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【コンテンツ制作】設定を少しいじってみる

前回おっちゃんが食事をする所を探して
銀座でブラブラしたら新橋にたどり着いたという話だったので
今度は登場人物を女性に変えてみます。
場所も渋谷に変えて
書いてみます。

【設定】街歩き
【場所】渋谷
【人物】女性1名

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 今日は時間があるから街に遊びに出ることにした。
 久々に渋谷に行ってみることにした。
 平日の木曜日の午後、まだ少し寒いぐらいが気持ちいい。

「平日昼間に遊んでいるんですか?」
「お仕事は何なんですか?」

 そう思われた人もいるかもね。
 実はわたし芸術家なんです。
 ま、駆け出しの写真家で
これから実績を積んで世界に羽ばたく
予定です。

 もともと広告制作会社で働いていて
会社勤めは割と性に合っていた。
 前の会社には営業として入ったんだけど
クリエイティブな仕事も任せられるようになった。

 「発想がひねくれていて目の付け所が変わってんだよな・・・
あ、いい意味で」
 社長からこんな褒められ方をした。
 わたしはムスッとして
「そんなにヘンですかぁしゃちょ~」
と答えたことを覚えている。

 マッコリの甘さとこの言葉が頭の中でリンクしたまま
数年が過ぎた。
 実はこの店の場所を覚えていない。
 飲みすぎたから?いいえ違う。
 思い出したくない過去なのだ。

 いま写真家として
新たなる道を歩み始めたわたしにとって
街を撮ることは新たなインスピレーションを得る
源である。
 渋谷を撮れないなんてもったいない。
 そんな気持ちが私をこの街に駆り立てた。

 相変わらず渋谷は人が多い。
 あいかわらずハチ公の前で写真を撮る人が多い。
 撮りたくなる写真とはどういうものだろう。
 撮りたくなる構図はどういうものだろう。
 どんなストーリーが写真の中に込められているべきか。

 思考がぐるぐる頭の中を駆け巡る。
 ああ、そうだ。今日はあの店を探しに来たんだった。
 そして過去の自分に区切りをつけるつもりだ。

 記憶の片隅から情報を探ろうとする。
 たしか道玄坂の上のほうにあったと思う。
 渋谷駅から道玄坂を通って
交番のところまで行ってみよう。
 そうすれば記憶がよみがえるはず。

 交番のところまでたどり着いた。
 何か思い出せたか。
 いや何も思い出せない。
 記憶にモヤがかかってかすんでいる。
 このモヤモヤを突き抜けた先に
あの店があるはずだ。

 もう30分ぐらいすぎたんじゃないか。
 あきらめよう。別にどうでもいいことじゃないか。
 過去にこだわるなんて自分らしくない。
 もう帰ろうとスマホをバッグから取り出したその時だった。

 「いらっしゃいませ、どうぞ。」
 女性から声をかけられた。
 あれこのひとは・・・。
 頭の中のモヤが一瞬のうちに消え去った。
 あの日のマッコリの味が揚げてくる。
 飲んでもないのに顔がほってて来た気がする。

 そう、あの日のあの店だ。

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全然小説読んでないので気づいていなかったのですが
小説ってディテールをこれでもかと書くものなんですね。
小説を読むと
共感力や認知能力が高まるという説も
さもありなんと思いました。







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