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【バスケ】W杯終了から約一か月・・・日本の強さを語ります。(前編)

こんにちは、Coach Sです!
FIBAワールドカップが終わってからもう約一か月経ちました。優勝国は日本の初戦敗北した相手ドイツで幕を閉じました。ドイツは全体的にディフェンスが良く、オフェンスもシュルーダーを軸にバーグナー兄弟やオブストが牽引し、見ていて隙が無いなという印象でした。
さて、日本は初めてヨーロッパの国(フィンランド)を倒しましたがグループステージを敗退し順位決定戦に回りました。ですが、そこで2連勝を果たし見事パリオリンピックへの切符を自力で掴みました(実に48年ぶり!)。しかし日本の至宝、「八村塁」が出ていないにも関わらず、順位決定戦で2連勝、そしてフィンランドに勝てたのか、個人的に考察していきたいと思います^^


①大黒柱「ジョッシュ・ホーキンソン」

 帰化選手として日本代表に名を連ねたジョッシュ・ホーキンソンは日本代表になくてはならない存在になりました。平均得点21点、平均リバウンド10.8本と平均ダブルダブルを記録しました。得点ランキングでは全体7位、リバウンドでは全体2位でした!数字だけでも凄いと感じますが、それは試合を見ても貢献度が違うと感じました。

平均得点は高いもののホーキンソン頼みではなかった

 平均得点は日本代表の中で一番でしたが、決してホーキンソン一人に頼ったオフェンスではありませんでした。時は遡り2019年のワールドカップ。

この時は八村塁や先日引退を表明したニックファジーカスが日本代表にいました。この試合を見ると、ポストアップした八村やファジーカスにボールを集めようとし、時間が少ない中で無理なショットを打たざるを得ませんでした。しかし、今回のワールドカップは河村勇輝などガード陣を起点にDHO(ダイレクトハンドオフ)などを使いボールと人が動くオフェンスになり、スペースが空けば3を打つという戦術になりました。スリーポイントを主体にすると、インサイドが空きます。富永がフィンランド戦で見せたホーキンソンへの2回のアシストがそれを物語っていると思います。

(2:01:39当たりのプレイが顕著です!)
ホーキンソンのポストプレイ自体は回数が少ないですが、インサイドでの合わせ、そしてフィニッシャーとしての確実さが得点を積んでいけた理由だと私は考えます。

最終戦で見せた引き出しの多さ

最終戦では打って変わって、ホーキンソンを中心にオフェンスをしていたように見えます。というのもカーボベルデのセンターが221㎝のウォールター・タバレスという選手でした。彼はカーボベルデ初のNBA選手であり、そのサイズと腕の長さでディフェンスで脅威とされていました。しかし、そのサイズ故にスピードが追いつけず展開の早いNBAでは居場所をなくしてしまい、今ではレアルマドリーというスペインのチームにいます(それでも強豪ですが)。
そしてカーボベルデ戦、この選手の弱点であるスピードを狙っていました。今までのホーキンソンはピックアンドロールをすることが多かったのですが、この試合では明らかにピックアンドポップが多かったです。ピックアンドポップとは、ピックに行った選手がインサイドに飛び込まず3ポイントに開く戦術です。タバレスはインサイドディフェンスでは脅威ですが、ペリメーターディフェンス(平面のディフェンス)ではかなり遅れをとっています。なので、3ポイントラインまでチェックにいかず、ホーキンソンは3ポイントをクリーンルック(視界良好)で打てました。B Leagueをあまり見たことないので3のイメージがなかったのですが(日本代表でもそこまで決めているのを見ていないのもあり)、この試合では8分の4決めて選手としての器用さを見せつけました。

ディフェンスでも細かいオフボールスイッチやインサイドでの仕事(リバウンドやショットの成功率を下げるようなブロック)を安定してこなし、この選手が居なければゲームが崩壊してたと思わせるほどの仕事ぶりだったと思います。

②引退宣言で覚悟を見せた「渡辺雄太」

NBA選手としての意地

オリンピックに行けなかった暁には代表を引退すると意気込んだ矢先、練習試合で捻挫をしてぶっつけ本番でワールドカップに臨んだ渡辺雄太。不安要素がたくさんあったものの蓋を開ければ、ワールドカップは3勝2敗でオリンピック確定、個人でも平均出場時間とブロックで日本一位、得点とリバウンドでもホーキンソンに続き二位でした。今回のワールドカップでは日本人唯一のNBA選手だったこともありマークが厳しかったですが、ショートジャンパーやスポットアップシュートを安定してNBA選手としての意地が見えました。

足を引きずりながらディフェンス

ドイツ戦の4Qの最後のアリウープ後、足を気にする素振りを見せた渡辺雄太ですが、それは次戦のフィンランド戦でも影響があったように見えます。フィンランド戦の最後も足を引きずりながら交代をしていました。スタッツもそこまでぱっとしない数字でしたが、数字には表れない貢献度があったと思います。
 まず印象に残ったのは、フィンランドのNBA選手ラウリ・マルケネンへのディフェンスです。結果としては27得点を許しましたが、どのポゼッションでも渡辺雄太がボールを簡単に入れさせないようなディフェンスをしてたように見えます。マルケネンにボールが入った際は、簡単にやられてしまうこともありましたが、マルケネンのボールタッチ数は少ないような印象がありました。それこそ前回のワールドカップの日本代表のように、NBA選手に集中してボールを集めるような形が取られればもしかしたら成すすべがなかったかもしれません。
さらに渡辺雄太はカバーディフェンスが上手く、相手のガードがドライブしてきた際にはリムプロテクターとして相手に脅威を与えていました。証拠として平均ブロックはホーキンソンより多い1.8BLKを記録しています。このような動きがNBAでは評価されていて、ディフェンスのローテーションのうまさ、手足と身長の長さ、206㎝としては機敏で、何よりハッスルをすることが評価につながっています。日本代表でもそれを見る事が出来たので、やはり一線を画したNBA選手なんだなと再認識させられました。

ブロック平均1.8本の渡辺雄太

③次回は”想定外”の選手

 今回は、この「ジョッシュ・ホーキンソン」「渡辺雄太」の2選手を紹介していきました。この2選手が日本のディフェンスとオフェンスの大部分で引っ張っていきましたが、この二人だけでは勝てません。バスケットボールは5on5、もっと言うなればベンチを含めた12人で戦います。
 この二人の活躍は当然と言えば当然でしょう。しかし、試合に勝てたのは彼らのお陰でもあり、想定外の選手の活躍が日本の「3勝」に導いたと思っています。
 それはまた次回・・・。

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