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S
「もう一度聞く」
刑事がまた机をバンと思いきり叩いた。
「名前は」
「…カグワ、クチナシ霞」
「恋歌だろう」
「…戦争が、戦争が始まる」
「誤魔化すな」
刑事が恋歌の髪を掴んで振った。
「ねぇ、おじさんお金頂戴。なんでも
するよ」
「ふざけるな」
刑事が恋歌の頬を張った。
「ギブ三―ポップコーン。ねぇ、ポップコーン
ってアメリカ人の主食なんでしょう」
「こいつ、狂ってるのか」
刑事はタバコを出したが、吸うことはせずに
足元で踏み潰した。
「あの邸には悪い噂があってな」
「ギブ三―、ぎぶみータクアン」
「
「主が中南米の麻薬王なんじゃないかってな」
恋歌がピクリと反応した。
「おまえまさかシャブ漬けにでも
なってるんじゃねぇだろうな」
「タクアンなら漬けた」
「たくあんの話はもういいんだよ」
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