見出し画像

リンクスランドをめぐる冒険 Vol.62 オールドコースでプレーする方法


オールドコースの18番グリーンから1番のフェアウェイを眺める

潤沢な予算があれば大名旅行!

セント・アンドリュースのオールドコースは誰でもプレーできる。

たとえば国内ツアーを利用する方法。
アゴアシ、ガイド付きだから大名旅行だ。
英語なんてキャディが話すゴルフ用語だけ分かれば十分。
旅行期間は短いが、オールドコースだけでなくミュアフィールドなど他の有名なリンクスコースを回れるのも魅力。
料金はハイシーズンで200〜250万円。
この他、昼食とかキャディへのチップとか多少、必要になるが、この料金を払える人なら微々たるものだろう。

オールドコース・ホテルに泊まるという方法もある。
17番ホール脇に建つ、オールドコースの名物ホテルだ。
このホテルのベランダ付きスイートを3泊予約すると、オールドコースのティータイムを確保してくれる。

…いや、5泊だ。
去年までは3泊だった記憶があるが、さきほど公式サイトを見たらスイート5泊になっていた。
料金は見ていないが、5泊しても国内ツアーよりは安い(はず)。
オールドコースが所有しているハーフ・リンクスのデュークコースもパッケージに含まれている。
ツアーを好まず、時間を自由に使いたい人には、こちらの方が向いているだろう。

残念ながら、私にはどちらも選択肢になかった。

もちろん、オールドコースでプレーする方法は他にもある。

がっかりしないでね・・・って何様?

毎年、7月頃になるとオールドコースでは先行予約を開始する。
いつになるか、それはセント・アンドリュース・リンクス・トラスト(オールドコースを含む6コースを管理している組織)次第なので、公式サイトを頻繁にチェックする必要がある。
なお、予約は公式サイトからスマホアプリにジャンプして申し込む形。
先行予約は抽選なので、急ぐことはない。

先行予約の内容は、オールドコースを含む2コースと、カンタンな昼食付き。
確か、日本円で8〜9万円程度だったと記憶している。

かなり高いな、とは思ったが、リンクスランドをめぐる冒険のフィナーレはセント・アンドリュースと決めていたので、オールドコースでプレーするなら仕方ないか、と思って申し込んだ。

7月に申し込み、返信があったのは10月。
その返信が、これ。

親愛なるゴルファーへ。
プライベート・アドヴァンス・ティー・タイムに応募していただきありがとうございました。残念ですが、貴方は抽選で外れちゃいました。でも、がっかりすることはありませんよ?なにしろセント・アンドリュースにはオールドコースの他に5つもコースがあるし、オールドコースでもバロットに応募すればまた抽選できるのですから。ぜひ、ハイシーズンのセント・アンドリュースにお越しくださいね?

みたいな内容が続き、その後で他のコースの紹介だとかバロットの仕方などが掲載されていた。
ちなみにバロットとはプレー希望日の2日前から申込みを受付ける抽選のこと。

「…オールドコース、何様?」

八つ当たり的ではあるが、少々、腹が立った。
わざわざ応募して3ヶ月待たせて、これかよ?

1年前の先行予約、しかも料金が高い。
こんな予約、よっぽど酔狂なやつじゃなきゃしないだろう、と高を括っていた。
だから抽選に漏れる、なんてことは鼻から頭になかった。

抽選でプレーしなきゃなんない、しかも当選したからって高い料金を払わなきゃならない(普通、抽選なんてタダにするためにやるようなものだ)、そんなコースにいささか、興味を失い始めた。

金があればプレーできて、金がなければ抽選。
なんだか、SF映画に出てくる地球最後の日の人選みたいだ。
私なんかきっと、地球と一緒に滅びるだろう。

まあ、いい。
スコットランドに行けばバロットができる。
3日分のバロットをすれば1日ぐらいは当たるだろう。その方がグリーンフィも安く上がるし、なんて気楽に考え始めた。

この時、私は自分の認識が甘すぎることに気がついていなかった。

オールドコースだけでなく、トラスト・リンクスが管理しているコースの需要と供給のバランスを。
私のセント・アンドリュースに対するイメージが20年前のままだったことを。
私にくじ運というものがあったとしたら、急激に下降線を辿っていたことを。

この時、知る由もなかった。
その後に起きる、劇的なことを。

前回の取材でカメラをお願いしたKさん(編集のK君とは別人物)。初対面の時「こいつは俺と同じ匂いがする」と本能的なことを言った。Kさんとはいろいろ取材に同行したが、いつも、とても楽しかった。

Play Will Continue!

※なお、現在の先行予約の金額は£600。たぶん現地価格は変わっていないだろうけれど、円安£高なので約12万円ぐらい。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?