見出し画像

リンクスランドをめぐる冒険 Vol.2 行く前からビビってどーする!

2023年6月22日から2023年7月23日まで。
約1ヶ月間、スコットランドのゴルフコースをめぐる1人旅を敢行。
これだけを考えるとゴルフ好きなら誰もが
「羨ましい!」と思いつくままを言葉にする。
実際、私だって行く前はほぼ、楽しいことしか頭の中になかった。
しかし、いざ行ってみると悪戦苦闘と至福の時の繰り返し。
振り返ればジェットコースターのような1ヶ月間。
これはそこで見たこと、感じたことの備忘録です。

現実のコース画像を見た時の衝撃

技術の進歩は情報の中の世界を近づけたけれど、それは時として想像のベールを剥がして現実を突きつけることでもある。
1994年、私にとって幻想の濃い霧の彼方にあった魔法のコースも2022年(つまり去年の段階で)には素晴らしく出来の良いWeb Siteを持っていた。
そのWeb Siteで初めて、濃い霧のベールを剥がした現実のコースを見た時、全身にアドレナリンが駆け巡って額に冷たい汗を感じた。
アドレナリンは日本語で「闘争・逃走反応」、英語では「fight or flight response」、つまり突然の危機や恐怖に対する急激なストレスから闘うため、あるいは逃げるために身体的能力を一時的に上げる反応だ。
もちろん、私がかいた冷や汗は逃走の方。
余談だが、最新の研究では「闘争・逃走反応」は骨から放出されるオステオカルシンが関与している、という説が注目されている。
閑話休題。

ともかく、マフリハニッシュ・ゴルフ・クラブのWeb Site、トップページに
出てくる画像がこれ。

スコットランドの中でもとびきり荒々しいリンクスコース

おいおい、ここ地球かよ?と疑いたくなるような光景だ。
幻想だの、濃い霧の彼方だの、魔法だの、そんなメルヘンチックな光景を想像していた自分の甘さがアドレナリンを引き出したのだろう。

…それから、自分のゴルフの実力も。

一般的ゴルフコースは俯瞰で見ると全体像を把握できる。
どこがティーイングエリアでどこがグリーンで、フェアウェイがドッグレッグだとか距離が長いとか。

眺めは素晴らしいだろうが観光に行くわけじゃない

ところが、俯瞰で見てもグリーンやティーイングエリアどころか、フェアウェイすら探さないと見つからない。
俺、ホントにこんなところでゴルフするのかよ…。

マフリハニッシュからの返信メール

スコットランド行きを3年前から計画、1年前によーやく家人の了承を取り付け、予算の目処も立ち、散々、マフリハニッシュの素晴らしさを回りに吹聴してきた。
ここで腰が引けて、マフリハニッシュへ行くの止めました、ではあまりにカッコ悪いし、そのうち、日本のコースだと絶対に体験できないな、なんて楽観的な気分になってきた。
ただし、懸念材料もある。

それは1人で行ってプレーできるのか、ということ。

日本のコースは原則、複数。
最近では1人予約できるコースも増えているが、それでも1人だけの場合は催行できない。
たまに1人プレーできるコースもあるが、数は極端に少なく、しかも割高だ(横浜起点の基準)。
アメリカの場合も日本と似ていて(いや、最近の日本が世界のスタンダードに近づいているのか)1人予約は可能だけれど、大抵は同じ1人予約の人たちと組み合わせられる。
果たして、スコットランドのスタンダードはどうなっているのか?
知識も確証もないのに迷っていても仕方がない。
で、マフリハニッシュにメールを送ってみた。
「来年(つまり2023年)、マフリハニッシュでプレーしたいのだけれど1人で行ってもできますか?もちろん、他の人との組み合わせでも構いません」
といった内容で。

Good morning,
we do allow sinlge golfers to play. Our 2023 diary isn't open yet. The
diary opens in October/November time.
regards
Jennie
Jennie Dunn
PGA Head Professional
The Machrihanish Golf Club
For table reservations in the Club House please email hospitality@machgolf.com or call 01586 810213 Option 2

e-mail

で、これが返事。
「おい、変な日本人からメールが来たよ。わけわかんないから無視しちゃおうぜ」なんてことはなく、すぐに返信が来た。

これで、1人で行っても何の問題もなくプレーできることが分かった。
調子に乗って他のいくつかのゴルフコースにも同様の内容を送ったところ、概ねマフリハニッシュと似た内容の返信だった。

振り返ると、この返信メールが背中を後押ししてくれた要因のひとつだ。

期待と不安の天秤ばかりは期待に大きく傾いた。

続く


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?