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パレスチナ問題ってなに?

イスラエルとパレスチナとは?

昔から、地中海の一番、東の沿岸にある地域のことを「パレスチナ」と呼んでいました。南にエジプト、東にヨルダンがあって、北にはシリアやレバンがある場所です。

パレスチナ問題とは、東地中海の パレスチナ という地域をめぐる、民族間の争いのことです。

このパレスチナの地にあるエルサレムには、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、それぞれの聖地があります。宗教上とても重要な地域です。

1947年 国連総会、パレスチナを
                 ユダヤ人国家とアラブ人国家に分割することを決議

1948年 イスラエルの建国を宣言
                 →第一次中東戦争

1973年 第四次中東戦争→石油危機

①1947年 パレスチナ分割が決議される
1947年、国連総会である決議がなされました。
パレスチナをユダヤ人国家とアラブ人国家に分割するというものです。
パレスチナをめぐっては、多くの民族が領有を主張して争ったり、
宗教的な対立が起こったりしていました。
そこで「このままでは戦争が起こってしまう」と考えた人たちが、
パレスチナ分割を決定しました。

1948年 イスラエルの建国が宣言される
1948年、迫害を受けたユダヤ人たちは自分たちの国を作りたいと考え、
イスラエルの建国を宣言しました。この宣言に対し、アラブ人は
「一方的に国を作るなんて勝手だ」と反発しました。同じく1948年、アラブ人国家とイスラエルの間で第一次中東戦争が始まります。そして、それ以来、アラブ人国家とイスラエルの対立が何度も続いています。

③1973年 第四次中東戦争
1973年には 第四次中東戦争 が始まります。
先ほどは 第一次 中東戦争だったので、この間にも2度の戦争がありました。
第四次中東戦争は 戦場から遠く離れた日本にも影響を及ぼしました。
この戦争の影響で 石油危機(オイルショック) が発生したのです。
第四次中東戦争が終わった後も、アラブ人国家とイスラエルとの間に平和は訪れていません。
現在でも 対立や自爆テロ、軍事侵攻は続いています。

問題のきっかけはイスラエル建国

どうしてイスラエルはこの土地で建国されたのか。それを知る鍵となるのは2000年前にあります。
パレスチナの地には、ユダヤ教を信じるユダヤ人の王国がありました。しかし、この国は2000年ほど前にローマ帝国に滅ぼされてしまいます。
このとき、ユダヤ人は、パレスチナを追い出されて世界に散り散りになってしまいます。
その後パレスチナの土地にアラブ人(今で言うパレスチナ人)が住み続けることになりました。
散り散りになったユダヤ人はヨーロッパや中東、アフリカで暮らすことになりましたが、特にヨーロッパでは差別や迫害に苦しむことになりました。
ユダヤ人はそれぞれの土地で、普通の人がなかなか就かないような仕事に就かざるを得なくなります。その代表例が金融業です。
やがて金融業の需要が増すにつれ、その土地土地で富を握るようになり、知識階級の中でも影響力を持つようになります。

イギリスが「ユダヤ人の国家建設を支持します」と約束して。ユダヤ系の財閥、ロスチャイルドから資金援助を引き出そうという狙いです。

一方イギリスは、当時パレスチナを含むアラブ地域を支配していたオスマン帝国を切り崩すため、アラブ人にも「オスマン帝国と戦えば、独立国家をつくる」と約束します。さらに盟友のフランスとは、この地域を山分けする密約も結んでいたのです。それが「三枚舌外交」と呼ばれるものです。

結局、オスマン帝国の領土は、イギリスとフランスが山分けすることになりました。ユダヤ人は「だまされた」と思いつつ、パレスチナの地に移り住む動きを強めていきます。

そして、最後の決め手となったのが、ナチス・ドイツによる
ホロコーストです。これにより600万人のユダヤ人が殺害されました。
もう二度とユダヤ人が迫害されることはあってはならないと、
悲願の国をつくる思いを強めていきました。ナチスの犠牲者になったユダヤ人への同情もあり、1947年には「パレスチナの地に国をつくらせよう」という国連決議が採択されました。

そして翌年には、ユダヤ人がイスラエルの建国を宣言します。パレスチナ側からすると広大な土地を取られてしまうため、「勝手に国をつくられるのはおかしい」と反発しました。建国の翌日(1948年5月15日)には周辺のアラブ諸国がイスラエルに攻め込みました。これが第1次中東戦争です。

現在のパレスチナ問題

7日朝、イスラエルに大規模な攻撃がありました。

パレスチナのガザ地区から2000発以上のロケット弾が発射されたと報道があり少なくとも20人以上の死者が出ていると言われています。攻撃したのはハマスというイスラム組織。パレスチナのガザ地区を実効支配する組織です。

ハマスは軍事作戦の開始を宣言し、イスラエルのネタニヤフ首相は「戦争状態にある」と声明を出しました。武装集団がガザからイスラエル南部に侵入したとの情報もあります。イスラエル軍もハマスの拠点に報復の空爆を始めました。

ハマスによる攻撃はこれまでもありましたが、今回のイスラエル国内への攻撃は1948年のイスラエル建国以来で最大規模ともいられています。
このままいくと昨年来のロシア、ウクライナ戦争のように、世界経済や金融市場の大きなリスクに発展する可能性もあります。

市場への影響は?

一般に中東情勢が緊迫すると、原油価格の上昇や株安が起こりやすい傾向があります。仮に原油が高騰すると、インフレ懸念を再び高めるため、金融政策運営にも影響が出てくるかもしれません。

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