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リンクスランドをめぐる冒険Vol.35 ここがローカルコースの極み? ライブスター・ゴルフ・クラブ Part.3.01

ライブスター・ゴルフ・クラブの古い木造校舎のようなクラブハウスが、かつては駅舎だったと知ったのは日本に帰国して公式HPの歴史を改めて読んでからのことだった。
ライブスターの町に、ウイック&ライブスター鉄道が通っていたのはPart.1で記した通り。この鉄道の終着駅であり、唯一、貨物車の引込線まであったのが現在のクラブハウス付近。
ニシン漁が盛んだった頃はたいそう、賑わっていたのだろう。
コースのエンブレムに蒸気機関車が描かれているのも納得できる。
ゴルフコースが開設されたのは1904年。
スコットランドではかなり後発だ。当時はコースの両側が急傾斜な土手になっており、その谷間にホールが作られていたという。ちなみにコースを設計したのはマクハーディ巡査長。つまり、おまわりさん。スコットランド人のゴルフ好きが分かるエピソードだ。

Lybster Golf Club 公式HPより引用

確かに当時の駅舎を見ると、煙突こそなくなったものの現在のクラブハウスと大差ない。鉄道は1944年に廃線となったが、駅舎はそのまま残された。100年以上も前の建物を現在も使っているところがまた、このコースの魅力のひとつだと思う。

ライブスター・ゴルフ・クラブを単なるショートコース、と侮ってはいけない。
距離のあるコースやカートパスの長いコース、あるいはアップダウンのきついコースはゴルフをしたい高齢者や女性にとっては体力的にかなり厳しい。
けれど、ここのコースの長さやフラットな地形であれば、体力的に厳しい人でも好きなだけ回れる。
競技会も積極的に開催しており、ハイシーズンの休日にはシニアや女性、あるいはペアの大会が頻繁に行われる。
最近では、このコースでも移動が厳しい人を支援するために電動バギーが2台導入された。

John O'Groat Journalより引用

そのローカルニュース(John O'Groat Journal)を読むと、地元の風力発電所のコミュニティ資金からライブスター・ゴルフ・クラブ委員会に電動バギーの購入資金として£10,000が授与された、と書かれている。

クラブ会員や委員会のお仕事、とはこういうことだろう。
年会費ばっかり集めて高いグリーンフィを払わせるだけでは、クラブと呼べない。

ライブスター・ゴルフ・クラブはスコットランドで最小のゴルフコースらしい。クラブハウスは古い木造、グリーンフィは現金のみ。
9ホールしかなく、4番から7番はホールが複雑にクロスしている。

それでも。
ここのクラブライフを羨ましい、と感じるのは私だけだろうか?

続く

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