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臨床発達心理士 資格取得の道②

臨床発達心理士 公認心理師との違いとは

心理に関する唯一の国家資格として国は”公認心理師”という専門資格を2017年に誕生させました。

厚生労働省は2021年3月の”公認心理師の活動状況等に関する調査”の中で、公認心理師以外の従来からある心理資格として、臨床心理士、学校心理士、臨床発達心理士、特別支援教育士を心理専門職4資格と呼んでいます。

これまで、それらの心理4資格を基に心理職に従事していた資格保持者は、改めてこの公認心理師という国家資格を取り直し、資格のダブルホルダーとなった人もたくさんおられます。

つまり公認心理師は唯一の国が定めた心理専門資格であり、それ以外の心理に関する資格は民間の資格です。中でも心理専門4資格と厚生労働省が呼んでいる資格については特に専門性が高く、大学院までしっかり学んでから受験資格が得られるものであったり、相当な訓練を積む(知能検査など)研修の末、試験で合格する必要があったり、とそれぞれが厳しい専門性を備える資格なのです。

なので「それで十分じゃないか」という方もおられます。というか後からできた国家資格を批判する方々もチラホラ。

何が言いたいかというと、これらの資格は国家資格と同等に専門性を証明する資格であり、それだけで十分信頼できるものだ、ということです。

【臨床発達心理士という資格についての説明はこちら】

臨床発達心理士と学校心理士の違いは

厚生労働省は先に挙げた調査報告の中で、心理専門4資格として、臨床心理士、臨床発達心理士、学校心理士、特別支援教育士という資格を列挙しているが、学校心理士とは何でしょうか。

学校心理士とは、

学校等をフィールドとした「心理教育的援助サービス」の専門家です。学校生活におけるさまざまな問題について、アセスメント・コンサルテーション・カウンセリングなどを通して、子ども自身、子どもを取り巻く保護者や教師、学校に対して、「学校心理学」の専門的知識と技術をもって、心理教育的援助サービスを行うことのできる方に対して、一般社団法人学校心理士認定運営機構が認定する資格です。

学校心理士認定運営機構HPより

学校では日々いじめや不登校、虐待問題など、子どもや家庭の問題への対応を迫られています。学校の先生は、学校に来る子どもに授業を行っているだけではないのです。

臨床発達心理士は地域を活動フィールドとして捉え幅広い年齢層を対象としているのに対し、学校心理士は学校に所属する期間やその周辺の年齢を主に対象にしているように感じます。学校を活動フィールドの拠点とし、より深く子どもとその家庭の問題を対象として関わるようです。

なぜ臨床心理士資格なのか


臨床心理士資格取得の前、実は私は臨床発達心理士資格を取るか、学校心理士という資格を取るか、で悩み、資格試験に挑む年には両方の資料を取り寄せることから始めました。学校心理士という資格は子どもを専門として扱う私の仕事と親和性が高く、持っておくことに深い意義があり、以前から取得への意欲があったのです。

知り合いの臨床心理士さん数名に相談したところ、皆さん「リンパツ(臨床発達心理士の略語)がいいのでは」というアドバイスをいただきました。この資格は”発達という観点での寄り添い”という点で非常に意義がある、とおっしゃるのです。(決して相対的に学校心理士が劣るということではない。学校というネーミングが少々活躍の場が限定的に響くとおっしゃる方はおられたけれども。)

資格を保持するということは、責任が伴います。クライエントの利益のためにその後の研修や研鑽が必須です。いくつか資格を保持したら、それらの研修を別々に受けなければならなくなります。となると、それを維持していくことに時間もお金もかかり、困難になってしまうことも考えられます。

私の住むところは非常に田舎です。周辺に心理士がいない。本当にいないのです。私の住む家を中心として半径50km圏内には、まずいません。学校を含む地域全体の人たちの心のケアや見守りシステムを構築していきたいと考えている私には、地域を活動フィールドとしてとらえる臨床発達心理士という資格がまず必要だと感じたのです。

こんなふうにアレコレよく考えて、まずは臨床発達心理士資格の取得に向けて準備に取り掛かることにしたのでした。



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