ場所だったけれど、
全然帰っていないわけだし、どっちつかず。
私の故郷は千葉だけれど、あまりに近くて、故郷感がどこか足りない。

地方から上京して来ている人とは、実家や故郷のありがたみや、あたたかさが違うだろうなといつも思う。
私だって、実家のありがたみは感じているけれど、
彼らが感じているのとは全然別物のように思う。
そりゃあ想像する事はいくらでもできるけれど、
多分私はそれを本当の意味で感じることはできない。

それがなんだか、寂しく、悔しいのだ。
私だって、東京に憧れたかったし、故郷や実家のあたたかさを心から感じたかったなあ。

それでもどんなに近くたって、
実家はいつだって私の帰る場所でいてくれる事に感謝しているよ。
お正月は、なにか美味しいお酒でも買って帰ろうかな。

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