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心の霧

曖昧なまま置き去りにした感情たち。
全てがうまくいかなかった生活を経て、目を逸らしてきたすべてのことに疑問を持つ今。
わたしの心を救ったのは、映画と言葉。
当たり前のように学ぶはずだった全てのこと、だけど一度やり方を忘れると途端に出来なくなる全てのことを、一つ一つ掬って、歩ませて、結末と解をくれる。私の過去は深く共鳴して、共に歩む。そのなかで浮かんだ言葉たちは、あの時置き去りにした感情であり、文脈であり、イメージそのものだった。曖昧で掴めなかった霧からそのなかにあるものが現れる、あの瞬間。やっと自分のいる場所と、進むべき場所が見えて、ホッとして、やっと眠れるようになった。

(『空間の詩学』を読んで)


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