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参考文献リストをつくる:Typing vs. Citation

人生の理想は「責務ミニマム、面白いことマキシマム」
出口治明:人生を面白くする本物の教養

論文執筆における責務と面白いこととは、何だろう?
面白いこと・・・、即答が難しい。
一方!
『明らかに責務!』と思えることが1つある。
それは、参考文献リストを作成すること。
責務でしかない、です。泣
論文を執筆する際の風物詩的な作業とはいえ、
毎回、その作業の前に「はぁ・・・。」がある。
そんな責務を少しでもミニマムに!、と思いつづけ、Cite・Citation機能というツールがアンテナに引っかかった。
これは、Cite、Citation機能を知らない人に向けた、参考文献リストの作り方の推奨noteである。

▶︎ 参考文献リストは論文投稿におけるドレスコードである

そもそも、なぜ参考文献リストを正確に書く必要があるのだろう?
論文投稿における成功である「アクセプト」という観点から覗いてみる。

✅ Positive Reason:査読者の印象を高めるため
きれいなタイピングをして、原稿が丁寧に作成されているように見せることで、編集者やレフェリーに好印象を与えることができます。
Masic, Izet. Acta Informatica Medica 21.3 (2013): 148. >>> doi
✅ Negative Reason:門前払いされないため
■ 査読者が書誌を見る理由は、スペルや句読点などの細部への配慮が第一の関心事です。さらに、引用方法がハーバード、バンクーバー、その他のいずれであっても、当該ジャーナルが規定する著者への指示に厳密に従わなければなりません。
■ 参考文献リスト部分のエラーが、査読者が論文を受理しない原因としてよく挙げられます。
Santini, Ario. The Journal of Critical Care Medicine 4.1 (2018): 3. >>> doi

どちらかといえば、後者の理由が大きいと思う。
以下の方程式を思いついた。

参考文献リストがしっかり記載されているか? ≒ 論文投稿時のドレスコード

議員が集まるパーティーに海パンで行ったら・・・
みんなが賑わう海水浴場にガチガチのスーツで行ったら・・・
門前払い、されるであろう。
「頼む!枝葉ではなくて、中身を見てくれ!」を論文上で伝える言語が「参考文献リストの正確性」と思おう!守破離の「守」の最たるものだ。

▶︎ Citation機能:Google Scholar vs. PubMed

さて、本題に入ろう。

「正確性、正確性って言っているけど、参考文献の1つ1つの著者名、題名、文献名・・・、マニュアルのタイピング(Typing)をするって、修行じゃないですか!?そもそも、引用されることが想定されているんだから、簡単にコピーとかできる機能、ないんですか・・・?」

・・・。
・・・。

画像1

 図の引用:http://cr-bun.com/2019/03/08/post-2350/

それこそが、「Citation機能」である。
書誌情報があらかじめまとめられていて、コピーできるようになっている機能だ。
代表的なものとして、①Google Scholar、②PubMed、③掲載されている雑誌、の3つがある。#他にもあるのかな

スライド2

スライド3

スライド4

どれを使ったらいいか?完全にSuperHumanの印象で、特徴を以下の表にまとめてみた。

スライド5

以上の強みから、今回紹介するCitation法が生まれている。今後も進化する。

✅ Citation法 2021.10.11ver
①書誌情報をあらかじめ作っておく
②論文執筆で引用する場合、書誌情報をPubMedで検索し、Citationをコピー
③投稿雑誌のCitation条件に応じて微調整をかける

※最近は、PubMed styleをとっている雑誌が増えている感じがするので、PubMed styleから修正するのが一番早いだろうと思う

なお、あらかじめ作っておく書誌情報は、以下のようなものだ。これは、各個人でのまとめ方があると思う。なお、SuperHumanはEvernoteを用いている。

スクリーンショット 2021-10-11 14.51.53

▶︎ Typing と Citation:実際どのくらい違う?

実際、やってみた。対象は、今回たびたび登場した、下記の論文だ。

Masic I. The importance of proper citation of references in biomedical articles. Acta Inform Med. 2013;21(3):148-155.

結果は、以下の通りである。

■ Typing法:50.1秒
■ Citation法:11.6秒

ゆうに4倍を超える効率性の差が生まれた。
「なんだ、“たかが” 40秒じゃん」と思わないでいただきたい。
引用する論文は、1つだけではないのだ。
仮に、30の文献を被引用をしたとしよう。
その場合、Typing法は25分間Citation法は5.8分間で終わる。
20分間あれば、1単位分の収益を上げることも、世界を変える営みの一部を履行することもできる。
さらに、今回の論文は著者名が少ない。実際にはもっと差が広がるはずである。

苦しいこともあるだろう。
云い度(た)いこともあるだろう。
不満なこともあるだろう。
腹の立つこともあるだろう。
泣き度(た)いこともあるだろう。
これらをじつとこらえてゆくのが男の修業である。
──山本五十六

この態度も、いい。むしろ好きだ。
だが、こと “責務” に対して、僕はこう考えたい。

苦労する身はなにいとわねど 苦労しがいのあるように
高杉晋作

もっといい方法あるよ♪、という先生方がおられましたら、是非、情報を下さい! #我以外皆師
さらに、“責務ミニマム” にしたい思いでいっぱいです。

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